葉酸が多い食べ物ランキングTOP30!妊活・妊娠中に必要な量を効率よく摂るコツ

妊活を始められた方、そして新しい命を授かった方へ。
赤ちゃんの健やかな成長を願う中で、「葉酸」という栄養素の重要性について耳にする機会が増えたのではないでしょうか。
結論として、妊活・妊娠中の葉酸摂取は、赤ちゃんの健やかな成長のために非常に重要です。
この記事では、医師監修のもと、科学的根拠に基づき、葉酸を多く含む食べ物ランキングから、栄養を逃さない調理のコツ、そしてサプリメントとの上手な付き合い方まで、あなたの疑問と不安を一つひとつ丁寧に解消していきます。
この記事を読み終える頃には、葉酸についての正しい知識が身につき、毎日の食事を楽しみながら、自信を持って赤ちゃんとご自身の体をケアできるようになるはずです。
この記事でわかること
- 1.一目でわかる!葉酸が多い食べ物ランキングTOP1.
- 2.妊娠時期別に必要な葉酸の推奨摂取量と上2.
- 3.食事だけで足りる?専門家が教える効率的な葉酸の摂3.
身近な食材で選ぶ!葉酸が多い食べ物ランキング
まずはじめに、皆さんが最も知りたい「葉酸を多く含む食べ物」をランキング形式でご紹介します。
日々の食事にどの食材を取り入れれば良いのか、ぜひ参考にしてください。
含有量の数値は、調理前の生の状態のものです。
このランキングは、文部科学省が公表している「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」のデータを基に作成しており、信頼性の高い情報です。
100gあたりの含有量だけでなく、実際に一度に食べる量(1食あたりの目安量)での含有量も記載していますので、より現実的な参考にしていただけるかと思います。
▼【総合】葉酸が多い食べ物ランキングTOP30を見る
実用 順位 | 食品名 | 1食あたりの 葉酸含有量(目安量) | 100gあたりの 葉酸含有量 | 調理と摂取のポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 鶏レバー(生) | 520 μg (40g) | 1300 μg | 加熱必須。貧血予防の鉄分も豊富。煮物やパテに。 |
2 | 牛レバー(生) | 400 μg (40g) | 1000 μg | レバー類は高含有。必ず中心部までしっかり火を通して。 |
3 | 豚レバー(生) | 324 μg (40g) | 810 μg | 鶏や牛と同様、加熱必須。レバニラ炒めなどに。 |
4 | 枝豆(ゆで) | 260 μg (さや付き約200g、可食部100g) | 260 μg | 冷凍品も便利で栄養価はほぼ同じ。おつまみやサラダに。 |
5 | 菜の花(生) | 170 μg (1/4束, 50g) | 340 μg | 旬の時期に。おひたしやパスタに。茹で時間は短く。 |
6 | ブロッコリー(生) | 132 μg (1/4個, 60g) | 220 μg | 茹でると栄養素が流出するため、蒸し調理や電子レンジ加熱がおすすめ。 |
7 | 芽キャベツ(生) | 120 μg (5個, 50g) | 240 μg | ビタミンCも豊富。シチューや炒め物に。 |
8 | うなぎ(きも) | 114 μg (1串, 30g) | 380 μg | ビタミンAも非常に豊富。少量でも栄養価が高い。 |
8 | グリーンアスパラガス(生) | 114 μg (3本, 60g) | 190 μg | 穂先に特に多く含まれる。根本は硬い皮をむいて調理。 |
10 | ライチ(生) | 100 μg (5個, 100g) | 100 μg | 独特の香りと甘み。食べ過ぎに注意。 |
11 | さつまいも(皮なし、生) | 98 μg (中1本, 200g) | 49 μg | 蒸したり焼いたり。食物繊維も豊富。 |
12 | マンゴー(生) | 84 μg (1/2個, 100g) | 84 μg | βカロテンも豊富。熟したものをデザートに。 |
