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【医師監修】葉酸サプリはいつまで飲む?妊活〜授乳期までの必要性と推奨量を徹底解説

葉酸サプリはいつまで飲む?医師監修で妊活〜授乳期の推奨量と継続期間を解説(妊婦とサプリのイメージ) 短め

「赤ちゃんが欲しい」と考え始めたとき、あるいは妊娠がわかったとき、「葉酸サプリを飲んだ方がいい」という情報を目にする機会は多いですよね。でも、「一体いつからいつまで飲めばいいの?」「なぜそんなに大切なの?」と、次々に疑問が湧いてくるのではないでしょうか。


インターネットには様々な情報が溢れていて、何が正しいのか分からず、かえって不安になってしまうこともあるかもしれません。

この記事では、そうした疑問や不安を解消するため、医師の監修のもと、厚生労働省が示す公的な情報や、最新の医学的知見に基づいて、葉酸サプリの必要性について徹底的に調査し、分かりやすくまとめました。

結論からお伝えします。葉酸サプリは、妊娠を計画したときから、産後の授乳期が終わるまで飲み続けることが推奨されています。特に、赤ちゃんの脳や神経といった、体の基礎が作られる妊娠初期は極めて重要な時期です。

この記事を読めば、以下の3点が明確になります。

  • 葉酸を「いつからいつまで」飲むべきか、その医学的な理由
  • 厚生労働省が推奨する時期別の正しい摂取量
  • 「飲み忘れたら?」「過剰摂取は?」など、よくある疑問への専門家の回答

あなたと、これから生まれてくる赤ちゃんのために。信頼できる情報を基に、安心して大切な時期を過ごすための一助となれば幸いです。

この記事の信頼性・専門性について

この記事は、情報の正確性と信頼性を第一に考え、医師の監修のもとで作成されています。

内容は、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」などの公的なデータ、および産婦人科医や小児科医といった医療専門家の知見を基に構成されています。

特定の個人の見解に偏ることなく、現在の日本における医学的なコンセンサスや推奨事項を、わかりやすく正確にお伝えすることを編集方針としています。

目次
  1. 【最重要】そもそも、なぜ葉酸は「いつまで」が重要?赤ちゃんの未来を守る大切な役割
  2. 【時期別】葉酸摂取の決定版ガイド:ライフステージ別マスタープラン
  3. なぜ食事だけでなくサプリが必要?知っておきたい吸収率の違い
  4. 【医師監修】葉酸サプリのよくある疑問・不安をQ&Aで解消
  5. 毎日続けるために。信頼できる葉酸サプリの選び方 3つのポイント
  6. まとめ:あなたと赤ちゃんのために、正しい知識で葉酸サプリを続けましょう

【最重要】そもそも、なぜ葉酸は「いつまで」が重要?赤ちゃんの未来を守る大切な役割

「葉酸サプリを飲もう」と思ったとき、まず知っていただきたいのが、「なぜ葉酸がこれほど大切なのか」という理由です。この理由を理解することが、適切な時期に適切な量を摂取するモチベーションにも繋がります。

このセクションでは、特に重要な「神経管閉鎖障害」というリスクに焦点を当て、葉酸が赤ちゃんの未来を守るためにどれほど重要な役割を果たすのかを、詳しく掘り下げていきます。

妊娠初期(〜妊娠12週)が最も重要な理由:神経管閉鎖障害のリスク低減

葉酸の摂取が特に重要視される最大の理由は、お腹の赤ちゃんの神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)の発症リスクを大幅に下げることができるからです。

神経管とは、赤ちゃんの脳や脊髄(せきずい)といった、中枢神経系のもとになる、とても大切な器官です。この神経管は、妊娠4週目から作られはじめ、妊娠6週末ごろまでに、その大部分が完成します。これは、多くの女性がまだ妊娠に気づかないか、気づいたばかりの非常に早い時期にあたります。

もし、この神経管が作られる重要な時期に母体の葉酸が不足していると、神経管がうまく閉じずに、脳や脊髄に先天的な異常が起こる可能性があります。

これが神経管閉鎖障害で、代表的なものに「二分脊椎(にぶんせきつい)」や「無脳症」があります。

このリスクについて、日本の厚生労働省も警鐘を鳴らしており、諸外国の研究結果を踏まえて、葉酸摂取の重要性を広く呼びかけています。

欧米での複数の研究により、妊娠可能な年齢の女性が、妊娠前から妊娠初期にかけて適切な量の葉酸(サプリメントなど)を摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを50%〜70%低減できることが報告されています。

