【医師監修】つわりで葉酸サプリを吐く・飲めない方へ。今日から試せる5つの工夫

妊娠おめでとうございます。
新しい命を育む喜びとともに、多くの方が経験するのが「つわり」のつらさです。
こうした妊娠初期の症状の中でも、特に葉酸サプリを吐いてしまうと不安になりますよね。
特に、赤ちゃんのためにと頑張って飲んでいる葉酸サプリを吐いてしまうと、「栄養が足りていないのでは…」と不安になりますよね。
結論からお伝えすると、つわりで葉酸サプリを吐いてしまっても、過度に心配する必要はありません。
つらい時期は無理をせず、まずは安心することが大切です。
この記事では、専門家の監修のもと、あなたの不安な気持ちに寄り添い、具体的な対処法を分かりやすく解説します。
この記事を読めば、以下の3つのことがわかります。
- 1.葉酸サプリを吐いても赤ちゃんへの影響が少ない理由1.
- 2.つわり中でもサプリを飲みやすくなる具体的な5つの2.
- 3.吐き気を引き起こしにくい葉酸サプリの選び方のポイ3.
つらい症状に悩むあなたの心が、少しでも軽くなるお手伝いができれば幸いです。
まずは安心して。つわりで葉酸サプリを吐いてしまうときの考え方
このセクションでは、あなたが最も心配している「葉酸サプリを吐いてしまった際の赤ちゃんへの影響」について解説します。
何よりもまず、ご自身を責めずに、心を落ち着かせることが大切です。
結論:吐いてしまっても、過度な心配はいりません
つわりで葉酸サプリを飲めなかったり、摂取した直後に吐いてしまったりしても、すぐに赤ちゃんの成長に深刻な影響が出るわけではありません。
多くの妊婦さんが同じような経験をしています。
まずは「大丈夫なんだ」と安心することが、つらい時期を乗り越えるための第一歩です。
自分を責めてストレスを感じることのほうが、お母さんと赤ちゃんにとっては良くありません。
なぜなら、赤ちゃんの成長に必要な栄養は蓄えられているから
妊娠が判明する前から、お母さんの身体は赤ちゃんを育む準備を始めています。
妊娠初期の赤ちゃんはまだ非常に小さく、成長に必要な栄養素の絶対量も多くはありません。
これまでの食事で蓄えられてきた栄養素が、赤ちゃんの初期の成長を支えてくれます。
そのため、つわりで一時的にサプリからの摂取ができなかったからといって、過度に心配しなくても大丈夫なのです。
無理に飲み直すのは逆効果になることも
「吐いてしまったから、もう一度飲まなければ」と思うその責任感は素晴らしいですが、無理に飲み直すことは避けましょう。
吐き気が強い時に無理やり飲むと、再び嘔吐を誘発し、体力を消耗するだけでなく、精神的な負担も大きくなってしまいます。
また、サプリそのものに対して嫌悪感を抱いてしまうきっかけにもなりかねません。
体調が優れない時は、「今日はお休みする」という選択も非常に重要です。
監修者からのアドバイス
今日から試せる!つわり中でも葉酸サプリを飲むための5つの工夫
「大丈夫」とわかっても、できることなら少しでも葉酸を摂取したい、と考えるのは自然なことです。
ここでは、つわり中でもサプリを少しでも飲みやすくするための、具体的な5つの工夫をご紹介します。
ぜひ、ご自身の体調と相談しながら試してみてください。
工夫①:飲むタイミングや回数を変えてみる(食後・就寝前など)
サプリを飲むタイミングに、決まりはありません。
一般的に空腹時は吐き気を感じやすいため、もし朝一番などに飲んでいるのであれば、タイミングを変えるだけで楽になることがあります。
- 食後に飲む: 胃に食べ物が入っている状態だと、サプリの刺激が和らぎます。
- 就寝前に飲む: 飲んでそのまま寝てしまうことで、吐き気を感じる前に眠りにつける可能性があります。
- 1日のうちで体調が良い時間帯に飲む: 「気分が良いな」と感じる束の間の時間にさっと飲むのも良い方法です。
- 回数を分ける: 1日1回で飲むタイプのサプリでも、体調によっては2回に分けて飲むことを検討してみましょう。(※製品の用法・用量を確認の上、ご判断ください)
