【医師監修】妊婦はグミを食べていい?OK・NG早見表とビタミンAの注意点|おすすめ10選
「妊娠中にグミを食べても大丈夫?」
「ビタミンAが入っていると奇形のリスクがあるって本当?」
つわりで食事が喉を通らない時や、無性に甘いものが欲しくなる時、手軽に食べられるグミは妊婦さんの強い味方です。
しかし、インターネット上には「食べていい」「食べてはいけない」という情報が溢れており、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、妊娠中にグミを食べても問題ありません。
つわりの軽減や手軽な栄養補給に大いに役立ちますが、「ビタミンA(レチノール)」を含むサプリ型グミの過剰摂取と、糖分の摂りすぎには注意が必要です。
この記事では、小児科専門医であり、多くの子どもたちの発育を見守ってきた医師監修のもと、医学的な根拠に基づいた正しい知識をお届けします。
この記事でわかることは以下の3点です。
- 小児科専門医が解説する「お腹の赤ちゃんに影響しないグミの選び方」
- つわり中に救われる!先輩ママおすすめの「おやつグミ」と「サプリグミ」
- 1日の摂取目安量と、食べてしまった後の不安を解消するQ&A
正しい知識を身につけて、不安を解消し、美味しくグミを楽しんでマタニティライフを乗り切りましょう。
【結論】妊婦さんもグミを食べてOK!ただし「種類」と「成分」に注意

妊娠中の食事制限はストレスの元になりがちですが、基本的に妊婦さんがグミを食べることに問題はありません。
むしろ、つわりで食事が摂れない時期のエネルギー補給や、気分のリフレッシュには非常に有効な食品と言えます。
しかし、スーパーやコンビニで売られているすべてのお菓子が「無条件で安全」というわけではありません。
特に近年人気の「グミサプリ」や「機能性表示食品」としてのグミには、妊婦さんが慎重になるべき成分が含まれていることがあります。
まずは、なぜグミが妊婦さんに選ばれるのか、そして何に気をつけるべきなのか、その全体像を把握しましょう。
「これ食べていい?」が一目でわかる!人気グミOK・注意早見表
コンビニやスーパーでよく見かけるグミについて、「妊娠中に食べても大丈夫か」を一覧にまとめました。
購入前のチェックリストとしてご活用ください。
【表:人気グミの安全性チェックリスト】
| 商品名(代表例) | 判定 | 理由・注意点 |
|---|---|---|
| 果汁グミ(明治) | ◎ 安心 | 成分がシンプルで、着色料不使用のものが多い。果汁感でリフレッシュに最適。 |
| ピュレグミ(カンロ) | ◎ 安心 | ビタミンCとコラーゲン配合。酸味パウダーがつわりのムカムカを和らげる。 |
| ハリボー(HARIBO) | ○ OK | 硬い食感が空腹紛らわしに◎。ただし1袋の量が多いので食べ過ぎに注意。 |
| 男梅グミ(ノーベル) | △ 量に注意 | 塩分が高め。塩分制限がある場合は1日数粒にとどめましょう。 |
| 忍者めし(UHA味覚糖) | △ 硬さに注意 | 非常に硬いため、歯が弱っている時は注意。噛みごたえは抜群。 |
※判定は「妊娠中の一般的な健康状態」を想定したものです。医師から糖質制限などの指導を受けている場合は、医師の指示に従ってください。
監修医のアドバイス
つわりの救世主?妊娠中にグミが食べたくなる・選ばれる理由
多くの妊婦さんが、妊娠初期から中期にかけて「グミなら食べられる」「なぜかグミばかり食べてしまう」という体験をしています。
これには、生理学的および心理的な理由がいくつか考えられます。
まず一つ目は、「酸味と食感による不快感の軽減」です。
妊娠初期はホルモンの影響で味覚障害(口の中が苦い、金属の味がするなど)が起きやすくなります。
レモンなどの酸味は、この不快な味を打ち消す(マスキングする)効果が高く、さらに唾液分泌を促して口内環境を整えるため、生理的にも受け入れやすいのです。
また、グミ特有の「噛み応え」には、医学的なストレス軽減効果があります。
リズムよく噛む(咀嚼する)ことは、脳内のストレスホルモン(コルチゾール)の数値を下げ、脳の前頭前野の血流を良くすることが研究で分かっています。