出典: 厚生労働省 e-ヘルスネット, 日本人の食事摂取基準(2020年版)など

このように、赤ちゃんの体の基礎が形作られる、妊娠して本当にすぐの時期に、十分な葉酸が満たされている状態にしておくこと。これが、「いつまで」という期間を考える上で、最も重要な根拠となるのです。

「知らなかった」と後悔しないために。妊娠計画時からの情報収集が重要

多くの妊婦さんが抱える不安の一つが、「葉酸の重要性をもっと早く知っておきたかった」という後悔の念です。

赤ちゃんの神経管が形成される最もクリティカルな時期は、多くの場合、ご自身が妊娠に気づく前のタイミングです。この事実が、「知らなかった」という不安や後悔に繋がりやすい大きな理由と言えるでしょう。

だからこそ、この記事を読んでくださっている「今」が、最も大切なタイミングです。もしあなたが今、少しでも「赤ちゃんが欲しいな」と考えているのであれば、それは葉酸についての正しい知識を得て、行動を始める絶好の機会です。

専門機関が「妊娠1ヶ月以上前」からの摂取を推奨しているのは、こうした時間差を埋め、万全の状態で赤ちゃんを迎えられるようにするためなのです。

医療現場の視点:葉酸摂取の現実

医療現場では、日々の診療を通じて、妊娠中の栄養が子どもの生涯にわたる健康の礎となることが重要視されています。

特に葉酸は、その礎の中でも重要な「基礎杭」のようなものと考えられています。この基礎がしっかりしているかどうかは、目には見えなくとも、その後の成長に大きく影響する可能性があるためです。

神経管閉鎖障害は、決して他人事ではありません。しかし、適切な知識を持って行動することで、そのリスクを大きく減らせることも事実です。

この記事を読んでいる皆様には、ぜひその『未来への備え』を、ご自身の選択として始めていただきたいと願っています。」

【時期別】葉酸摂取の決定版ガイド:ライフステージ別マスタープラン

時期別の葉酸摂取プランのイメージ。妊活〜妊娠初期・中期・後期〜授乳期まで、食事で摂る量とサプリで補う量を考えるガイド

葉酸がなぜ大切かをご理解いただけたところで、いよいよ本題である「いつからいつまで、どのくらいの量を摂ればいいのか」について、最も分かりやすく、かつ正確なプランを提示します。

厚生労働省の公式な指針に基づき、あなたのライフステージごとに「何を」「どれだけ」摂取すれば良いのかが一目でわかるマスターテーブルを作成しました。これを見れば、もう迷うことはありません。

【決定版】葉酸摂取の時期別マスターテーブル

ライフステージ食事で摂る量(1日の目標)サプリで加える量(1日の推奨量)特に重要な目的
妊活期~妊娠初期(妊娠13週末まで)240µg400µg胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減
妊娠中期~後期(妊娠14週以降)480µg(※1)胎児の発育、母体の貧血予防
授乳期340µg(※2)母体の回復促進、母乳への栄養供給
(参考)通常時240µg不要日常の健康維持

(※1)妊娠中期~後期: この時期は、主に食事から葉酸を多く摂ることが推奨されます。ただし、つわりが続く場合や食事での摂取が難しいと感じる場合は、サプリを継続することも有効です。
(※2)授乳期: この時期も食事からの摂取が基本ですが、育児で忙しく栄養が偏りがちなため、サプリで補うことも推奨されます。

それでは、各ライフステージについて、より詳しく見ていきましょう。

① 妊活期(妊娠1ヶ月以上前)および妊娠初期(妊娠13週末まで)

  • 具体的なアクションプラン: この時期は、食事とサプリメントの両方から葉酸を摂ることが強く推奨されます。
    • 食事から: 1日 240µg を目標に、バランスの良い食事を心がける。
    • サプリから: 1日 400µg を追加で摂取する。
  • なぜサプリが必要か:
    この時期にサプリが必須とされるのは、「胎児の神経管閉鎖障害」のリスクを確実に低減するためです。サプリに含まれる葉酸は食事由来のものより体への吸収率が非常に高いため、厚生労働省もサプリでの摂取を名指しで推奨しています。
  • 安全性について:
    推奨される400µgという量は、国が定めた安全な摂取上限量(900~1,000µg/日)を大きく下回っており、適切に利用すれば問題ありません。最も重要なのは、「妊娠の1ヶ月以上前」からこの習慣を始めることです。

② 妊娠中期から後期(妊娠14週以降)