工夫②:喉ごしの良いものと一緒に飲む(ゼリー、ヨーグルト、アイスなど)
水で飲むとサプリの味やニオイを感じて気持ち悪くなってしまう、という方は少なくありません。
そんな時は、喉ごしの良いものと一緒に飲むと、つるんと飲み込めることがあります。
- ゼリー飲料: 味や食感でサプリの存在感を紛らわしてくれます。
- ヨーグルトやアイスクリーム: 冷たいものが食べやすい時期には、これらに混ぜ込むのも一つの手です。サプリを包み込むようにして飲み込むのがポイントです。
- プリン: 喉ごしが滑らかで、サプリを飲み込む助けになります。
工夫③:体調が比較的良い日だけ飲む、と割り切る
つわりの症状には波があることがほとんどです。
「毎日必ず飲まなくては」と気負うと、それがプレッシャーになってしまいます。
「今日は少し調子がいいな」と感じる日だけ飲んでみる、というようにハードルを下げてみましょう。
「3日に1回でも飲めればOK」と考えるだけで、気持ちが楽になることもあります。
完璧を目指さないことが、継続のコツです。
工夫④:サプリを割って小さくしてみる
錠剤が大きいと、喉を通る感覚で吐き気が誘発されることがあります。
その場合は、ピルカッターなどを使ってサプリを半分や4分の1に割ってみましょう。
小さくすることで、一度に飲み込む量を減らすことができます。
少し手間はかかりますが、試してみる価値のある方法です。ただし、カプセルタイプのものは割らずにそのままお飲みください。
工夫⑤:それでもダメなら、サプリの種類を変えてみる
もし、ここまで紹介した工夫を試しても飲むのが難しいのであれば、今お使いのサプリがあなたの身体に合っていないのかもしれません。
葉酸サプリには様々な種類があります。ニオイや味、粒の大きさなど、つわり中でも飲みやすいように工夫された製品もたくさんあります。
次のセクションで詳しく解説しますが、サプリの種類を見直すことも重要な対処法の一つです。
監修者からのアドバイス
吐き気を引き起こしにくい葉酸サプリの選び方 4つのポイント
「サプリの種類を変える」と言っても、何を基準に選べば良いか迷ってしまいますよね。
ここでは、つわり中でも飲みやすい葉酸サプリを選ぶための、具体的な4つのポイントをご紹介します。
ポイント①:ニオイや味がしない「コーティングタイプ」を選ぶ
つわりの時期は、嗅覚が非常に敏感になります。
これまで気にならなかったサプリの原料臭(特に鉄分やビタミンB群)が、吐き気の引き金になることは珍しくありません。
対策
- 糖衣錠(とういじょう): 錠剤の表面が糖でコーティングされており、原料のニオイや味を感じにくくなっています。
- フィルムコーティング錠: フィルムで表面が覆われており、無味無臭に近い製品が多いです。
製品のパッケージや公式サイトで「無味・無臭」「コーティング」といった記載があるかチェックしてみましょう。
ポイント②:喉に引っかかりにくい「小粒・薄型タイプ」を選ぶ
錠剤の大きさも、飲みやすさを左右する重要な要素です。
海外製のサプリは粒が大きい傾向にあるため、もし現在飲んでいるものが大きいと感じるなら、日本製の小粒タイプを試してみるのがおすすめです。
対策
- 直径が1cm未満のものが、一般的に「小粒」とされています。
- 厚みが薄い形状のものも、喉を通りやすく、飲み込みやすいです。
サンプルやお試しサイズがある製品なら、実際に大きさを確認してから購入できるので安心です。
ポイント③:余計な成分が少ない「シンプルな配合」を選ぶ
健康や美容に良いとされる様々な成分が配合されたサプリもありますが、つわりの時期は、成分の種類が多いほど、ニオイや味の原因となる可能性が高まります。
対策
- 葉酸と、吸収を助けるビタミンB群など、必要最低限の成分に絞られたシンプルな配合の製品を選びましょう。
- ハーブなどの植物由来成分は、人によっては体に合わないこともあるため、この時期は避けたほうが無難かもしれません。