単なる気分転換だけでなく、生理学的にもイライラや不安を鎮める理にかなった行動なのです。
二つ目は、「手軽なエネルギー補給」です。
グミは消化吸収が早い糖質(ブドウ糖や砂糖)を主成分としているため、低血糖になりやすい妊婦さんの即効性のあるエネルギー源となります。
個包装されているものや、チャック付きの袋に入っているものが多く、通勤中や検診の待ち時間など、場所を選ばずに少しずつ食べられる利便性も、体調が不安定な妊婦さんにとって大きな魅力です。
三つ目は、「特定の栄養素への身体の欲求」という側面です。
妊娠中は血液量が増加し、鉄分や水分、ビタミン類が不足しがちになります。
フルーツ果汁を多く含むグミや、鉄分を強化したグミを身体が自然と欲している可能性もあります。
「私はこれで乗り切った!」先輩ママのつわり対策グミ体験談
実際につわりを経験した先輩ママたちは、どのようにグミを活用していたのでしょうか。 SNSやアンケートに寄せられたリアルな声をご紹介します。
🍋「レモン味」一択でした!(30代・初産) 「吐きづわりで水も飲めない時、ピュレグミのレモン味だけは受け付けました。表面のジャリジャリした酸っぱいパウダーが口の中をさっぱりさせてくれて、検診の待ち時間もこれで乗り切りました。」
🍇 冷やして食べるのがおすすめ(20代・経産婦) 「口の中が常に気持ち悪い食べづわり。常温だと甘ったるく感じたので、冷蔵庫でキンキンに冷やした果汁グミを少しずつ噛んでいました。冷たいと匂いも減る気がします。」
🦷 ハード系で空腹をごまかす(30代・初産) 「仕事中にお腹が空くと気持ち悪くなるので、忍者めしやタフグミなどの硬いグミをデスクに常備。ずっと噛んでいられるので、少量でも満足感がありました。」
▼もっと詳しく:つわり中にグミを食べるメリット
- 口内環境のリセット: つわりで嘔吐した後の口の中の不快感を、グミの香りでマスキングできる。
- 唾液分泌の促進: 唾液が増えることで、胃酸の逆流による食道の荒れを緩和する助けになる(個人差があります)。
- 携帯性: 匂いが周囲に広がりにくく、電車の中などでもサッと口に入れられる。
- カロリーコントロール: チョコレートやクッキーに比べると脂質が少なく、1粒あたりのカロリー計算がしやすい。
普通のお菓子グミ vs サプリメントグミ、それぞれの役割
ここで明確にしておきたいのが、「お菓子としてのグミ」と「サプリメントとしてのグミ」の違いです。
この二つは見た目は似ていますが、摂取する目的と注意点が大きく異なります。
1. お菓子としてのグミ(例:果汁グミ、ピュレグミなど)
- 目的: おやつ、リフレッシュ、小腹満たし。
- 成分: 主に砂糖、水飴、ゼラチン、果汁。ビタミンCなどが添加されていることもあるが、栄養補助を主目的とはしていない。
- 妊婦さんへのメリット: 気分転換、糖分補給。
- 注意点: 糖分の摂りすぎ、カロリーオーバー。
2. サプリメントとしてのグミ(例:葉酸グミ、鉄分グミなど)
- 目的: 不足しがちな栄養素の補給。
- 成分: 葉酸、鉄、亜鉛、ビタミン類などが高濃度で配合されている。「栄養機能食品」と表示されていることが多い。
- 妊婦さんへのメリット: 錠剤やカプセルを飲むのが苦手な方でも、美味しく栄養摂取ができる。
- 注意点: 過剰摂取による副作用(特に脂溶性ビタミン)。 お菓子感覚で食べ過ぎると、推奨量を大幅に超えてしまうリスクがある。
妊婦さんが最も注意すべきなのは、後者の「サプリメントグミ」を、前者の「お菓子グミ」と同じ感覚で食べてしまうことです。
次章では、その中でも特に注意が必要な「ビタミンA」について、詳しく解説します。
赤ちゃんのために絶対に知っておくべき「ビタミンA」と「糖質」の話

妊娠中の食事において、「ビタミンA」は非常にデリケートな栄養素です。
不足してもいけませんが、摂りすぎるとお腹の赤ちゃんに影響を与える可能性があります。
特に、インターネット上の情報では「ビタミンA=危険」という認識ばかりが先行し、過度な不安を抱いている妊婦さんが少なくありません。
ここでは、医師監修のもと、医学的に正しいビタミンAの知識と、もう一つの懸念点である糖質について深掘りします。
動物性「レチノール」と植物性「β-カロテン」の違い