13 | カリフラワー(生) | 70.5 μg (1/4個, 75g) | 94 μg | ピクルスやサラダ、スープに。茹でるより蒸す方が栄養を逃しにくい。 |
14 | いちご(生) | 67.5 μg (5粒, 75g) | 90 μg | ビタミンCが非常に豊富。洗う際はヘタをつけたまま素早く。 |
15 | ほうれん草(生) | 63 μg (1株, 30g) | 210 μg | 水溶性のため茹でると葉酸が約半分に減少。蒸したり炒めたりするのが効率的。 |
16 | モロヘイヤ(生) | 62.5 μg (1/4束, 25g) | 250 μg | 刻むと粘り気が出る。スープやおひたしに。 |
17 | 豆乳(調整豆乳) | 62 μg (コップ1杯, 200ml) | 31 μg | 牛乳の代わりに。手軽に摂取可能。 |
18 | そら豆(生/ゆで) | 60 μg (さやから出した豆50g) | 120 μg | 旬の味覚。塩ゆでがシンプルで美味しい。 |
19 | アボカド(生) | 58.1 μg (1/2個, 70g) | 83 μg | “森のバター”。変色しやすいのでレモン汁をかけると良い。 |
20 | 焼きのり | 57 μg (全形1枚, 3g) | 1900 μg | 100gあたりはトップクラスだが、一度に食べる量は少ない。手軽なちょい足しに。 |
21 | 納豆(糸引き) | 54 μg (1パック, 45g) | 120 μg | ひきわり納豆(130μg/100g)の方がやや多い。発酵食品で腸活にも。 |
22 | 西洋かぼちゃ(生) | 33.6 μg (煮物1切, 80g) | 42 μg | βカロテンも豊富。煮物やスープに。 |
23 | 卵黄(生) | 30 μg (1個分, 20g) | 150 μg | 様々な料理に使える万能食材。 |
24 | 全粒粉パン | 29.4 μg (6枚切1枚, 60g) | 49 μg | 通常の食パンより栄養価が高い。 |
25 | キウイフルーツ(緑肉種) | 29.6 μg (1個, 80g) | 37 μg | ビタミンC、食物繊維も豊富。 |
26 | 味付けのり | 24 μg (1パック8切5枚, 1.5g) | 1600 μg | ご飯のお供に最適だが、量は多く食べられない。 |
27 | きな粉(青大豆) | 17.5 μg (大さじ1, 7g) | 250 μg | 牛乳やヨーグルトに混ぜて。黄大豆きな粉は220μg/100g。 |
28 | いくら | 15 μg (大さじ1, 15g) | 100 μg | ご飯のお供に。塩分には注意。 |
29 | パセリ(生) | 4.4 μg (1枝, 2g) | 220 μg | 彩りとして少量使うのが主。スープやサラダのトッピングに。 |
30 | 煎茶(茶葉) | 3.9 μg (抽出液1杯分, 茶葉1.3g) | 1300 μg | 葉酸はお湯にほぼ溶け出さないため、飲料からの摂取は期待できない。 |
【食材別】毎日の献立に!カテゴリ別ランキング
総合ランキングを見ても、「毎日レバーを食べるのは難しい…」と感じるかもしれませんね。
そこで、日々の食事に取り入れやすいよう、食材のカテゴリ別に葉酸を多く含む食品をご紹介します。

【野菜・豆類】
野菜や豆類は、葉酸だけでなくビタミンやミネラル、食物繊維も豊富で、毎食積極的に取り入れたい食材です。
- 枝豆(ゆで) (260μg/100g): 間食にもおかずにもなる万能選手。冷凍庫に常備しておくと便利です。(※この数値は茹でた後のものです)
- ほうれん草(生) (210μg/100g): 鉄分も豊富。アクがあるので下茹でが必要ですが、葉酸は水溶性で熱に弱く、茹でると約半分に減少します。栄養を効率的に摂るなら、電子レンジでの加熱や炒め物がおすすめです。
- ブロッコリー(生) (220μg/100g): ビタミンCも豊富です。葉酸は水に溶けやすいため、茹でるより蒸し調理の方が効率的に摂取できます。
- グリーンアスパラガス (190μg/100g): 疲労回復効果が期待できるアスパラギン酸も含まれます。
