プラノバールでの緊急避妊は「1錠」では効果なし!正しい飲み方(ヤッペ法)と飲み忘れ時の対処【医師監修】
結論から申し上げます。
もしあなたが今、「避妊に失敗したかもしれない」と焦り、手元にあるプラノバールを「緊急避妊薬(アフターピル)」として使おうとしているなら、1錠飲んだだけでは避妊効果は全く期待できません。
妊娠を回避するためには、「2錠」飲み、そのきっかり12時間後にさらに「2錠」飲む(合計4錠)という、厳密な手順(ヤッペ法)が必要です。
一方で、もしあなたが「毎日飲んでいるプラノバールを昨日飲み忘れた」という状況であれば、気づいた時点で1錠飲めば、避妊効果は維持される可能性が高いです。
この記事では、今のあなたが置かれている状況に合わせて、医学的に正しい対処法を包み隠さず、分かりやすく解説します。
焦る気持ちは痛いほど分かりますが、間違った飲み方は副作用だけで効果がないという最悪の結果を招きます。
まずは深呼吸をして、この記事を最後まで読んで行動してください。
この記事でわかること
- 1.【緊急避妊の方へ】 1錠ではなぜダメなのか?失敗しない正しい「ヤッペ法」の具体的スケジュール
- 2.【飲み忘れの方へ】 避妊効果を維持するためのリカバリー方法とリセットの基準
- 3.【医師監修】 避けられない「激しい吐き気」への対策と、避妊成功を見分けるサイン
【緊急避妊の方へ】プラノバール「1錠だけ」では妊娠します。その理由とリスク
「ネットで調べたら『1錠飲む』って書いてあった気がする」
「手元に1錠しかないから、とりあえずこれを飲めばなんとかなるはず」
もしそう思っているなら、今すぐその考えを捨ててください。
プラノバールを緊急避妊(アフターピル)として代用する場合、1錠のみの服用は、指針で示されるヤッペ法(2錠→12時間後に2錠)に達せず、十分な効果は期待できません。
緊急避妊薬の作用は主に排卵の抑制・遅延によると考えられています。
これは脅しではなく、薬の成分量に基づいた医学的な事実です。
なぜ「1錠」という誤解が生まれてしまうのか。それは、現在主流となっている新しいタイプのアフターピル「ノルレボ(またはそのジェネリック)」と混同していることが最大の原因です。
監修医のアドバイス
ノルレボ(1錠タイプ)との混同に注意!成分量の決定的違い
緊急避妊薬として認可されている「ノルレボ錠」などは、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)という成分を、1錠の中にギュッと高濃度で詰め込んでいます。
だからこそ、1回1錠飲むだけで強力に作用し、排卵を抑制することができます。
一方で、「プラノバール」は中用量ピルと呼ばれ、本来は月経困難症の治療や生理日の移動に使われるお薬です。
プラノバール1錠に含まれるホルモン量は、緊急避妊に必要な量には遠く及びません。
そのため、昔から行われている「ヤッペ法」という代用手法では、1回に2錠、それを2回繰り返すことで、無理やり体内のホルモン濃度を急上昇させる必要があるのです。
以下の表を見て、その違いをはっきりと認識してください。
▼緊急避妊薬のタイプ別・服用錠数比較表

| 比較項目 | ノルレボ・レボノルゲストレル錠(認可薬) | プラノバール配合錠(代用:ヤッペ法) |
|---|---|---|
| 1回の服用錠数 | 1錠 | 2錠 |
| 服用の回数 | 1回のみ | 2回(12時間間隔) |
| 合計錠数 | 1錠 | 4錠 |
| 妊娠阻止率(推定) | LNG法:妊娠の約85%を阻止 | ヤッペ法:妊娠の約57%を阻止 |
| 副作用(吐き気) | 少ない | 非常に強い |
「1錠でいい」のはノルレボだけです。
プラノバールの場合は、4倍の量を飲まなければスタートラインにも立てないことを覚えておいてください。
「手元に1錠あるから」での自己判断が一番危険
私が医療ライターとして最も心配するのは、「手元にたまたま1錠だけ残っていたから、とりあえずこれを飲んで安心したい」というケースです。
このような「お守り代わりの1錠服用」は、医学的には「気休め」にすらなりません。
むしろ、中途半端にホルモンを入れることで、ホルモンバランスが乱れ、生理周期がおかしくなったり、不正出血が起きて「避妊できたのかできていないのか分からない」状態に陥るだけです。
さらに悪いことに、プラノバールには副作用として「血栓症」のリスクや、強い「吐き気」があります。
たった1錠でも、体質によっては激しい嘔吐感に襲われることがあります。
