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【医師監修】内診なし?婦人科でのピルのもらい方|伝え方・台本付

婦人科で医師にピルの相談をする女性と、優しく対応する女性医師のイメージ。内診なしで安心して受診できる雰囲気を表現。

結論:現在のガイドラインでは、ピル処方に内診(膣内の診察)は必須ではありません。問診と血圧測定だけで処方されるケースが大半です。

初めて婦人科を受診しようと思ったとき、「あの椅子(内診台)に乗らなきゃいけないのかな…」「お医者さんに怒られたらどうしよう」と、不安でいっぱいになっていませんか?

実は、避妊や生理痛改善のためにピルをもらうだけなら、服を脱ぐこともなく、ただお話し(問診)をするだけで終わることがほとんどなのです。

この記事では、現役医師監修のもと、あなたが抱える「怖い」「恥ずかしい」という気持ちに寄り添いながら、最短15分(※オンライン等の場合)でスムーズにピルを受け取るための全手順を解説します。

この記事でわかること

  • 【台本付き】 受付や医師にそのまま使える「スマートな伝え方」
  • 【徹底比較】 近所の婦人科 vs オンライン診療、あなたに向いているのはどっち?
  • 【親バレ防止】 保険証利用時の「通知」の仕組みと対策
目次
  1. 【結論】ピルをもらうのに「内診」は基本ありません
  2. 失敗しない!婦人科受診の完全シミュレーション【台本付き】
  3. 「婦人科」か「オンライン」か?あなたに合うのはどっち?
  4. いくらかかる?値段と保険証の「親バレ」リスク
  5. 飲み始める前に知っておきたい副作用とリスク
  6. ピル処方に関するよくある質問 (FAQ)
  7. まとめ:まずは「相談だけ」でも大丈夫。一歩踏み出してみよう

【結論】ピルをもらうのに「内診」は基本ありません

まず、一番の不安要素である「内診」について、はっきりとお伝えします。

低用量ピル(OC/LEP)を処方してもらうために、内診台に乗って膣内の検査をする必要は、基本的にはありません。

これは、私の個人的な意見ではなく、日本産科婦人科学会などが定めたガイドラインによって示されている医学的なスタンダードです。

かつては必須とされていた時代もありましたが、現在はピルの普及と安全性向上のため、ハードルが大きく下がっています。

具体的に、ピル処方に際して行われる検査と、必須ではない検査を以下の表にまとめました。

Check here|ピル処方に必要な検査リスト(○×表)

検査項目 必須? 内容
問診 必須 重要! 喫煙歴や頭痛の有無を正直に申告
血圧測定 必須 血栓症リスクのスクリーニングのため
体重測定 必須 BMI(肥満度)を確認するため
内診 基本なし 膣内に器具や指を入れて子宮や卵巣の状態を診る
血液検査 場合による 初診時や定期検診で推奨されるが、必須ではない場合も
子宮がん検診 任意 ピル処方の条件ではないが、推奨される

▼ この表の詳細解説を見る

「問診」と「血圧・体重測定」さえクリアすれば、医学的にはピルの処方が可能です。ただし、病院の方針によっては「初診時は血液検査を行う」と決めているところもあります。これはあなたの体を守るためですが、内診に関しては「性交経験がない」「強い抵抗がある」と伝えれば、無理強いされることはまずありません。

ガイドラインで定められた「問診」と「血圧測定」のみが基本

「本当に内診なしで大丈夫なの?」と疑ってしまう方もいるかもしれません。

しかし、『低用量経口避妊薬(OC)の使用に関するガイドライン』(日本産科婦人科学会編)には、ピル処方時の検査について明確に記載されています。

基本的には、問診によって「血栓症のリスクが高い人(ヘビースモーカーや肥満の方など)」や「ピルを飲んではいけない病気を持っている人」を除外できれば、処方は可能です。内診は、ピル処方の絶対条件ではないのです。

ただし、例外もあります。ここだけは覚えておいてください。

監修者からアドバイス

「ガイドライン上、ピル処方に際して内診は必須項目ではありません。特に若年の方や性交経験のない方に対して、問診と血圧測定を中心に判断するのが一般的です。

【重要】ただし、例外があります。

もしあなたが『不正出血が続いている』『お腹が激しく痛む』といった症状がある場合、医師は『子宮や卵巣に病気が隠れているかも』と判断し、内診や超音波検査を提案することがあります。これはあなた自身の健康を守るための提案ですので、その場合は医師とよく相談してみてください。」