ビタミンAには、大きく分けて2つの種類があります。
この違いを理解することが、安全にグミを選ぶための第一歩です。
レチノール(動物性ビタミンA)
- 含まれる食品: レバー、うなぎ、マルチビタミンサプリメントなど。
- 特徴: 体内に吸収されやすく、過剰分が蓄積されやすいため注意が必要です。厚生労働省は、妊娠中の耐容上限量を「1日2,700μgRAE」と定めています。
- 食品によるリスクの違い:
- 鶏レバー: 焼き鳥たった2本で上限量の3倍(約8,400μg)に達するため、妊娠中は避けるのが賢明です。
- うなぎ: 1人前(約1,500μg)であれば上限の範囲内です。毎日でなければ過度に心配する必要はありません。
- 妊娠中のリスク: 上限量を恒常的に超え続けると、赤ちゃんの形態異常(耳や心臓など)のリスクが高まることが報告されています。
β-カロテン(植物性ビタミンA)
- 含まれる食品: ニンジン、カボチャ、ほうれん草などの緑黄色野菜、果物。
- 特徴: 体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。
- 妊娠中のリスク: 過剰摂取による催奇形性の報告はありません。 積極的に摂っても問題ない安全なビタミンAです。
つまり、妊婦さんが注意しなければならないのは、「レチノール」が含まれているグミサプリです。
お菓子として売られている果汁グミなどに含まれるビタミンAは、多くの場合β-カロテン由来であったり、微量であったりするため、過度に心配する必要はありませんが、サプリメントとして濃縮されたものは別格です。
ビタミンAの種類と妊婦への安全性分類図
| 別名・成分名 | 主な食品・製品 | 妊婦への安全性 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| レチノール | レバー、うなぎ、マルチビタミンサプリ | 要注意 | 過剰摂取厳禁。サプリの成分表示を必ず確認。 |
| β-カロテン | 緑黄色野菜、果物、一部の野菜ジュース | 安全 | 体内で必要な分だけ変換されるため、制限なし。 |
監修医のアドバイス
1日何粒まで?過剰摂取にならないためのチェックポイント
では、具体的にどれくらいの量なら安全で、どこからが危険なのでしょうか。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、妊婦(初期〜後期)のビタミンA推奨量と耐容上限量は以下の通りです。
- 推奨量: 650〜780μgRAE/日(マイクログラム・レチノール活性当量)
- 耐容上限量: 2,700μgRAE/日
この「2,700μgRAE」という数字が、一つのボーダーラインとなります。
多くのマルチビタミン入りグミサプリでは、1日分(2粒程度)に数百μgのビタミンAが含まれていることがあります。
もし、うなぎやレバーを食べた日に、さらにビタミンA入りのグミサプリを規定量以上食べてしまうと、この上限に近づく可能性があります。
チェックポイント:
- 「マルチビタミン」と書かれたグミは要注意: ビタミンAが含まれている可能性が高いです。成分表示で含有量(μg)を確認しましょう。
- 葉酸グミ・鉄分グミにも入っていることがある: 商品によっては、葉酸の吸収を助けるために他のビタミンを配合している場合があります。
- 「1日2粒」などの目安量は必ず守る: お菓子のように1袋全部食べてしまうのは大変危険です。
「妊娠糖尿病」を防ぐために気をつけるべき糖質量とカロリー
ビタミンAと同じくらい、あるいはそれ以上に日常的なリスクとなるのが「糖質」です。
グミの主原料は、水飴と砂糖です。
つわりでご飯が食べられないからといって、グミばかり食べていると、急激な血糖値の上昇を招き、「妊娠糖尿病」のリスクを高めてしまう恐れがあります。
妊娠糖尿病になると、巨大児(赤ちゃんが大きくなりすぎる)による難産のリスクや、生まれた赤ちゃんが低血糖になるリスクが生じます。
- 一般的なグミのカロリー: 1袋(50g前後)あたり約160〜170kcal。これはおにぎり1個分に相当します。
- 糖質量: 1袋あたり約35〜40g。角砂糖に換算すると約10個分です。
