アフターピルを飲んだのに妊娠?生理がこない不安を解消する「3週間」のルールと判定方法【医師監修】
アフターピル(緊急避妊薬)を服用した後、生理(消退出血)がくるまでの期間には個人差があり、数日〜3週間ほどかかるのが一般的です。
「出血がない=妊娠してしまった」とは限りません。
最も確実な妊娠判定のタイミングは、「服用から3週間後」です。
まずは焦らず、正しい時期を待つことが重要です。
この記事でわかること
- 1.服用後に生理(消退出血)がくる具体的な目安と「こない理由」
- 2.妊娠検査薬を使う「正しいタイミング」と陽性・陰性の判断基準
- 3.避妊失敗のサイン「着床出血」と「消退出血」の見分け方
アフターピル服用後に「生理がこない」のはなぜ?まず知っておくべき目安

アフターピルを服用した直後、多くの方が「翌日には出血があるはず」「出血がないということは失敗したのでは?」という強い不安に駆られます。
しかし、医学的な観点から言えば、服用直後に出血がないことは異常ではありません。
このセクションでは、正常な身体の反応として、いつ頃どのような出血が起こるのか、その目安を解説します。
出血(消退出血)はいつくる?「3週間」は正常範囲内
アフターピル服用後、避妊に成功していれば、子宮内膜が剥がれ落ちる「消退出血(しょうたいしゅっけつ)」という生理のような出血が起こります。
この出血が起こるタイミングは、服用した時期(生理サイクルのどの段階だったか)によって大きく異なります。
早ければ服用後3日〜4日で出血が見られる方もいます。
一方で、排卵直後や排卵後に服用した場合などは、本来の生理予定日まで出血がないこともあり、服用から最大で3週間ほど空くことも医学的には珍しくありません。
インターネット上の体験談や知恵袋などで「翌日に血が出た」という書き込みを見ると焦ってしまうかもしれません。
しかし、「3日経っても出血が来ないから失敗だ」と早合点してパニックにならないようにしましょう。
▼服用から消退出血までの期間目安タイムライン
| 経過 | 状態の目安 |
|---|---|
| 服用〜3日後 | まだ出血がないことが多い期間です。焦らず様子を見ましょう。 |
| 4日〜10日後 | 最も多くの人に消退出血が見られる期間です。 |
| 3週間後 | この時点までに通常の生理に近い消退出血が確認できれば、避妊に成功している可能性は高いと考えられます。 ただし、出血の量や期間が極端に少ない場合は、念のため妊娠検査薬での確認が推奨されます。 |
| 3週間経過後 | 出血がない場合、妊娠検査薬を使用するタイミングです。 |
ストレスで生理が遅れることはよくある
「生理がこない」というストレスそのものが、さらなる遅れを引き起こしているケースは非常に多いです。
私たちは強い不安を感じると、脳の視床下部や下垂体といったホルモン調整の中枢に影響を与え、女性ホルモンの分泌バランスを乱してしまいます。
監修医のアドバイス
副作用(吐き気・胸の張り)がないと効果がない?
「吐き気やめまいなどの副作用が全くなかったのですが、薬が効いていないのでしょうか?」という質問をよく頂きます。
結論から申し上げますと、副作用の有無と避妊成功率には全く関連がありません。
現在の主流であるレボノルゲストレル法(ノルレボ錠など)は、従来のヤッペ法に比べて副作用が大幅に軽減されています。
そのため、副作用をほとんど感じないままでも、適切なタイミングで服用できていれば避妊に成功するケースは多く報告されています。
「副作用がない=薬が偽物・効いていない」という情報は誤りですので、安心してください。
【最重要】妊娠したか確実にわかる「検査のタイミング」