このように、医師も「無理に内診をしよう」とは考えていません。あなたの体調に特に異常がなければ、会話だけで終わることがほとんどですので、安心してください。

服を脱ぐ必要なし?服装と準備のポイント

「内診がないなら、どんな服で行ってもいいの?」

はい、その通りです。内診がない場合、下着を脱ぐ必要もありませんので、普段通りの服装で構いません。

ただし、血圧測定は必ず行います。厚手のニットやタイトな服だと、腕まくりができず上着を脱ぐことになるため、袖がまくりやすい服装だとよりスムーズです。また、稀に足のむくみ(血栓症の兆候)をチェックするために、靴下を脱ぐよう言われることもあります。

当日の服装と準備のポイント

  • 服装: 腕を出しやすいトップスや、上下セパレートの服装がおすすめです。
  • メイク: 顔色を見ることもあるので、あまり濃すぎるメイクは控えたほうが無難ですが、普段通りで大丈夫です。
  • 生理中の受診: 生理中でも全く問題ありません。 むしろ、生理痛の相談などは症状が出ている時の方が伝えやすいこともあります。「生理中だからまた今度…」と我慢せず、つらい時にこそ受診してください。

失敗しない!婦人科受診の完全シミュレーション【台本付き】

婦人科でのピル処方の流れと所要時間の図解:1.受付(5分)→2.問診票記入(5-10分)→3.医師の診察(5-10分)→4.会計・処方(5-10分)。

ここからは、実際にあなたが婦人科に行ってから薬を受け取るまでの流れを、完全にシミュレーションします。

「病院に入ってから何と言えばいいのか」「どのタイミングでお金が必要なのか」など、具体的なイメージができれば、恐怖心は大きく減ります。

来院から処方までのタイムライン

婦人科受診の流れ(所要時間目安)
受付 約5分

保険証を提示。「初診です」と伝えます。

問診票記入 5〜10分

待合室で記入。「生理痛の相談」など簡単に書けばOK。スマホで台本を準備。

医師の診察 5〜10分

診察室へ。台本を読み上げて相談(内診なし・問診のみ)。

会計・処方 5〜10分

お会計をして、その場でお薬を受け取ります(院内処方の場合)。

トータル所要時間:30分〜1時間程度
※混雑状況により異なります

STEP1 受付・問診票:「ピルの相談」と書けばOK

クリニックのドアを開けたら、まずは受付に行きます。

ここで大きな声で「ピルをください!」と言う必要はありません。受付スタッフはプロですので、小声でも大丈夫ですし、何なら何も言わなくても通じます。

「初診です」と伝えて保険証を出し、渡された問診票(またはタブレット)に記入しましょう。

問診票には必ず 「来院目的」 や 「本日の症状」 という欄があります。ここには以下のように書きましょう。

  • 生理痛やPMSがつらい人 → 生理痛の相談 月経困難症の治療希望
  • 避妊目的の人 → ピル処方希望 避妊の相談
  • 生理日をずらしたい人 → 月経移動の相談

これだけで十分です。受付で具体的な内容を話す必要はありません。

STEP2 医師の診察:そのまま読める「相談テンプレート」

名前を呼ばれたら、いよいよ診察室へ。
ここで最も大切なのは、問診で「嘘をつかないこと」です。

⚠️ ここだけは隠さずに! 内診がない分、あなたの言葉(問診)だけが、薬を安全に飲めるかを判断する材料になります。
「タバコを吸っている」「頭痛持ちである」といった情報は、隠さずに必ず伝えてください。

その上で、ご自身の目的に合う以下の「台本」をスマホに表示して、そのまま読み上げてください。

パターンA:生理痛がつらい(保険適用希望)

生理痛やPMS(イライラ・不調)がある場合、それを「治療」するためのピル(LEP剤)が保険適用になります。

🗣 台本

「生理痛が重くて、学校(仕事)を休むことがあり生活に支障があります。
市販の痛み止めも効きにくいので、ピルで改善できるか相談したいです。
内診は怖いので、まずは薬だけの処方をお願いできますか?」

ポイント: 「生活に支障がある」というフレーズが重要です。治療の必要性を明確に伝えられます。
パターンB:避妊目的(自費診療)

避妊目的のピル(OC)は病気の治療ではないため、自費診療になります。

🗣 台本

「避妊のために低用量ピルを服用したいです。
初めてなので、副作用が少ない種類を教えていただけますか?
内診には抵抗があるので、問診で処方していただけると助かります。」

ポイント: 「避妊のため」とはっきり伝えて大丈夫です。医師はそれをとがめたりしません。むしろ、責任ある行動として尊重されます。
パターンC:生理日をずらしたい場合