つわりでカロリーが摂れない時のエネルギー補給としては優秀ですが、通常の食事が摂れている場合は、「1日10粒まで」「小袋入りのものを選ぶ」などの工夫をして、食べ過ぎを防ぎましょう。
意外と高カロリー?人気グミの「糖質&カロリー」ランキング
「グミはヘルシーそう」というイメージがあるかもしれませんが、成分のほとんどは糖質です。
主要なグミ1袋あたりのカロリーと糖質量を比較しました。体重管理の参考にしてください。
【表:グミのカロリー・糖質比較(高い順)】
| 1位 | タフグミ (100g) | 約318 kcal | 約78.0g | 大容量で高カロリー。数回に分けて食べるのが必須。 |
| 2位 | つぶグミ (85g) | 約300 kcal | 約72.0g | 糖衣でコーティングされているため糖質高め。 |
| 3位 | ハリボー ゴールドベア (80g) | 約274 kcal | 約61.6g | 1粒は小さいが、1袋全部食べるとおにぎり1.5個分相当。 |
| 4位 | ピュレグミ (56g) | 約192 kcal | 約46.0g | 一般的なサイズ。おやつとしてはこの半分量が理想。 |
| 5位 | 果汁グミ (51g) | 約167 kcal | 約39.0g | 比較的カロリーは控えめだが、それでも角砂糖10個分相当。 |
管理のポイント:1袋を一気に食べず、「1日10粒まで」と決めて小皿に出して食べるのが、妊娠糖尿病を防ぐコツです。
「カロリーゼロ」は安全?気になる人工甘味料と添加物の真実
体重管理をしていると「カロリーオフ」や「シュガーレス」のグミに惹かれるかもしれません。 しかし、そこで気になるのが人工甘味料や着色料などの添加物です。
結論から言うと、日本で認可されている食品添加物は、通常の食事の範囲内であればお腹の赤ちゃんに悪影響を与えることはありません。
主な添加物と妊娠中の考え方:
- 人工甘味料(アスパルテーム、スクラロースなど) 日本の安全基準は非常に厳しく設定されており、毎日大量に摂取しなければ安全性に問題はないとされています。ただし、カロリーゼロだからといって過剰に摂取すると、甘味への依存性が高まったり、お腹が緩くなったりすることがあるため、あくまで「嗜好品」として楽しみましょう。
- 着色料(赤色○号など) 大手メーカーの製品であれば、国の基準を満たした量しか使用されていません。どうしても気になる場合は、「着色料不使用」の果汁グミや、野菜色素を使用したものを選ぶと精神的にも安心です。
医師からのアドバイス
「添加物を『絶対ダメ』と排除しすぎてストレスを溜めるよりも、神経質になりすぎず、いろいろな食品をバランスよく食べることの方が、母子の健康にはプラスです。」
失敗しない!妊娠中のグミ選び 3つの基準

体調が優れない中、スーパーの棚の前で裏面表示をじっくり読むのは辛いものです。
ここでは、妊婦さんがパッと見て即座に判断できる、失敗しないグミ選びの3つの基準をご紹介します。
これを覚えておけば、迷うことなく自分に合った安全なグミを選ぶことができます。
成分表示のここを見る!「ビタミンA」の記載チェック法
商品を手に取ったら、まずはパッケージの裏面(栄養成分表示)を見ます。
確認すべきはたった1点、「ビタミンA」の項目があるかどうかです。
- ビタミンAの記載がない: お菓子としてのグミ、または特定の栄養素(鉄・葉酸など)のみに特化したグミです。→ おやつとして食べてOK(糖分に注意)。
- ビタミンAの記載がある: マルチビタミンサプリや、栄養強化グミです。→ 含有量を確認し、1日の目安量を厳守する。
▼【体験談】筆者が実際にコンビニでチェックしました
実際に近所のコンビニで主要なグミの裏面を確認してみました。
- 果汁グミ(明治): 原材料名に「濃縮ぶどう果汁」などの記載はあるが、栄養成分表示に「ビタミンA」の項目はなし。→ 安心して選べます。
- ピュレグミ(カンロ): ビタミンCやコラーゲンの記載はあるが、ビタミンAはなし。→ つわり中の酸味補給におすすめ。
- 某マルチビタミンサプリグミ: 栄養成分表示に「ビタミンA 770μg(2粒当たり)」と明記あり。→ これはサプリメントです。おやつ感覚でバクバク食べるのはNGです!