不安な日々の中で、一刻も早く白黒つけたい気持ちは痛いほど分かります。
しかし、フライング検査(適切な時期より早く検査すること)は、誤った結果を招き、さらなる混乱の元となります。
ここでは、確実に判定を行うための「3週間ルール」について解説します。
なぜ「服用から3週間後」なのか?
市販の妊娠検査薬は、妊娠が成立した時に分泌される「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンを尿中から検出する仕組みです。
このhCGホルモンは、受精卵が子宮に着床してから分泌され始め、検査薬で検知できる濃度になるまでには一定の日数がかかります。
性行為から受精まで数日、着床までさらに約1週間、そしてホルモン濃度が上がるまでにさらに数日が必要です。
もし、服用から3週間経たないうちに検査をして「陰性」が出たとしても、それは単にホルモン量が足りていないだけの「偽陰性」である可能性があります。
その結果を見て「よかった、妊娠していない」と安心し、その後の受診や対応が遅れてしまうことが最も危険です。
カレンダーを確認し、服用した日からきっちり3週間後(21日後)の日付に印をつけておきましょう。
その日が、あなたが検査薬を使うべき最短の日です。
妊娠検査薬が「陰性」でも生理がこない場合
服用から3週間後に正しい方法で検査を行い、結果が「陰性」であれば、妊娠している可能性は非常に低いと考えられます。
ただし、検査方法の誤りや極めて稀なケースを考慮し、症状が続く場合は医療機関への相談が推奨されます。
それでも生理(出血)がこない場合、考えられる原因は「ホルモンバランスの乱れ」です。
アフターピルは強力なホルモン剤であるため、一時的に月経周期をリセットしたり、大きく乱したりする作用があります。
この場合、妊娠の可能性は低いと考えられますが、数ヶ月単位で無月経が続くようであれば、一度婦人科を受診し、ホルモン状態をチェックしてもらいましょう。
「続発性無月経」として治療(カウフマン療法など)が必要な場合もあります。
妊娠検査薬が「陽性」だった場合の初期行動
万が一、検査薬で陽性反応が出た場合は、直ちに産婦人科を受診する必要があります。
ここで重要なのは、「どうするか(産むか産まないか)」を決める前に、まず「正常な妊娠か」を確認することです。
監修医のアドバイス
失敗のサイン?「消退出血」と「着床出血」の見分け方

トイレに行き、下着に血がついているのを見たとき、「よかった、生理が来た!」と安心するのか、「これは着床出血(妊娠のサイン)かも?」と疑うのか、判断に迷うことがあります。
アフターピル服用後の「消退出血(避妊成功のサイン)」と、妊娠初期の「着床出血」には、いくつかの特徴的な違いがあります。
消退出血(避妊成功のサイン)の特徴
消退出血は、子宮内膜が剥がれ落ちる現象ですので、基本的には「通常の生理」に近い出血です。
量は普段の生理よりやや少ないこともありますが、茶色っぽい色から始まり、徐々に鮮血になり、数日間(3日〜7日程度)続きます。
ナプキンが必要な程度の出血が数日続き、その後自然に止まったのであれば、それは消退出血であり、避妊に成功したと考えてほぼ間違いありません。
着床出血(妊娠のサイン)の特徴
一方、着床出血は受精卵が子宮内膜に潜り込む際に起こる微量な出血です。
全ての人に起こるわけではなく、着床出血は妊婦さんの一部(数%〜20%程度)に見られるとされる現象で、必ず起こるものではありません。
特徴としては以下の点が挙げられます。
- 時期: 生理予定日の1週間前〜予定日付近
- 期間: 1日〜2日程度で終わることが多い(非常に短い)
- 量: おりものに血が混じる程度、ティッシュにつく程度で、ナプキンがいらないくらい微量なことが多い
- 色: 薄いピンクや茶色
【筆者の体験的取材メモ】
以前、医療機関で取材をした際、患者様が「生理が来たと思って安心していたが、実は着床出血だった」と話されていたケースがありました。
その方は「いつもの生理より極端に短く、色が薄かった」と仰っていました。
「出血があった=100%安心」と自己判断せず、出血の様子がいつもと明らかに違う(極端に少ない、すぐ終わる)場合は、念のため3週間後に検査薬を試すことを強くお勧めします。
▼消退出血・通常の生理・着床出血の特徴比較表
| 特徴 | 消退出血(避妊成功) | 通常の生理 | 着床出血(妊娠の可能性) |
|---|---|---|---|
| 時期 | 服用後3日〜3週間以内 | 予定日付近 | 予定日より少し前〜予定日付近 |
| 出血量 | 生理並み〜やや少ない | 多い(個人差あり) | ごく微量(ティッシュにつく程度) |
| 期間 | 数日間続く | 3〜7日間 | 1〜2日で終わることが多い |
| 色 | 茶色・鮮血 | 鮮血・暗赤色 | 薄いピンク・茶色 |
| 痛み | 生理痛様の痛みがあることも | 生理痛あり | 軽いチクチク痛を感じる人もいる |
基礎体温による判断方法
もし日頃から基礎体温をつけている場合、体温の変化も重要な判断材料になります。
アフターピル服用後は一時的に高温期になりますが、消退出血(生理)が来れば体温は下がり、低温期に入ります。
もし、出血のようなものがあったにも関わらず、高温期が2週間以上(目安として17日以上)続いている場合は、妊娠している可能性が高いと言えます。
出血の見た目だけで判断がつかない場合は、基礎体温の推移も合わせて確認してみてください。
アフターピルの避妊率は100%ではない!失敗する4つの原因
アフターピルは非常に高い確率で妊娠を防ぐことができますが、残念ながら100%ではありません。
「なぜ失敗することがあるのか」を知ることは、今の自分の状況を冷静に分析するために役立ちます。
主な失敗原因は以下の4つです。
服用までの時間が遅かった(72時間・120時間の壁)