- 納豆 (120μg/100g): 日本のスーパーフード。手軽に食べられるのが魅力です。ちなみに「ひきわり納豆」は130μg/100gと、さらに多く含みます。
【果物】
果物は、調理せずに手軽に食べられるのが嬉しいポイントです。
食後のデザートや朝食の一品にどうぞ。
- いちご (90μg/100g): 葉酸とともに、美容に嬉しいビタミンCも非常に豊富です。
- アボカド (83μg/100g): “森のバター”とも呼ばれ、良質な脂質も摂取できます。
- マンゴー (84μg/100g): βカロテンも多く、抗酸化作用が期待できます。
【肉・魚・卵類】
動物性食品、特にレバーは葉酸の宝庫です。
ただし、ビタミンAも豊富なため、特に妊娠初期の方は摂取量に注意が必要です。
- 鶏・豚・牛レバー (810〜1300μg/100g): 少量で多くの葉酸が摂れます。ビタミンAの過剰摂取を避けるため、毎日食べるのは避け、週に1回程度を目安にしましょう。
- うなぎの肝 (380μg/100g): 夏バテ防止だけでなく、栄養価も非常に高い部位です。
- 卵黄 (150μg/100g): 完全栄養食品ともいわれる卵。毎日1個を目安に。
【その他】
意外な食品にも葉酸は含まれています。
いつもの食事に少しプラスするだけで、手軽に摂取量を増やせます。
- 焼きのり (1900μg/100g): 100gあたりの含有量は全食品でトップクラスですが、全形1枚(約3g)では約57μgです。手軽な栄養補強として役立ちます。
- きな粉 (250μg/100g): ヨーグルトや牛乳に混ぜるだけで手軽に栄養アップ。(※この数値は青大豆きな粉。一般的な黄大豆きな粉は220μg/100gです)
そもそも葉酸とは?妊娠中に特に重要な理由と必要な量
ランキングで具体的な食品を見てきましたが、ここで改めて「なぜ葉酸がこれほどまでに重要視されるのか」を深く理解していきましょう。
葉酸はビタミンB群の一種で、私たちの体を作る上で欠かせない基本的な栄養素です。
このセクションでは、葉酸の働きと、特に妊活中から妊娠初期にかけて必要とされる理由、そして具体的な摂取量の目安について、医学的な観点から分かりやすく解説します。
赤ちゃんの成長を支える葉酸の働き
葉酸は、私たちの体の中で非常に重要な役割を担っています。特に注目すべきは以下の2つの働きです。
一つ目は、細胞分裂を正常に促し、DNAの合成を助ける働きです。私たちの体は約37兆個の細胞からできていますが、この細胞が新しく作られるすべてのプロセスに葉酸が関わっています。
特に、お腹の中で赤ちゃんが驚異的なスピードで細胞分裂を繰り返し、体を形成していく妊娠初期には、葉酸が不可欠な材料となるのです。
二つ目の、そして最も重要な働きが、葉酸サプリの最も重要な効果である、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低減することです。
神経管とは、赤ちゃんの脳や脊髄といった中枢神経系の”もと”になる部分です。
この神経管は、妊娠6週週末ごろまでという、多くの人がまだ妊娠に気づかないかもしれない非常に早い時期に形成されます。
この大切な時期に母体の葉酸が不足していると、神経管がうまく作られず、「神経管閉鎖障害」という先天性の異常が起こるリスクが高まることが、多くの研究で明らかになっています。
監修医の解説
【時期別】1日に必要な葉酸の推奨摂取量
では、具体的にどれくらいの量の葉酸を摂取すれば良いのでしょうか。
これは、ライフステージによって異なります。厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、以下のように推奨されています。
- 平常時(18歳以上の男女): 240μg
- 妊活中・妊娠初期の女性: 平常時 240μg(食事から)+ 付加量 400μg(サプリメント等から) = 合計 640μg
- 妊娠中期・後期の女性: 平常時 240μg + 付加量 240μg = 合計 480μg