避妊効果がないのに、副作用のリスクだけを負うのは、あまりにも割に合いません。
もし手元に1錠しかないのなら、その1錠を飲むのではなく、すぐに婦人科を受診して、正しいアフターピルを処方してもらうことが、結果的に一番安く、そして確実にあなたの未来を守る方法です。
今すぐ実践!プラノバールを使った正しい緊急避妊法(ヤッペ法)
ここからは、どうしてもすぐに病院に行けず、手元にプラノバールが十分な量(4錠以上)あるという方のために、「ヤッペ法」の具体的な手順を解説します。
この方法は、現在主流のノルレボ法に比べると避妊成功率は下がりますが、性交後72時間以内であれば、一定の効果が認められています。
手順はシンプルですが、タイミングが命です。スマホのアラーム機能を準備して読み進めてください。

タイムリミットは72時間!基本の飲み方スケジュール
ヤッペ法の鉄則は、「2錠飲んで、12時間後にまた2錠」です。
これを72時間(3日)以内に完了させる必要があります。
ステップ1:1回目の服用
- いつ?:性行為のあと、できるだけ早く(遅くとも72時間以内)。
- 何を?:プラノバールを「2錠」まとめて飲みます。
- ポイント:空腹時に飲むと吐き気が強く出やすいため、できれば軽食をとった後に服用してください。
ステップ2:12時間のカウントダウン
- 1回目の服用が終わったら、すぐにスマホで「12時間後」にアラームをセットしてください。
- この「12時間」の間隔は、体内のホルモン濃度を維持するために非常に重要です。数時間のズレが命取りになることもあります。
ステップ3:2回目の服用
- いつ?:1回目の服用からきっかり12時間後。
- 何を?:再びプラノバールを「2錠」飲みます。
- これで完了:合計4錠を飲み切って初めて、緊急避妊の処置が完了します。
監修医からのアドバイス
副作用の「吐き気」はほぼ確実に出ます。(※個人差あり)対策と乗り切り方
ヤッペ法を行う上で、避けて通れないのが「強烈な吐き気」です。
私が過去に取材した患者さんの中には、「二日酔いの最もひどい状態が半日続く感じ」「船酔いで世界が回るようだった」と表現する方もいました。
プラノバールに含まれるエストロゲンが、脳の嘔吐中枢を刺激するために起こります。
しかし、ここで吐いてしまって薬が吸収されなければ、避妊は失敗に終わります。
まさに、吐き気との戦いです。以下の対策を徹底してください。
1. 制吐剤(吐き気止め)を一緒に飲む
もし手元に、内科で処方された「ナウゼリン」や「プリンペラン」、あるいは市販の胃薬や酔い止め薬があれば、プラノバールと一緒に(あるいは30分前に)飲んでください。これだけで随分楽になります。
2. 就寝前に飲む
可能であれば、1回目の服用を寝る直前にすることで、副作用のピークを睡眠中にやり過ごすことができます。
3. もし吐いてしまったら
- 服用後2時間以内に吐いてしまった場合:薬がまだ吸収されていない可能性が高いです。すぐにもう一度、同量(2錠)を飲み直す必要があります。予備の錠剤がない場合は、残念ながらその時点でアウト(避妊失敗のリスク大)となります。
- 服用後2時間以上経過してから吐いた場合:成分の多くは吸収されていると考えられますので、追加服用の必要はありません。
医療ライターの取材メモ
実際にヤッペ法を行った経験者の方々からは、副作用との戦いについて切実な声が多く聞かれます。
ある方は、「ここで吐いてしまったら妊娠するかもしれない」という恐怖心だけで、冷たい水を少しずつ口に含み、必死に深呼吸をして吐き気に耐えたそうです。
「今、この数時間の吐き気を我慢する辛さと、望まない妊娠をしてしまった時の辛さ。どちらを取るかと考えれば、答えは決まっていた」
もしあなたが今、強烈な副作用に心が折れそうになっているなら、この言葉を思い出してください。未来の自分を守るための、あと少しの辛抱です。
避妊成功のサインは?いつ「リセット(生理)」が来るか
4錠すべて飲み切り、吐き気も乗り越えたあと、次に気になるのは「本当に避妊できたのか?」という点でしょう。
避妊が成功したかどうかを判断する唯一のサインは、「消退出血(しょうたいしゅっけつ)」と呼ばれる出血が来ることです。
「消退出血」とは?通常の生理との違い
服用後、体内のホルモン濃度が急激に下がることによって、子宮内膜が剥がれ落ちて出血が起こります。これを消退出血と呼びます。
見た目はいつもの生理とほとんど変わりませんが、人によっては量が少なかったり、茶色っぽい色をしていたりすることもあります。
出血が来る時期の目安
- 早ければ服用終了から3〜4日後