旅行や受験などのイベントと生理が重ならないようにしたい場合です。

🗣 台本

「〇月〇日から〇日まで旅行(試験)があるので、生理日を移動させたいです。
直前の生理は〇月〇日からでした。いつから飲み始めれば良いか教えてください。」

ポイント: 直近の生理開始日と、避けたい期間を正確に伝えることが成功の鍵です。カレンダーを見せながら話すとスムーズです。

監修者からアドバイス

「初診時の血液検査は、必ずしも全員に必須というわけではありません。

しかし、ご自身の元々の体質として『血が固まりやすい傾向』がないか、肝機能や貧血の状態はどうかを知っておくことは、ピルを安全に継続する上で非常に有益です。

採血がどうしても苦手な場合は、『採血は苦手なので、必須でなければ今回はパスしたいです』と伝えても構いません。

ただし、半年〜1年に1回程度の定期的なチェックは、健康管理の観点から強くおすすめします。」

STEP4 会計・薬の受け取り:院内処方と院外処方の違い

最後に会計です。ここで薬をもらうパターンは2つあります。

  1. 院内処方: クリニックの受付で、会計と同時に薬をそのまま渡されるパターン。薬局に行く手間がなく、誰にも見られずに済みます。多くの婦人科がこのスタイルを採用しています。
  2. 院外処方: 「処方箋」を渡され、近くの調剤薬局へ持っていくパターン。薬剤師さんから改めて説明を受けられますが、手間はかかります。

受付で「お薬出てますね」と紙袋を渡されたら、ミッション完了です! 中身が見えない紙袋に入れてくれる配慮があるクリニックがほとんどですので、帰りの電車でも安心です。

「婦人科」か「オンライン」か?あなたに合うのはどっち?

最近はスマホで診察から処方まで完結する「オンライン診療」も増えています。

「近所の婦人科に行くべきか、オンラインにするべきか」迷っている方のために、それぞれのメリット・デメリットを比較しました。

婦人科受診 vs オンライン診療 メリット・デメリット比較表

特徴 🏥 近所の婦人科
(対面診療)
📱 オンライン診療
(スマホ完結)
手軽さ 移動・待ち時間がある 自宅で完結、最短15分
スピード その場で即日受け取れる 郵送のため翌日以降到着
コスト 配送料なし、初診料も安め 配送料+システム利用料
安心感 医師の顔が見える、検査可 画面越しだが相談は可能
プライバシー 待合室で知人に会う可能性 誰にも会わない

とにかく早く・安く手に入れたいなら「婦人科」

「今日から飲み始めたい!」「できるだけ出費を抑えたい」という方は、実店舗の婦人科がおすすめです。

オンライン診療はどうしても「診察料」に加えて「配送料(500円〜)」「システム利用料」などが加算されるため、トータルコストは割高になりがちです。また、配送を待つタイムラグがあります。

勇気を出して一度行ってしまえば、2回目からは薬をもらうだけ(診察なし)で済むクリニックも多く、結果的に安上がりです。

誰にも会わず・バレずに買いたいなら「オンライン診療」

「地元の婦人科だと親の知り合いに会うかも…」「学校やバイトが忙しくて病院の開いている時間に行けない」という方は、オンライン診療一択です。

多くのサービスが、中身のわからないシンプルな梱包で配送してくれますし、品名も「雑貨」や「サプリメント」として送ってくれる配慮があります。

医師との通話もビデオオフ(音声のみ)やチャットのみでOKなサービスもあり、内診への恐怖以前に「人と対面するのが緊張する」という方には最適です。

【注意】ドラッグストアや個人輸入はNG

よくある間違いですが、日本の法律では、ピルはドラッグストアや薬局で市販されていません。

「ロキソニン」のように棚から取ってレジに持っていくことはできないのです。必ず医師の診察と処方が必要です。

また、インターネット通販で「個人輸入代行」として海外のピルを安く売っているサイトがありますが、これは絶対に利用しないでください。

成分が偽物であったり、不純物が混入しているリスクがあります。万が一、重篤な副作用が出た場合でも、国の救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外となり、誰も助けてくれません。