- 授乳期の女性: 平常時 240μg + 付加量 100μg = 合計 340μg
葉酸をいつからいつまで摂るべきかというと、特に妊活中から妊娠初期にかけては、通常の食事から摂る葉酸に加えて、吸収率の高いサプリメントなどから400μgの葉酸を摂取することが強く推奨されています。
特に妊活中から妊娠初期にかけては、通常の食事から摂る葉酸に加えて、サプリメントなどから400μgの葉酸を摂取することが推奨されています。
これは、神経管閉鎖障害のリスク低減に、この量の葉酸が有効であるという研究結果に基づいています。
一方で、摂りすぎも気になりますよね。
通常の食事で葉酸を過剰摂取することはまずありませんが、サプリメントを利用する際には上限量を意識する必要があります。
葉酸の耐容上限量は、18歳〜29歳で900μg/日、30歳〜64歳で1000μg/日と定められています。
この上限量は、主にサプリメントに含まれる合成葉酸(モノグルタミン酸型葉酸)に適用されるものです。
サプリメントの用法・用量を守っていれば超えることは稀ですが、複数のサプリを併用する際などは注意しましょう。
栄養を逃さない!葉酸を効率よく摂る3つのコツ
葉酸を多く含む食品がわかったところで、次はその栄養をできるだけ逃さずに、効率よく体に取り込むための具体的な方法を見ていきましょう。
実は、葉酸は調理方法によって失われやすい、デリケートな栄養素なのです。
このセクションでは、葉酸の性質を理解した上で、毎日の料理ですぐに実践できる3つの簡単なコツをご紹介します。
少しの工夫で、摂取できる葉酸の量は大きく変わってきますよ。
コツ①:水と熱に弱い性質を理解する
葉酸は水溶性ビタミンの一種です。これは、水に溶けやすく、熱に弱いという性質を持っていることを意味します。
そのため、ほうれん草などの野菜を長時間茹でると、せっかくの葉酸がお湯に溶け出してしまい、さらに加熱によっても分解されてしまいます。
研究によっては、茹でる調理で約50%もの葉酸が失われるというデータもあります。
そこでおすすめなのが、以下の調理法です。
- 「蒸す」: 茹でる代わりに蒸し器や電子レンジで加熱することで、水への流出を最小限に抑えられます。温野菜サラダなどに最適です。
- 「炒める」: 油を使って短時間で加熱する炒め物は、葉酸の損失を少なくできます。
- 「スープにする」: スープや味噌汁であれば、水に溶け出した葉酸も丸ごと摂取することができます。
また、いちごやアボカド、サラダ菜のように、生で食べられる野菜や果物を積極的に活用するのも非常に賢い方法です。
調理による損失がゼロなので、食材が持つ葉酸をそのまま取り入れることができます。
コツ②:吸収を助ける栄養素と組み合わせる
葉酸は、単体で摂るよりも、他の栄養素と一緒に摂ることで体内での働きがより活発になります。
いわば、葉酸の「応援団」のような栄養素です。ぜひ、以下の栄養素を意識して食事に取り入れてみてください。
- ビタミンC: 葉酸が体内で活性型に変換されるのを助ける働きがあります。葉酸もビタミンCも豊富なブロッコリーやいちごは、非常に効率の良い食材といえますね。ピーマンやキウイフルーツなどもおすすめです。
- ビタミンB12: 葉酸と協力して赤血球を作り、貧血を予防する重要なパートナーです。レバーやのり、あさり、しじみなどの貝類に多く含まれています。
- ビタミンB6: こちらも葉酸とともに赤血球の生成に関わるほか、つわりの軽減にも効果が期待できるとされる栄養素です。鶏肉やまぐろ、バナナなどに多く含まれています。
これらの栄養素をバランス良く組み合わせることで、摂取した葉酸を無駄なく活用することができます。
【管理栄養士の知見を基に考案】葉酸たっぷり1日のモデル献立案
「理論はわかったけど、実際の食事はどうすれば?」という方のために、ここまでのコツを盛り込んだ1日のモデル献立をご提案します。
この献立で、1日に必要な葉酸をしっかり摂取できますよ。
- 朝食:アボカドと納豆のせ全粒粉トースト、いちごヨーグルト