アフターピルの効果は、性行為から服用までの時間に完全に依存します。
一般的な「レボノルゲストレル錠」の場合、性行為から72時間(3日)以内の服用が推奨されています。
24時間以内に服用した場合、研究データでは90%以上の高い避妊効果が報告されています。
72時間を過ぎてから服用した場合、避妊効果は著しく低下するため、失敗のリスクが高まります(72〜120時間まで有効な「エラワン」という種類の薬もあります)。
服用から2時間以内に嘔吐してしまった
服用後、成分が体内に吸収されるまでには約2時間かかります。
もし、服用から2時間以内に吐いてしまった場合、薬の成分も一緒に体外へ出てしまい、効果が得られていない可能性があります。
この場合は、自己判断せず、処方を受けた医療機関に連絡し、追加服用の指示を仰いでください。
監修医のアドバイス
排卵直後ですでに受精していた可能性
アフターピルの主な作用機序は「排卵を抑制する(遅らせる)」ことです。
精子が子宮内で生きられる期間は約3〜5日ですが、卵子の寿命は約24時間です。
アフターピルを飲んだタイミングで、すでに排卵が起こってしまっていた場合、そしてその直後に受精してしまった場合、薬の力で排卵を止めることが間に合わず、妊娠が成立してしまうことがあります。
これが、アフターピルが100%ではないと言われる最大の理由の一つです。
飲み合わせや個人輸入薬のリスク
一部のサプリメント(セイヨウオトギリソウ/セント・ジョーンズ・ワートなど)や、てんかんの薬、HIV治療薬などは、アフターピルの効果を弱めてしまう可能性があります。
また、インターネット通販(個人輸入)で安価に購入した海外製のジェネリック医薬品の中には、成分が含まれていない偽造品や、品質が劣化している粗悪品が混入しているリスクがあります。
「飲んだのに効かなかった」というケースの中には、こうした個人輸入薬のトラブルも含まれています。
よくある質問:知恵袋での不安な声に医師が回答
ここでは、Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトで頻繁に見られる「病院では聞きにくい疑問」について、医師の監修のもとお答えします。
Q. アフターピルを飲むと不妊になりますか?
A. 将来の妊娠能力に悪影響を与えることはありません。
アフターピルは一時的にホルモン環境を変化させるだけで、その成分は数日で体外へ排出されます。
「将来妊娠しにくくなる」「子宮にダメージが残る」といった噂は医学的根拠のない誤りです。
むしろ、望まない妊娠による中絶手術の方が、母体への負担や将来のリスクは大きくなります。
Q. お酒を飲んでしまいましたが効果は下がりますか?
A. アルコール自体が薬の効果を下げることはありません。
ただし、お酒を飲みすぎると「嘔吐」のリスクが高まります。
先ほど解説した通り、薬を吐き出してしまうと避妊に失敗します。
確実に成分を吸収させるためにも、服用当日の過度な飲酒は控えた方が賢明です。
Q. 陽性だった場合、飲んだ薬は赤ちゃんに悪影響ですか?
A. 現時点では、胎児への悪影響は報告されていません。
万が一避妊に失敗し、妊娠が継続した場合、お腹の赤ちゃんへの影響(奇形など)を心配される方は非常に多いです。
監修医の回答
まとめ:不安な時間は「3週間」で終わります。まずは落ち着いて確認を

予期せぬトラブルでアフターピルを服用し、今は「本当に効いているのか」「いつ生理がくるのか」と不安でいっぱいかもしれません。
しかし、不安やストレスは生理を遠ざける一番の原因になってしまいます。
最後に、今あなたがやるべきことを整理しましょう。
【保存版】行動チェックリスト
- [ ] カレンダーを確認する: 服用した日から「3週間後」の日付に印をつける。
- [ ] 体調を観察する: 出血の有無、基礎体温(測れる場合)を記録する。
- [ ] リラックスを心がける: 「3週間待つしかない」と割り切り、スマホ検索を控えて睡眠をとる。
- [ ] 3週間後の検査: 印をつけた日になっても生理がなければ、妊娠検査薬を使う。
- [ ] 結果に応じた行動:
- 出血あり: 通常通りの生理なら避妊成功。
- 陰性&生理なし: ホルモンバランス乱れの可能性。続くなら受診。
- 陽性: 直ちに産婦人科を受診し、正常な妊娠か確認する。
出血が遅れることはよくあります。
まずは深呼吸をして、3週間後の「判定日」まではご自身の体を労って過ごしてください。
もし、どうしても不安が拭えない場合や、体の不調が続く場合は、一人で悩まずに医療機関に連絡しましょう。
専門家はあなたを責めたりしません。
あなたの心と体を守るために、適切なアドバイスをくれるはずです。