あなたの体を守るためにも、必ず正規の医療機関を経由して入手してください。

いくらかかる?値段と保険証の「親バレ」リスク

「お金が足りるか心配」「保険証を使ったら親に通知が行くって本当?」

学生さんにとって、費用とプライバシーは切実な問題ですよね。ここではお金の仕組みをクリアにしましょう。

保険適用(治療用)と自費診療(避妊用)の料金相場

ピルには「保険が効くもの」と「効かないもの」があります。

保険適用(LEP剤)
目的

月経困難症(重い生理痛)、子宮内膜症の治療

費用目安(1シート) 約1,000円〜2,500円

※3割負担の場合
※別途、初診料(約1,000円〜)がかかります

自費診療(OC)
目的

避妊、生理日移動、肌荒れ改善など

費用目安(1シート) 約2,500円〜3,500円

全額自己負担です
※別途、自費の初診料(1,000〜3,000円程度)がかかります

👛
いくら持っていけばいい?
初回の受診には、念のため 5,000円〜6,000円 ほどお財布に入れておけば安心です。
(最近はクレジットカードや電子マネー対応のクリニックも増えています)

※記載の料金は目安です。実際の費用はクリニックによって異なるため、受診前に必ず公式サイト等で最新情報をご確認ください。

「医療費のお知らせ」で親にバレる?通知の仕組み

親の扶養に入っている学生さんが最も恐れるのが、後日自宅に届く「医療費のお知らせ(医療費通知)」です。

  • 保険証を使った場合:
    • 「ピル処方」という具体的な内容は載りませんが、「〇〇レディースクリニック」などの受診した病院名は記載されます。
    • これを見た親御さんが「婦人科?何か病気なの?」と心配して聞いてくるリスクはゼロではありません。
  • 自費診療(保険証を使わない)の場合:
    • 通知には一切載りません。 健康保険組合を通さないため、記録が残らないのです。

もし「絶対に親に知られたくない」かつ「避妊目的である」ならば、自費診療を選び、受付で「保険証は使いません(自費でお願いします)」と伝えるのが確実です。

ただし、身分証明書としての提示は求められることがあります。

未成年・学生でも親の同意書は不要?

「未成年だけで受診してもいいの?」

法律上、受診に親の同意は必須ではありませんが、病院側のルールとして「未成年(特に高校生以下)は保護者の同伴または同意書が必要」としているところもあります。

監修者からアドバイス

「未成年の方の受診について、法的に親権者の同意が絶対条件というわけではありませんが、多くのクリニックではトラブル防止の観点から、未成年の初診時には保護者の同意や、電話での確認を行うことが一般的です。

しかし、『親には言えない悩み』を抱えているからこそ受診したいという事情も、医師はよく理解しています。事前に電話で『親に内緒で受診したいのですが、可能ですか?』と問い合わせてみてください。親の同意なしでも、本人の意思を尊重して診察・処方を行ってくれる医療機関や、オンライン診療サービスも存在します。」

飲み始める前に知っておきたい副作用とリスク

ピルは安全性の高い薬ですが、体にホルモンを取り入れるため、副作用のリスクはゼロではありません。

「なんとなく怖い」から「正しく怖がる」へ知識をアップデートしましょう。

専門的な解説を読む(副作用と血栓症リスクについて)

1. 飲み始めの「マイナートラブル」

服用開始から1〜2ヶ月は、体がホルモンバランスの変化に慣れようとして、以下の症状が出ることがあります。

  • 🤢 吐き気・ムカムカする
  • 🩸 不正出血(生理以外の出血)
  • 🌀 頭痛・めまい
  • 💥 乳房の張り

💡 これらは通常、2〜3ヶ月飲み続けるうちに自然と治まります。
「合わない」とすぐにやめず、少し様子を見ることが大切です。

2. 重大な副作用「血栓症」

血管の中で血が固まり、詰まってしまう病気です。確率は低い(1万人中3〜9人程度)ですが、発症すると命に関わります。

⚠️ ここは隠さず伝えて!

問診で「喫煙」「片頭痛」を隠すと、このリスクを見逃すことになります。必ず正直に申告してください。

🚑 注意すべき初期症状(SOSサイン)

  • ふくらはぎの急激な痛み・腫れ・むくみ
  • 激しい頭痛、めまい、手足のしびれ
  • 突然の息切れ、押しつぶされるような胸の痛み
  • 舌のもつれ、視界の歪み

👉 これらの症状が出たら、すぐに服用を中止し、救急外来を受診してください。

飲み始めの「吐き気」や「不正出血」はいつまで?