- パンは精白された食パンより栄養価の高い全粒粉パンを選びましょう。アボカドと納豆で葉酸をしっかり補給。いちごのビタミンCが葉酸の働きを助けます。
- 昼食:鶏レバーとほうれん草の炒め物定食、わかめの味噌汁
- 葉酸の王様である鶏レバーを主役に。ほうれん草も加えてさらにアップ。炒め物なら葉酸の損失も少ないです。味噌汁にわかめを加え、ミネラルも補給しましょう。
- 夕食:あさりのスープパスタ、ブロッコリーと卵のサラダ
- あさり(ビタミンB12)とブロッコリー(葉酸+ビタミンC)、卵(葉酸)を組み合わせた栄養バランス満点メニュー。スープパスタなら、溶け出した栄養素も逃しません。
もちろん、毎日完璧な食事を作るのは大変です。
まずは「いつもの食事に納豆をプラスしてみる」「おやつをいちごに変えてみる」など、できることから始めてみてくださいね。
食事だけで足りる?サプリメントとの上手な付き合い方
ここまで食事からの葉酸摂取について詳しく解説してきましたが、「食事だけで本当に十分なのかな?」「サプリメントは飲んだ方がいいの?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
結論から言うと、妊活中から妊娠初期にかけては、通常の食事に加えてサプリメントを活用することが、厚生労働省からも強く推奨されています。
このセクションでは、その理由と、数ある製品の中から自分に合ったサプリメントを選ぶための具体的なポイントを解説します。
食事の葉酸とサプリの葉酸は種類が違う
なぜサプリメントの活用が推奨されるのでしょうか。
それには、食事に含まれる葉酸とサプリメントに含まれる葉酸の「種類」と「吸収率」の違いが大きく関係しています。
食事に含まれる「天然葉酸」は「ポリグルタミン酸型葉酸」と呼ばれます。
この形の葉酸は、体内で吸収されるために、一度別の形に分解される必要があります。
そのため、 bioavailability(生体利用率)、つまり体内で利用される割合が約50%程度とされています。
一方、サプリメントに含まれる葉酸は「モノグルタミン酸型葉酸」と呼ばれる合成の葉酸です。
こちらは分解の必要がなく、そのまま吸収できるため、生体利用率が約85%と非常に高いのが特徴です。
赤ちゃんの神経管が作られる妊娠超初期に、必要量の葉酸を確実に体内に満たしておくためには、吸収率が高く、摂取量を管理しやすいモノグルタミン酸型葉酸(サプリメント)を400μg/日摂取することが最も効果的である、というのが現代の栄養学の結論なのです。
サプリメントを選ぶ際の3つのチェックポイント
いざサプリメントを選ぼうと思っても、種類の多さに圧倒されてしまいますよね。
ここでは、安心して飲める製品を選ぶための、最低限チェックしてほしい3つのポイントをご紹介します。
ポイント①:葉酸含有量が400μgであるか
- 最も重要なポイントです。製品の成分表示を確認し、「モノグルタミン酸型葉酸」が1日摂取目安量あたり400μg(マイクログラム)配合されているかを確認しましょう。
ポイント②:葉酸以外の必要な栄養素は含まれているか
- 妊娠中は葉酸以外にも、貧血予防のための鉄や、赤ちゃんの骨を作るカルシウム、その他各種ビタミン・ミネラルの需要が高まります。これらの栄養素がバランス良く配合されているマルチビタミンタイプのサプリメントを選ぶと、一度にまとめて摂取できるため効率的です。
ポイント③:GMP認定工場など、品質管理が徹底されているか
- デリケートな時期に口にするものですから、安全性は妥協できません。「GMP認定工場」で製造されている製品は、原材料の受け入れから製造、出荷まで、製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるようにするための製造工程管理基準を満たしている証です。パッケージなどでこのマークがあるかを確認すると、より安心でしょう。
監修医のアドバイス
以下の記事では、これらの基準を基に厳選したおすすめの葉酸サプリを、詳しく比較・解説しています。
ぜひ、あなたのサプリ選びの最終的な参考にしてください。
【お悩み別】葉酸に関するよくある質問(FAQ)