  • 具体的なアクションプラン: この時期の目標は、食事から摂る葉酸の量を増やすことにシフトします。
    • 食事から: 1日 480µg を目標に、葉酸を多く含む食品を積極的に取り入れる。
    • サプリについて: 400µgの摂取義務はなくなりますが、つわりが続く場合や食事が偏りがちな場合は、無理せずサプリを続けるのが賢明です。
  • この時期の目的:
    神経管閉鎖障害のリスク低減という最重要フェーズは終わりますが、ここからは赤ちゃんの体や臓器が急速に大きくなる時期です。また、母体自身の血液も大量に必要になるため、貧血予防の観点からも葉酸は引き続き重要な役割を果たします

③ 産後・授乳期

  • 具体的なアクションプラン: 出産後も、葉酸は重要な役割を担います。
    • 食事から: 1日 340µg を目標に摂取を続ける。
    • サプリについて: 育児で忙しく、ご自身の食事が後回しになりがちなこの時期こそ、サプリで手軽に補うことのメリットは大きいと言えます。
  • なぜ続けるべきか:
    主な目的は2つあります。一つは出産でダメージを受けた母体自身の体の回復を助けること。もう一つは、母乳を通じて赤ちゃんに十分な栄養を届けることです。母体の栄養状態は、母乳の質、ひいては赤ちゃんの健やかな発育に直結します。

医学的見地:授乳期まで葉酸摂取を続けるメリット

出産という大仕事を終えた母体にとって、授乳期まで葉酸の摂取を続けることには、主に2つの医学的なメリットがあると考えられています。

  1. 母体自身の回復促進
    葉酸は血液を作るのに必須の栄養素であり、出産による出血からの回復や、産後の貧血予防に直接的に貢献します。体の回復が早いことは、育児への体力的な余裕にも繋がります。
  2. 母乳の質の維持
    母乳は血液から作られるため、質の良い血液を保つことが、質の良い母乳の供給に繋がります。研究により、母親の葉酸が不足すると、母乳に含まれる葉酸も減少することがわかっています。

授乳期は、赤ちゃんの成長にとって非常に重要な時期です。その赤ちゃんの栄養源となる母乳のために、そして何より母体自身の健康のために、授乳が終わるまで葉酸の摂取を続けることが推奨されます。

なぜ食事だけでなくサプリが必要?知っておきたい吸収率の違い

ここまで読んで、「ほうれん草とかブロッコリーをたくさん食べれば、サプリは必要ないんじゃない?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、日々の食事から栄養を摂ることは基本であり、非常に大切です。しかし、こと葉酸に関しては、食事だけで必要な量を安定して摂取するのは、実は非常に難しいのです。

その理由は、食事に含まれる葉酸とサプリメントに含まれる葉酸とで、体内での吸収・利用効率が大きく異なるからです。

食事由来「ポリグルタミン酸型」 vs サプリ由来「モノグルタミン酸型」

少し専門的な話になりますが、食品に含まれる天然の葉酸は「ポリグルタミン酸型葉酸」と呼ばれています。これは、複数の分子がくっついた複雑な構造をしており、体内で吸収されるためには、まず単純な構造に分解される必要があります。

この分解・吸収の過程でロスが生まれるため、実際に体内で利用できるのは、摂取した量の約50%程度だと言われています。

一方、サプリメントに含まれる葉酸は、「モノグルタミン酸型葉酸」という、最初から吸収されやすい単純な構造をしています。そのため、体内での利用効率は約85%と非常に高いのが特徴です。

つまり、同じ400μgの葉酸を摂ったとしても、サプリから摂る方が、食事から摂るよりも約1.7倍も効率よく体に取り込める計算になります。

さらに、食品中の葉酸は水に溶けやすく、熱に弱いという性質も持っています。茹でたり煮たりする調理過程で、その多くが失われてしまうのです。

食事由来の葉酸とサプリの葉酸の体内利用率を比較した図。食事は約50%、サプリは約85%の目安(ブロッコリーとカプセルのイラスト)

厚生労働省もサプリからの摂取を推奨する理由

こうした科学的な背景から、厚生労働省も、通常の食事に加えて、サプリメントのような栄養補助食品からモノグルタミン酸型葉酸を摂取することを明確に推奨しています。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より

(前略)妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性及び妊娠初期の妊婦は、神経管閉鎖障害のリスクの低減のために、通常の食品以外の食品に含まれる葉酸(付加的な葉酸、すなわち狭義の葉酸)を 400 μg/日摂取することが望まれる。

ここで言う「通常の食品以外の食品に含まれる葉酸」というのが、まさにサプリメントなどを指します。

不安定で吸収されにくい食事からの葉酸だけに頼るのではなく、吸収率が高く安定しているサプリメントを上手に活用すること。これが、赤ちゃんの健康を守るために、国が推奨する最も確実な方法なのです。