ポイント④:つわりの原因にもなる「鉄分」が別になっているタイプも検討する
葉酸と並んで妊娠中に必要な鉄分ですが、実は鉄分特有の味が吐き気を誘発することがあります。
対策
- まずは葉酸単体のサプリを試してみる。
- 鉄分は、体調が良い時に別のサプリで補うか、食事から摂取することを意識する。
つわりの症状が落ち着いてから、鉄分が配合されたサプリに切り替えるというのも賢い方法です。
チェックポイント | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|
① ニオイ・味 (コーティング) | 原料臭を感じにくく、吐き気を誘発しにくい。 | コーティング剤の分、少し粒が大きくなることがある。 | ニオイに敏感な「ニオイつわり」の方。 |
② 形状 (小粒・薄型) | 喉に引っかからず、スムーズに飲み込める。 | 1日に飲む粒数が多くなることがある。 | 錠剤を飲むのが苦手な方。 |
③ 成分 (シンプル配合) | ニオイや味の原因が少なく、アレルギーのリスクも低い。 | 他の栄養素を別途補う必要があるかもしれない。 | つわりの症状が特に重い方。 |
④ 鉄分の有無 (鉄分なし) | 鉄分特有の味がなく、胃への負担も少ない。 | 貧血予防のため、鉄分を別に補う必要がある。 | 鉄分の味が苦手な方。 |
これらのポイントを踏まえ、「具体的にどんな商品があるのか知りたい」と感じた方は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。
小粒タイプやニオイが少ないタイプなど、つわり中でも飲みやすいと評判の葉酸サプリをが厳選して紹介しています。
▼あわせて読みたい
どうしてもサプリが無理な時は?食事から葉酸を摂る方法
様々な工夫をしても、どうしてもサプリを受け付けない日もあります。
そんな時は、食事から少しでも葉酸を摂取することを意識してみましょう。
サプリが飲めないことへの罪悪感が、少し和らぐはずです。
葉酸が豊富な食品リスト
葉酸を多く含む食べ物は、緑黄色野菜や果物、豆類などです。こちらの記事で一覧を紹介していますが、特に含有量が多い代表的な食品は以下の通りです。
- 野菜: 枝豆、ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガス、芽キャベツ
- 果物: いちご、アボカド、マンゴー、キウイフルーツ
- 豆類: 納豆、きな粉
- その他: 焼きのり、レバー(※レバーは葉酸が豊富ですが、妊娠初期に過剰摂取すると胎児に影響を及ぼす可能性のあるビタミンAも非常に多く含みます。摂取頻度には注意し、不安な場合はかかりつけ医にご相談ください)
これらを全て完璧に摂る必要はありません。
「今日は、いちごなら食べられそう」といった形で、その日の体調に合わせて選んでみてください。
つわり中でも食べやすい調理のコツ
温かい湯気で吐き気が増すこともあるため、加熱せずに食べられるものや、冷たい料理がおすすめです。
- 冷製スープ: ブロッコリーやほうれん草をポタージュにして冷やしておくと、食欲がない時でも喉を通りやすいです。
- フルーツや野菜のスムージー: ヨーグルトや牛乳と一緒にミキサーにかければ、手軽に栄養補給ができます。
- 和え物: 茹でたほうれん草やブロッコリーを、さっぱりとした味付け(ポン酢、ごま和えなど)でいただくのも良いでしょう。
注意点:食事だけで1日の推奨量を摂るのは難しい
食事からの摂取を心がけることは非常に大切ですが、知っておいてほしい注意点もあります。
食品に含まれる葉酸(ポリグルタミン酸型)は、熱や光に弱く、調理過程で失われやすい性質があります。
また、体内での吸収率もサプリに含まれる葉酸(モノグルタミン酸型)に比べて低いことがわかっています。
そのため、食事だけで妊娠期に推奨される量を毎日安定して摂取するのは、現実的にはかなり難しいとされています。
監修者からのアドバイス
【知識として】そもそも、なぜ妊娠初期に葉酸が大切なの?