最後に、妊活・妊娠中の方が抱えがちな葉酸に関する具体的なお悩みや疑問について、Q&A形式でお答えしていきます。
多くの方が同じようなことで悩んでいますので、ぜひ参考にしてください。
Q. つわりで食事が思うように摂れません。どうすれば良いですか?
A. 無理せず、食べられるものからで大丈夫です。
つわりは本当につらいですよね。食事が摂れないことに罪悪感を感じる必要は全くありません。
この時期は、食べられる時に、食べられるものを摂ることが何より大切です。
いちごやバナナ、キウイなどの果物、さっぱりと食べられる枝豆、のどごしの良いヨーグルトや豆乳などは、比較的食べやすいかもしれません。
また、冷たいスープ(かぼちゃの冷製スープなど)にすれば、水分と栄養を同時に補給できます。
食事が十分に摂れない時期こそ、サプリメントが大きな助けになります。
最低限、葉酸サプリだけでも摂取しておくことで、栄養面での不安を少し和らげることができますよ。
つわり中でも飲みやすい葉酸サプリの選び方については、こちらの記事も参考にしてください。
Q. 仕事が忙しく、コンビニ食や外食が多いのですが、注意点はありますか?
A. 「一品プラス」を意識してみましょう。
忙しい毎日の中で、自炊が難しいことはありますよね。
そんな時は、いつもの食事に葉酸が豊富なものを一品加える「プラスワン」作戦がおすすめです。
例えば、お弁当やパスタにほうれん草のおひたしやブロッコリーのミニサラダを追加する、おにぎりを買うなら納豆巻きを選ぶ、レジ横の枝豆を一緒に買う、といった小さな工夫で栄養バランスはぐっと改善します。
最近のコンビニは栄養バランスを考えた商品も増えています。
成分表示を見て、少しでも野菜が多いものを選ぶ習慣をつけることも大切ですね。
Q. 葉酸を摂りすぎた場合の赤ちゃんへの影響はありますか?
A. 通常の食事では過剰摂取の心配はほとんどありません。
ほうれん草やレバーなどをたくさん食べたからといって、葉酸の過剰摂取になることはまずありませんので、安心してください。
注意が必要なのは、サプリメントからの摂取です。
前述の通り、葉酸には1日の耐容上限量が設定されています(30代女性で1000μg)。
サプリメントを複数種類飲んだり、規定量以上を自己判断で飲んだりすると、この上限量を超えてしまう可能性があります。
葉酸の過剰摂取は、発熱やかゆみなどの症状のほか、亜鉛の吸収を妨げたり、ある種の病気の発見を遅らせたりする可能性が指摘されています。
サプリメントは必ず記載された用法・用量を守って正しく利用しましょう。
過剰摂取のリスクなど、「葉酸サプリは飲まないほうがいい」という意見については、こちらの記事で詳しく解説しています。
監修医のアドバイス
まとめ:毎日の食事を楽しみながら、赤ちゃんと自分のために葉酸を摂ろう
今回は、妊活・妊娠中に不可欠な栄養素である「葉酸」について、多く含まれる食品から、効率的な摂り方、サプリメントの活用法まで詳しく解説してきました。
たくさんの情報がありましたが、大切なポイントを最後にもう一度チェックリストで確認してみましょう。
葉酸摂取の要点チェックリスト
チェック項目 | OK? |
---|---|
葉酸が多い食べ物(レバー、焼きのり、枝豆、ほうれん草など)を理解した | ☐ |
1日の推奨摂取量(妊活・妊娠初期は640μgなど)を把握した | ☐ |
葉酸は熱と水に弱いので、蒸す・炒める・スープにする調理法を覚えた | ☐ |
吸収率の高いサプリメントから400μgを補助的に摂ることが推奨されていることを知った | ☐ |
不安なことや分からないことは、一人で悩まずかかりつけ医に相談する | ☐ |
葉酸を意識した食事は、未来の赤ちゃんへの最初のプレゼントです。
しかし、義務感でいっぱいになって食事が楽しめなくなってしまっては本末転倒です。
ぜひ、この記事でご紹介した食品やアイデアを参考に、日々の食生活を豊かにしてみてください。
そして、何か不安なことがあれば、いつでもかかりつけの医師を頼ってくださいね。
監修医からの応援メッセージ
【参考文献】
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
- e-ヘルスネット(厚生労働省)「葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
- 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報 – 葉酸」
- 日本産科婦人科学会「産科診療ガイドライン2026(パブリックコメント版)」
- 公益財団法人 日本健康・栄養食品協会「GMPの概要」
- 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「葉酸の働きと1日の摂取量」
- 国立がん研究センター 社会と健康研究センター「葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12摂取と心筋梗塞発症との関連について」
- 食品安全委員会「新開発食品評価書 食品 葉酸」