【医師監修】葉酸サプリのよくある疑問・不安をQ&Aで解消

葉酸サプリを始めると、「これで大丈夫かな?」と新たな疑問や不安が出てくることもありますよね。

このセクションでは、多くの方が抱えがちな疑問について、医学的な知見に基づき、Q&A形式で一つひとつ丁寧にお答えしていきます。安心してサプリを続けていくための参考にしてください。

Q. 飲み忘れた日があったらどうすればいい?

A. 1日くらい飲み忘れても、まったく問題ありません。気づいた日から、またいつも通りに再開してください。

葉酸は、体の中に少しずつ蓄えられて働く栄養素です。1日飲み忘れたからといって、体内の葉酸が急にゼロになるわけではありません。大切なのは、無理なく継続することです。

ただし、飲み忘れた分を翌日にまとめて2日分飲むのはやめましょう。一度に大量に摂取すると、後述する過剰摂取のリスクに繋がる可能性があります。忘れた分は気にせず、また今日からコツコツ続けていきましょう。

Q. 妊娠に気づくのが遅れた…今から飲んでも意味ある?

A. もちろん、大いに意味があります。決して遅すぎることはありませんので、気づいた今日からすぐに始めてください。

妊娠に気づくタイミングは人それぞれで、誰にもコントロールできるものではありません。どうかご自身を責めないでください。

たしかに、神経管閉鎖障害のリスク低減という観点では、妊娠初期が最も重要です。しかし、葉酸は妊娠中期・後期、そして産後の授乳期に至るまで、赤ちゃんの成長と、母体自身の健康を支えるために、ずっと必要とされる大切な栄養素です。

大切なのは、過去を悔やむことではなく、「気づいた今、何をするか」です。今日から始めることが、これからの赤ちゃんの成長とご自身の体を、しっかりとサポートするための最善の一歩になります。

Q. つわりでサプリが飲めない時はどうしたらいい?

A. 無理して飲む必要はありません。体調を最優先にしてください。

つわりが酷い時期は、無理にサプリを飲むことをお休みしても大丈夫です。「飲める時に飲む」くらいの気持ちで、おおらかに構えてください。

少しでも飲めそうであれば、以下の工夫を試してみるのも良いでしょう。

  • 食事と一緒に摂る
  • 匂いの少ないものを選ぶ
  • 錠剤がダメなら、ゼリータイプやドリンクタイプを試す
  • 1日のうちで比較的体調の良い時間帯に飲む

<補足情報>
つわりで食事が全く摂れず、水分補給もままならないような状態が続く場合は、「妊娠悪阻(にんしんおそ)」という治療が必要な状態かもしれません。体重が5%以上減少したり、脱水症状が見られたりする時は、我慢せずに必ず産婦人科を受診してください。サプリメントのこと以前に、まずはお母さん自身の体調を整えることが、赤ちゃんにとっても最も大切なことです。

Q. 過剰摂取のリスクは?上限量(1,000μg)を超えたらどうなる?

A. 葉酸には、1日の摂取上限量(耐容上限量)が定められています。サプリメントからの摂取は、1日あたり1,000μg(マイクログラム)を超えないようにしましょう。

葉酸は水溶性ビタミンなので、余分に摂った分は尿として排出されやすく、体内に蓄積しにくい性質があります。しかし、だからといって、どれだけ摂っても良いわけではありません。

厚生労働省は、サプリメントなど(モノグルタミン酸型葉酸)からの摂取について、18歳〜29歳では900μg/日、30歳以上では1,000μg/日という耐容上限量を設定しています。

この上限量を超えて摂取し続けた場合に考えられる主なリスクは、「ビタミンB12欠乏症の発見が遅れる」ことです。ビタミンB12が不足すると、悪性の貧血や神経障害が起こることがありますが、葉酸を大量に摂取していると、その貧血の症状が隠されてしまうため、診断が遅れる可能性があると指摘されています。

市販されている多くの葉酸サプリは、1日あたりの摂取量が400〜480μgに設定されています。複数のサプリを自己判断で併用したり、規定量の何倍も飲んだりしない限り、通常の利用で上限量を超える心配はまずありません。製品に記載されている1日の目安量をきちんと守っていれば、過度に心配する必要はありません。

毎日続けるために。信頼できる葉酸サプリの選び方 3つのポイント

「いつまで飲めばいいかわかったし、疑問も解消された。じゃあ、どんなサプリを選べばいいの?」

最後に、皆さんが毎日安心して飲み続けられる、信頼できる葉酸サプリを選ぶための3つのポイントをお伝えします。皆さんご自身が「自分に合った、良いサプリ」を見つけるための「物差し」として、ぜひ参考にしてください。