初めてピルを飲んだ人の約20〜30%が、軽い吐き気や少量の出血を経験します。

これは「つわり」に似た状態で、体が「妊娠した」と勘違いしているようなものです。

ほとんどの場合、1〜2シート目を飲み終わる頃には症状が出なくなります。

吐き気が心配な方は、寝る前に服用すると、寝ている間に血中濃度が上がるため、気持ち悪さを感じにくいというテクニックがあります。

命に関わる「血栓症」のリスクと前兆

ピルの副作用で最も注意すべきなのが「血栓症」です。

特に、タバコを吸う人、肥満(BMI30以上)の人、年齢が高い(40歳以上)人はリスクが高まります。

監修者からアドバイス

「ピル服用中の血栓症リスクは、妊娠中や産後よりも低いものですが、喫煙はリスクを何倍にも跳ね上げます。そのため、1日15本以上タバコを吸う35歳以上の方には、原則としてピルを処方できません。

また、前兆のない激しい頭痛(片頭痛、特に閃輝暗点といって目の前がチカチカするタイプ)持ちの方も、脳卒中のリスクが高まるため慎重な判断が必要です。問診では、喫煙習慣や頭痛の有無を正直に伝えてください。それがあなた自身の命を守ることにつながります。」

ピル処方に関するよくある質問 (FAQ)

最後に、診察室で聞きそびれてしまいがちな疑問にまとめてお答えします。

Q. ピルを飲むと太るって本当ですか?

A. ピルそのものに太る作用はありません。

以前の中用量ピルと違い、現在の低用量ピルでは体重増加の副作用はほとんど報告されていません。ただし、ホルモンの影響で一時的に食欲が増したり、むくみやすくなったりすることはあります。暴飲暴食に気をつければ大丈夫です。

Q. 将来の妊娠に影響はありませんか?

A. ありません。むしろ将来の妊娠力を守ります。

ピルを飲むと「不妊になる」というのは完全な誤解です。服用をやめれば、通常1〜3ヶ月以内に排卵と生理が戻り、妊娠できるようになります。

また、ピルは子宮内膜症などの不妊の原因となる病気を予防・改善する効果があるため、今は妊娠したくないけれど将来は赤ちゃんが欲しい、という方にこそ適した選択肢です。

Q. 飲み忘れてしまったらどうすればいい?

A. 1日(24時間以内)の飲み忘れなら、気づいた時点ですぐに1錠飲んでください。

その日の分もいつも通りの時間に飲みます(つまりその日は2錠飲むことになります)。

2日以上連続して飲み忘れた場合は、避妊効果が低下するため、そのシートの使用を中止して医師に相談するか、別の避妊法を併用する必要があります。

Q. 内科や小児科でもピルはもらえますか?

A. 基本的には「婦人科(産婦人科)」が専門です。

一部の内科や小児科でも処方している場合はありますが、専門的な知識や副作用への対応を考えると、やはり婦人科専門医の受診をおすすめします。

監修者からアドバイス

「小児科医の立場から申し上げますと、思春期の生理トラブルなどで小児科に相談に来られるケースはあります。しかし、ピルの処方や管理となると、やはり婦人科の先生にご紹介することが一般的です。

もちろん、かかりつけの小児科医や内科医に『まずは相談』するのは良いことですが、餅は餅屋、最終的には婦人科医とつながることが、長期的な女性の健康管理にとってベストな選択です。」

まとめ:まずは「相談だけ」でも大丈夫。一歩踏み出してみよう

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

ピルは、避妊のためだけのものではありません。毎月襲ってくる激しい生理痛、生理前のイライラ、肌荒れ、そして「いつ生理が来るかわからない」という不安から、あなたを解放してくれるQOL(生活の質)向上ツールです。

「婦人科」という言葉には、どうしても重たいイメージがあるかもしれません。でも、実際に行ってみれば、そこは美容院や歯医者さんと変わらない、あなたの健康をサポートしてくれる場所です。医師も看護師も、あなたの味方です。

「内診は怖い」と正直に言っていいんです。「台本」を読み上げるだけでもいいんです。

まずは、最初の一歩を踏み出してみませんか?その一歩が、これからのあなたの毎日を、もっと自由で快適なものに変えてくれるはずです。

婦人科受診前の持ち物と準備の最終チェックリスト:保険証、現金(5000円〜1万円)、直近の生理日のメモ、上下セパレートの服装、心の準備(台本)。

Table here|受診前の最終チェックリスト

📋受診前の最終チェックリスト

まずはオンラインで医師に相談してみる

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参考リンク

この記事の監修者

  • 平成16年
    愛知医科大学医学部卒業、愛知医科大学病院 卒後臨床研修医
  • 平成18年
    愛知医科大学病院 小児科入局
  • 平成23年
    愛知医科大学小児科 助教
  • 平成25年
    医療法人和幸会 阪奈中央病院勤務(小児科)
  • 平成29年
    たけつな小児科クリニック開院
  • 日本小児科学会(専門医/指導医)
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児科医会(地域総合小児医療認定医)
  • 日本小児神経学会
  • 日本頭痛学会

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