- 平均的には1週間〜10日前後
- 遅くとも3週間以内
服用後に出血(消退出血のような出血)が起こることは多く、妊娠の可能性が下がった一つの目安にはなります。
ただし、注意が必要なのは「着床出血」との見間違いです。
妊娠が成立した際にも、少量の出血が起こることがあります。
出血が極端に少なく、かつ短期間(1〜2日)で終わってしまった場合は、念のため警戒が必要です。
3週間経っても出血がない場合は妊娠検査薬を
もし、プラノバールを飲んでから3週間が経過しても出血がない場合は、以下の2つの可能性が考えられます。
- 避妊失敗(妊娠している)
- ホルモンバランスの乱れによる生理遅延
この白黒をはっきりさせるために、性行為から3週間後(または服用から3週間後)に、市販の妊娠検査薬を使ってください。
「怖いから検査したくない」という気持ちは分かりますが、もし妊娠していた場合、対応が遅れれば遅れるほど、あなたの体への負担も、精神的な負担も大きくなります。
監修医からのアドバイス
【常用中の方へ】プラノバールを「1日分(1錠)」飲み忘れた時の対処法

ここまでは「緊急避妊」についてお話ししましたが、ここからは「月経困難症の治療などで、普段からプラノバールを飲んでいる方」に向けたお話です。
毎日飲んでいる薬を飲み忘れると、「避妊効果がなくなるのではないか」「また最初からやり直しなのか」と不安になりますよね。
でも、安心してください。プラノバールは作用時間が長いお薬なので、1日程度の飲み忘れならリカバリーが可能です。
気づいた時点で「すぐに1錠」飲めばOK
「昨日飲むはずだった1錠を飲み忘れた!」
そう気づいたのが、本来飲むべき時間から24時間以内であれば、対処法はシンプルです。
気づいた時点ですぐに、飲み忘れた分の「1錠」を飲んでください。
そして、「今日の分」は、いつもの時間に飲んでください。
つまり、気づいたタイミングによっては、1日に合計2錠飲むことになりますが、それで問題ありません。
この対応をとれば、避妊効果は継続していると考えられますので、慌てる必要はありません。
2日以上(2錠以上)飲み忘れた場合は?
もし、2日以上連続して飲み忘れてしまった(最後に飲んでから48時間以上空いてしまった)場合は、状況が変わります。
体内のホルモン濃度が下がりすぎてしまい、避妊効果が期待できなくなります。また、高い確率で生理(のような出血)が始まってしまいます。
対処法
- 服用中止:今のシート(薬)を飲むのはもうやめてください。残った薬は破棄するか、医師の指示を仰いでください。
- リセット待ち:数日中に出血が始まりますので、それを待ちます。
- 再スタート:次の新しい生理が始まったら(あるいは医師の指示に従って)、新しいシートの1錠目から服用を再開してください。
注意点
新しいシートを飲み始めてから1週間ほど経つまでは、避妊効果が不十分です。その間は必ずコンドームを使用するか、性交渉を控えるようにしてください。
緊急避妊・飲み忘れに関する医師へのQ&A
最後に、プラノバールに関するよくある疑問や不安について、専門医である竹綱先生にお答えいただきました。
Q. プラノバールで緊急避妊した場合、将来の不妊に繋がりませんか?
監修医の回答
Q. ピルを飲んでいてもコンドームは必要ですか?
監修医の回答
Q. 4錠飲むと太りますか?
監修医の回答
まとめ:自己判断せずに、不安ならすぐに受診を
最後に、これまでの重要ポイントをチェックリストで確認しましょう。
【緊急避妊(ヤッペ法)を行う方】
- [ ] プラノバールは合計「4錠」用意できていますか?(1錠では無意味です)
- [ ] 性行為から「72時間以内」ですか?
- [ ] 1回目の服用直後に、「12時間後」のアラームをセットしましたか?
- [ ] 吐き気止め(胃薬・酔い止め)の準備はありますか?
【飲み忘れの方】
- [ ] 飲み忘れは「1日分(24時間以内)」ですか?
- [ ] 気づいた時点ですぐに飲みましたか?
もし、この記事を読んでも「やっぱり自分で判断するのは怖い」「手元に4錠もない」「副作用がどうしても不安」という方は、迷わずに産婦人科を受診してください。
今は、オンライン診療ですぐにアフターピル(ノルレボなどの副作用が少なく確実な薬)を郵送してくれるクリニックもたくさんあります。
土日や夜間でも対応している病院はあります。
1錠のプラノバールにすがって不安な夜を過ごすよりも、専門家の力を借りて、確実な安心を手に入れてください。
あなたの体と未来を守れるのは、あなた自身の行動だけです。