ポイント1:必要な成分量(葉酸400μg)が配合されているか

まず確認すべき最も重要なポイントは、葉酸が十分な量、配合されているかです。

特に、妊娠を計画している時期から妊娠初期にかけては、厚生労働省が推奨する付加量である「400μg」(またはそれ以上、例えば480μgなど)の葉酸が、1日の目安量でしっかり摂れる製品を選びましょう。

サプリメントのパッケージ裏側にある「栄養成分表示」を見て、1日あたり何μg摂取できるのかを必ずチェックする習慣をつけてください。

ポイント2:安全性・品質管理が徹底されているか

毎日、しかも大切な時期に体に入れるものだからこそ、安全性は絶対に妥協したくないポイントです。品質の高さを判断する目安として、「GMP認定工場」で作られているか、という点があります。

GMP(Good Manufacturing Practice)とは、原材料の受け入れから製造、出荷までの全工程において、製品が「安全」に作られ、「一定の品質」が保たれるようにするための製造工程管理基準のことです。

このGMP認定マークがある製品は、第三者機関によって厳しいチェックをクリアしている証であり、品質と安全性を重視する上での一つの信頼できる指標となります。

ポイント3:鉄分やビタミンなど、自分に必要な他の栄養素も含まれているか

葉酸サプリの中には、葉酸単体ではなく、妊娠中や授乳中に特に必要となる他の栄養素が一緒に配合されている「オールインワンタイプ」の製品も多くあります。

例えば、

  • : 妊婦貧血の予防に
  • カルシウム: 赤ちゃんの骨や歯の形成、母体の骨の健康維持に
  • ビタミンD: カルシウムの吸収を助ける
  • ビタミンB6、B12: 葉酸と共に血液を作るのを助ける
    などです。

ご自身の食生活や体調に合わせて、こうした付加成分にも注目してみると、より自分に合ったサプリを見つけることができます。ただし、複数のサプリを飲む場合は、成分が重複して過剰摂取にならないよう注意が必要です。迷った時は、かかりつけの医師や薬剤師、管理栄養士に相談してみてください。

まとめ:あなたと赤ちゃんのために、正しい知識で葉酸サプリを続けましょう

今回は、「葉酸サプリはいつまで飲むべきか」というテーマについて、その理由から具体的な量、よくある疑問まで、詳しく解説してきました。最後に、この記事の最も大切なポイントを一緒に振り返ってみましょう。

葉酸は、妊娠を計画したときから授乳期が終わるまで、母体と赤ちゃんの両方にとって、非常に重要な役割を果たす栄養素です。特に、赤ちゃんの体の基礎が作られる妊娠初期は、その重要性が最も高まります。

食事だけで必要量を満たすのは難しいため、国もサプリメントの活用を推奨しています。正しい知識を身につけ、信頼できるサプリメントを上手に活用することで、多くの不安は解消できるはずです。

妊娠・出産は、素晴らしい体験であると同時に、多くの不安がつきまとうものです。どうか一人で抱え込まず、かかりつけの産婦人科医や小児科医といった専門家を頼ることも大切です。

この記事があなたの心を少しでも軽くし、前向きな気持ちで大切な時期を過ごすための一助となれたなら、これほど嬉しいことはありません。

葉酸サプリ摂取の要点チェックリスト

チェック項目確認ポイント
飲む期間は?妊活中(妊娠1ヶ月以上前)〜 授乳期が終わるまで
特に重要な時期は?妊娠初期(〜12週)。赤ちゃんの脳や神経が作られる
摂取量の目安は?妊活中〜妊娠初期は、食事に加えてサプリで 400μg/日
なぜサプリが必要?食事の葉酸より吸収率が約1.7倍高く、効率的だから
飲み忘れたら?気にせず翌日から再開。まとめて飲むのはNG!
過剰摂取は?サプリからの摂取は 1,000μg/日 を超えないように注意

参考文献

厚生労働省~健康づくりサポートネット~「葉酸とサプリメント」

この記事の監修者

  • 平成16年
    愛知医科大学医学部卒業、愛知医科大学病院 卒後臨床研修医
  • 平成18年
    愛知医科大学病院 小児科入局
  • 平成23年
    愛知医科大学小児科 助教
  • 平成25年
    医療法人和幸会 阪奈中央病院勤務(小児科)
  • 平成29年
    たけつな小児科クリニック開院
  • 日本小児科学会(専門医/指導医)
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児科医会(地域総合小児医療認定医)
  • 日本小児神経学会
  • 日本頭痛学会

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