このように、お菓子コーナーに置いてあっても中身は本格的なサプリメントという商品もあるので、パッケージの表だけでなく裏を見る癖をつけましょう。
つわりのタイプ別:酸味系(ピュレ等)かハード系(タフグミ等)か
つわりの症状は人それぞれです。
自分のタイプに合わせてグミの食感や味を選ぶことで、不快感をより効果的に和らげることができます。
A. 吐き気が強い「吐きづわり」タイプ → 【酸味系・ソフト系】
- おすすめ: ピュレグミ、フェットチーネグミ(レモン味など)
- 理由: 表面のすっぱいパウダーが口の中をリフレッシュさせ、唾液を出やすくします。柔らかめの食感で消化も良いものを選びましょう。
B. 常に何か食べていないと気持ち悪い「食べづわり」タイプ → 【ハード系・弾力系】
- おすすめ: タフグミ、HARIBO(ハリボー)、忍者めし
- 理由: 噛み応えがあるハードグミは、少量でも満腹感を得やすく、食べる時間を稼げます。口寂しさを紛らわせるのに最適です。
C. 匂いに敏感な「においづわり」タイプ → 【個包装・フルーツ系】
- おすすめ: 果汁グミ、つぶグミ
- 理由: 人工的な香料が強いものより、自然な果汁の香りの方が受け入れやすい傾向があります。個包装なら、開封時の匂いの広がりを抑えられます。
栄養補給なら:葉酸・鉄分・亜鉛が含まれる「栄養機能食品」を
「せっかく食べるなら、赤ちゃんに良い栄養も摂りたい」
そう考える方は、パッケージに「栄養機能食品」と書かれたグミを選びましょう。
特に妊娠中に意識して摂りたいのは以下の3つの栄養素です。
- 葉酸: 赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らすために必須。
- 鉄分: 妊娠中の貧血予防に。
- 亜鉛: 細胞分裂を助け、味覚を正常に保つ。
これらの成分が入ったグミは、ドラッグストアのサプリメントコーナーだけでなく、最近ではコンビニのお菓子コーナーでも見かけるようになりました。
ただし、先ほど述べたように「ビタミンA(レチノール)が含まれていないか」、含まれている場合は「量が適切か」を必ず確認してください。
【目的別】妊婦さんにおすすめのグミ10選徹底比較

ここからは、実際に妊婦さんにおすすめできるグミを、目的別に厳選してご紹介します。
「栄養補給」「リフレッシュ」「素材へのこだわり」の3つのカテゴリーに分け、それぞれの特徴を比較しました。
体調や気分に合わせて選んでみてください。
栄養もしっかり摂りたい!おすすめ「葉酸・鉄分グミサプリ」3選
まずは、サプリメントとして活用できる高機能グミです。
錠剤が苦手な方や、楽しく栄養摂取したい方に最適です。
表:葉酸・鉄分グミサプリ比較表
| 商品名 | メーカー | 主な栄養素 | 1日目安 | ビタミンA | 特徴・おすすめポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| UHAグミサプリ 鉄&葉酸 | UHA味覚糖 | 鉄10mg, 葉酸240μg | 2粒 | なし | 妊婦さんが最も気にする「ビタミンA(レチノール)」が含まれていないため、安心して鉄分補給ができます。 アサイーミックス味で鉄特有の味が気にならず、どこでも買える定番品です。 |
| 親子de 鉄分 | ファンケル | 鉄5mg, 亜鉛, ビタミンB6 | 1〜2粒 | なし | 子供も食べられる安心設計。つわり軽減に良いとされるB6配合。 |
| おやつサプリZOO 鉄+葉酸 | ユニマットリケン | 鉄10mg, 葉酸200μg | 2粒 | なし | ブドウ風味で食べやすい。コスパが良く続けやすい。 |
▼選び方のヒント
これらの製品は基本的に「ビタミンA」を含まない設計になっているものが多く、妊婦さんでも安心して選べます。
特にUHA味覚糖のグミサプリは、硬めの食感で満足感も高く、鉄分不足が気になる妊娠中期以降にも大変重宝します。