ここまで葉酸の摂取方法についてお話ししてきましたが、ここで少しだけ、なぜ妊娠初期に葉酸がこれほど重要なのか、その理由を解説します。
この知識は、あなたのサプリ摂取へのモチベーションを支えてくれるかもしれません。
赤ちゃんの先天的なリスクを減らす重要な働きがあるため
葉酸は、細胞の分裂や成長に不可欠なビタミンB群の一種です。
特に妊娠初期は、赤ちゃんの脳や脊髄(せきずい)といった、中枢神経系の原型が作られる非常に重要な時期です。
この時期に葉酸が不足すると、「神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)」という、赤ちゃんの先天的な異常が起こるリスクが高まることが、多くの研究でわかっています。
葉酸を十分に摂取することは、このリスクを低減する上で非常に効果的です。
この葉酸サプリが持つ最も重要な効果については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
厚生労働省も食事に加えてサプリでの摂取を推奨
このような背景から、日本の厚生労働省も、妊娠を計画している女性、または妊娠の可能性がある女性に対して、通常の食事に加えて、サプリメントなどから1日に400μg(マイクログラム)の葉酸を摂取することを推奨しています。
妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性及び妊娠初期の妊婦は、胎児の神経管閉鎖障害のリスクの低減のために、通常の食事からの葉酸摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日 400 μg の葉酸を摂取することが望まれる。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
国が推奨していることからも、その重要性がお分かりいただけるかと思います。
つわりと葉酸サプリに関するQ&A
最後に、つわりと葉酸サプリに関して、多くの方が抱く疑問についてQ&A形式でお答えします。
Q. 葉酸を飲むと、つわりが悪化することはありますか?
A. 葉酸という栄養素自体が、つわりの症状を直接悪化させるという医学的な根拠はありません。
もしサプリを飲んでから気持ち悪くなる場合、考えられる原因はいくつかあります。
- サプリのニオイや味
- サプリに含まれる鉄分
- カプセルや錠剤の添加物
- 錠剤の大きさによる飲みにくさ
先ほど解説したサプリの選び方を参考に、ご自身に合った製品を見直してみることをおすすめします。
Q. いつまで葉酸サプリを飲み続けるべきですか?
A. 赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスク低減という観点では、妊娠12週末までが特に重要な時期とされています。
ただし、葉酸は赤血球を作るのを助ける働きもあり、妊娠中・授乳中を通じてお母さんの貧血予防にも役立ちます。
そのため、多くの産婦人科では、出産後、授乳期が終わるまで、つまり「葉酸はいつまで飲むべきか」という問いに対しては、継続的な摂取を推奨しています。
つわりが落ち着いたら、ぜひ継続して飲むようにしましょう。
Q. サプリの過剰摂取による赤ちゃんへの影響が心配です。
A. 葉酸は水溶性ビタミンのため、摂取しすぎても尿として体外に排出されやすく、過剰摂取の心配は比較的少ないとされています。
ただし、厚生労働省はサプリなどからの葉酸の耐容上限量(健康被害のリスクがないとされる上限量)を、30〜49歳で1日あたり1,000μg(=1mg)、18~29歳で900μgまでとしています。