監修医のアドバイス
つわりで辛い時に!コンビニで買える「リフレッシュグミ」5選
次は、コンビニやスーパーで手軽に買えるお菓子グミです。
つわりのムカムカを抑えたい時、気分転換したい時におすすめです。
表:コンビニおやつグミ比較表
| 商品名 | メーカー | 味・酸味レベル | 食感 | カロリー(1袋) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ピュレグミ レモン | カンロ | 酸味強め ★★★ | ソフト&ジャリ | 190kcal | すっぱいパウダーが吐き気を抑制。ビタミンC入り。 |
| 果汁グミ ぶどう | 明治 | 酸味控えめ ★☆☆ | ソフト | 167kcal | 果汁100(生果汁換算)の自然な甘さ。着色料不使用。 |
| ポイフル | 明治 | 酸味中 ★★★ | ハード&小粒 | 182kcal | 4つの味が楽しめ飽きない。小粒で少しずつ食べやすい。 |
| タフグミ | カバヤ | 酸味中 ★★☆ | 超ハード | 210kcal | ガツンとくる弾力で空腹感を紛らわせる。集中したい時にも。 |
| フェットチーネグミ | ブルボン | 酸味強め ★★★ | アルデンテ | 174kcal | 独特の噛み心地と酸味がクセになる。イタリアングレープ味が人気。 |
▼【体験談】筆者のつわり脱出エピソード
私自身、妊娠中のつわりピーク時には「ポイフル」と「果汁グミ」に何度も助けられました。
特にポイフルは、青リンゴやレモンなど味が変わるので、気持ち悪さの波に合わせて「今はレモン味ならいける」「今はブドウ」と選んで食べられるのが良かったです。
また、果汁グミは変な後味が残らず、食べた後に口の中がべたつかない点が、吐きづわりの私には合っていました。
枕元に常備して、朝起きた瞬間の気持ち悪さを紛らわせるのに使っていました。
贈り物にも最適!素材にこだわった「無添加・オーガニックグミ」2選
最後は、添加物が気になる方や、妊婦さんへのちょっとしたプレゼントを探している方におすすめの、素材重視のグミです。
- フルーツラムネ・グミ(成城石井など)
- 合成着色料や人工甘味料を使用していないものが多くあります。果物本来の味が濃く、身体に優しい味わいです。
- 有機果汁グミ(オーガニックショップ等)
- 有機JAS認定の果汁やゼラチンを使用したグミ。少し値は張りますが、安心して食べられるという精神的なメリットは大きいです。
罪悪感なし!体重管理中でも食べられる「低糖質グミ」2選
「甘いものは食べたいけれど、検診で体重や血糖値を注意されてしまった…」 そんな妊婦さんの強い味方となるのが、糖質を抑えたロカボ(低糖質)対応のグミです。
- ラカント カロリーゼロ飴・グミ(サラヤ)
- 特徴: 自然派甘味料「ラカント」を使用し、カロリーも糖類もゼロに近い設計。
- おすすめ理由: 血糖値への影響がほとんどないため、妊娠糖尿病の方でも安心して口にできます。
- へルシースナッキング グミ(各メーカー)
- 特徴: 食物繊維を多く含み、糖質をオフした設計のグミ。
- おすすめ理由: 不足しがちな食物繊維も一緒に摂れるため、妊娠中の便秘対策にも一役買います。
材料は2つだけ!レンジで簡単「安心・無添加」手作りグミ
市販のグミは糖分や添加物が心配…という方は、自分で作ってみてはいかがでしょうか。
実はお気に入りのジュースとゼラチンさえあれば、レンジで簡単に作れます。
材料(作りやすい分量)
- 100%果汁ジュース(ぶどう、オレンジなど):大さじ3
- 粉ゼラチン:5g
- (お好みで)砂糖や蜂蜜:小さじ1〜2 ※つわりの時は入れなくてもOK
作り方
- 耐熱容器にジュースと粉ゼラチン(+砂糖)を入れ、軽く混ぜます。
- 電子レンジ(600W)で30〜40秒ほど加熱します。※沸騰させないよう注意!