複数のサプリを併用しているなどの特殊なケースを除き、通常の製品を定められた用法・用量で飲んでいれば、上限を超えることはまずありませんのでご安心ください。
過剰摂取リスクなど、「葉酸サプリは飲まないほうがいい」という意見の真相については、こちらの記事で詳しく解説しています。
監修者からのアドバイス
Q. サプリを飲んで30分後に吐きました。知恵袋では「少しは吸収されてる」と見ましたが…
A. これは非常に多くの方が心配になり、知恵袋などでも頻繁に質問されている内容ですね。
飲んでから吐いてしまうまでの時間によって、吸収されたかどうかはある程度推測できます。
一般的に、錠剤が胃で溶けて小腸で吸収され始めるまでには、30分〜1時間程度かかると言われています。
- 飲んで15〜20分以内に吐いた場合: 残念ながら、ほとんど吸収されていない可能性が高いです。
- 飲んでから1時間以上経過していた場合: ある程度の量は吸収されていると考えて良いでしょう。
ご質問の30分後というのは、ちょうど吸収が始まるかどうかの微妙な時間帯です。
「少しは吸収されているかも」しれませんし、ほとんど吸収されていないかもしれません。
ここで最も大切なのは、無理に飲み直さないことです。
ブログ冒頭でもお伝えした通り、1回分が完璧に摂取できなかったからといって、すぐに赤ちゃんに影響が出るわけではありません。
飲み直すことでさらに吐き気を誘発し、体力を消耗してしまうことのほうが心配です。
監修者からのアドバイス
Q. グミタイプの葉酸サプリなら食べられます。錠剤と効果は同じですか?
A. 素晴らしい工夫ですね!ご自身が続けやすい形を見つけることが何よりも大切です。
グミタイプでも錠剤タイプでも、含まれている葉酸の「種類」と「量」が適切であれば、効果に違いはありません。
チェックしていただきたいのは、製品のパッケージに記載されている栄養成分表示です。
- 葉酸の量: 1日の摂取目安量で、厚生労働省が推奨する「400μg」の葉酸が摂れるか確認しましょう。
- 葉酸の種類: サプリメントの場合、体内での吸収率が高い「モノグルタミン酸型葉酸」が使われていることがほとんどですが、念のため確認するとより安心です。
注意点として、グミタイプは美味しく食べられるように糖分が多く含まれていることがあります。
食べ過ぎには注意し、必ず1日の目安量を守るようにしてください。
妊娠中の女性向けに開発された製品を選ぶと良いでしょう。
Q. ネットの知恵袋などで「友人は葉酸サプリを飲まなくても元気な赤ちゃんを産んだ」という書き込みを見ました。本当に飲む必要がありますか?
A. そのようなお話を聞くと、「自分も大丈夫かな?」と思ってしまいますよね。
特に知恵袋のような体験談が集まる場所では、様々な意見があり混乱してしまうこともあるかと思います。
大前提として、葉酸サプリを飲まなかったからといって、必ずしも赤ちゃんに問題が起こるわけではありません。
しかし、葉酸の摂取は、お腹の赤ちゃんの「神経管閉鎖障害」という先天的な病気のリスクを、統計的に大きく下げることが科学的に証明されています。
これを「車のシートベルト」に例えると分かりやすいかもしれません。
シートベルトをしていなくても、ほとんどの運転では事故に遭いません。
しかし、万が一の事故の際に、シートベルトが命を守ってくれる可能性を大きく高めてくれます。
葉酸サプリもこれと似ています。ほとんどの場合は問題なく赤ちゃんは育ちますが、万が一のリスクを減らすための、いわば「栄養のシートベルト」のようなものです。
安全性が確立されていて、簡単に行えるリスク対策だからこそ、国も専門家も強く推奨しているのです。
まとめ:つらい時期は無理せず、あなたと赤ちゃんにとって一番良い方法を見つけましょう
今回は、つわりで葉酸サプリが飲めずに悩んでいる方へ、その考え方と具体的な対処法について解説しました。
本日の要点チェックリスト
最後に、この記事でお伝えした重要なポイントをチェックリストにまとめました。
チェック項目 | ポイント |
---|---|
[✔] 不安な気持ち | 吐いてしまっても自分を責めない。まずはお母さんの体調が第一。 |
[✔] 飲み方の工夫 | サプリは飲むタイミングや飲み方を工夫してみる。 |
[✔] 選び方の見直し | どうしても無理ならサプリの種類を見直すか、食事を意識する。 |
[✔] 最も大切なこと | 一番大切なのは、お母さんがリラックスして過ごすこと。 |
[✔] 相談すること | 不安なことは一人で抱えず、かかりつけ医に相談する。 |
監修医からのメッセージ
この記事では様々な対処法をご紹介しましたが、つわりの症状や不安の大きさは人それぞれです。一人で悩まず、最もあなたの状況を理解してくれる、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
参考文献 この記事を作成するにあたり、以下の国の機関や専門機関の情報を参考にしました。
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
- 妊娠各期における葉酸の推奨摂取量や耐容上限量に関する国の公式な基準です。
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント」
- 葉酸の基本的な情報や、神経管閉鎖障害のリスク低減効果について解説しています。
- 厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」
- 2000年に出された、葉酸摂取を推奨する最初の公式通知です。
- 日本産科婦人科学会「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための葉酸サプリメント摂取の推奨に関する見解」
- 専門学会による、葉酸サプリメントの摂取を推奨する公式な見解です。
- 日本小児科学会「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための葉酸の摂取に関する提言」
- 小児医療の専門学会による、葉酸摂取の重要性に関する提言です。
- 食品安全委員会「ファクトシート ビタミンA」
- レバーなどに含まれるビタミンAの過剰摂取リスクについて、科学的知見をまとめています。
- 厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「葉酸」
- 葉酸を多く含む食品や、海外での推奨量などについて解説しています。
- 独立行政法人 農畜産業振興機構「野菜と葉酸」
- 野菜に含まれる葉酸について、分かりやすく解説しています。