- よく混ぜてゼラチンを完全に溶かし、お好みの型に流し入れます(型がなければタッパーでOK)。
- 冷蔵庫で20分ほど冷やし固めれば完成です。
小児科医が教える!出産後も役立つ「グミ」との付き合い方

ここまでは「妊娠中の食事」としてのグミについてお話ししてきましたが、このセクションでは少し視点を変えて、「赤ちゃんが生まれた後」の話をします。
小児科医である監修医だからこそ伝えたい、お子さんとグミの安全な付き合い方についてです。
お母さんがグミ好きだと、お子さんもグミを食べる機会が増えるかもしれません。
その時に知っておいてほしい、小児科現場からの重要なメッセージです。
上のお子さんがいる家庭での「誤飲」事故防止
もし、今お腹にいる赤ちゃんの上に、お兄ちゃんやお姉ちゃん(幼児)がいる場合、グミの管理には細心の注意が必要です。
弾力のあるグミは、噛む力が未熟な幼児にとって、窒息や誤嚥(ごえん)のリスクが高い食品の一つです。
特に3歳未満のお子さんには、弾力の強いグミや球状のグミは与えないようにしましょう。
また、大人が食べているのを見て欲しがったり、目を離した隙に口に入れてしまったりする事故も少なくありません。
監修医 のアドバイス
将来の虫歯リスクと「キシリトールグミ」の活用法
グミは糖分が多く、歯にくっつきやすいため、虫歯のリスクが高いお菓子でもあります。
妊娠中はホルモンバランスの変化で唾液が減り、お母さん自身も虫歯になりやすい時期です。
また、生まれたお子さんが大きくなってグミを食べるようになった時も、ダラダラ食べは虫歯の大きな原因になります。
そこでおすすめなのが、「キシリトールグミ」です。
これは砂糖の代わりにキシリトール(甘味料)を使用したグミで、歯科医院などで販売されています。
- メリット: 虫歯の原因となる酸を作らない。
- 活用法: 歯磨き後のご褒美や、どうしても甘いものが食べたい時の代替品として。
お母さんの口内環境を整えることは、生まれてくる赤ちゃんの虫歯リスクを減らすこと(母子伝播の予防)にも繋がります。
妊娠中から「歯に良いおやつ」を取り入れてみるのも、素晴らしい食育のスタートです。
グミがダメでも大丈夫!つわりのムカムカを抑える「代わりの相棒」
「グミが良いと聞いたけど、弾力が気持ち悪い」「甘すぎて受け付けない」 そんな時は無理をしてグミを食べる必要はありません。
グミと同じように「口の中をさっぱりさせる」「血糖値を少し上げる」効果がある、他のおすすめ食品をご紹介します。
- カリカリ梅・干し梅 塩分には注意が必要ですが、強烈な酸味が吐き気を抑えてくれます。種無しタイプなら外出先でも安心です。
- 氷砂糖・ラムネ グミよりも純粋な糖分に近いため、消化にかかる負担が少なく、即効性のエネルギー補給になります。口の中でゆっくり溶かすのがポイント。
- 氷(アイスキューブ) 「何も味がしないものがいい」という時は、氷を舐めるだけでも口の中が冷えてリフレッシュできます。レモン汁を垂らした氷を作るのもおすすめです。
- 冷凍フルーツ コンビニでも買える冷凍のマンゴーやブドウは、アイス感覚で食べられ、ビタミンも摂れる優秀なおやつです。
妊婦さんのグミに関するよくある質問 (FAQ)

最後に、妊婦さんからよく寄せられるグミに関する疑問に、Q&A形式でお答えします。
Q. うっかりビタミンA入りのグミを1袋食べてしまいました。大丈夫ですか?
監修医の回答
Q. 果汁グミやアンパンマングミは毎日食べてもいいですか?
毎日食べても問題ありませんが、量には注意が必要です。
これらのお菓子系グミにはビタミンAのリスクはほぼありませんが、糖分が含まれています。
毎日1袋全部食べてしまうと、糖質の摂りすぎになります。
「1日10粒まで」と決めたり、小袋タイプを選んだりして、適量を楽しむようにしましょう。
アンパンマングミなどは、オブラートが付いていて独特の食感ですが、これも成分的には一般的なお菓子と同様です。
Q. 葉酸サプリ(錠剤)と葉酸グミは併用してもいいですか?
基本的にはおすすめしません。
両方を規定量摂取すると、葉酸やその他の配合成分(鉄や亜鉛など)の過剰摂取になる可能性があります。
葉酸にも耐容上限量(1日1,000μgなど)があります。
どちらか一方にするか、もし併用する場合は、それぞれの含有量を確認し、合計量が過剰にならないよう調整してください。
例えば、「今日は錠剤を飲み忘れたからグミにする」「外出先ではグミ」といったように、シーンに合わせて使い分けるのがおすすめです。
Q. ハリボー(HARIBO)は弾力が強いですが、消化に悪くないですか?
ハリボーなどのハードグミは、よく噛んで食べる分には問題ありません。
むしろ、よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐ効果があります。
ただし、硬いまま飲み込んでしまうと消化に時間がかかり、胃腸の負担になることがあります。
つわりで胃が弱っている時は、一粒ずつゆっくり時間をかけて味わうようにしましょう。
Q. 男梅グミなど、塩分の多いグミはむくみの原因になりますか?
はい、摂りすぎには注意が必要です。
男梅グミなどは一般的なフルーツグミに比べて塩分が多く含まれています。
1袋全部食べてしまうと塩分過多になり、妊娠高血圧症候群のリスクや、ひどいむくみにつながる可能性があります。
気分転換に2〜3粒食べる程度なら問題ありませんが、塩分制限がある方は控えたほうが無難です。
Q. ポイフルやコグミなどの小粒グミで気をつけることは?
小粒のグミは、無意識のうちに次々と口に運んでしまい、気づいたら1袋空けていた…という「うっかり食べ過ぎ」が最も起きやすいタイプです。
また、粒が小さいため、つわりの嘔吐反射などで誤って気管に入りやすい(誤嚥しやすい)形状でもあります。
食べる際は「ながら食べ」を避け、姿勢を正して落ち着いて食べるようにしてください。
まとめ:正しい知識で不安解消!グミを味方につけてマタニティライフを乗り切ろう
妊娠中のグミは、正しく選べば、つわりの辛さを和らげ、不足しがちな栄養を補ってくれる心強いパートナーになります。
最後に、この記事の要点をチェックリストにまとめました。
次にグミを買う時や、食べる前にぜひ確認してみてください。
妊婦のグミ摂取・最終チェックリスト
- [ ] 裏面チェック: 「ビタミンA(レチノール)」が含まれていないか、または含有量が適切か確認しましたか?
- [ ] 目的の明確化: 「おやつ」なのか「サプリ」なのか、理解して食べていますか?
- [ ] 適量: サプリなら用法用量を守り、お菓子なら1日10粒程度に抑えていますか?
- [ ] 糖質管理: 他の食事やおやつとのバランスを考えていますか?
- [ ] 歯磨き: 食べた後は歯磨きやうがいをして、虫歯予防をしましたか?
- [ ] 誤飲防止: 上のお子さんがいる場合、手の届かない場所に置きましたか?
妊娠期間は、身体の変化や食事の制限で戸惑うことも多いですが、あまり神経質になりすぎず、リラックスして過ごすことが一番です。
もし不安なことがあれば、一人で抱え込まず、かかりつけの産婦人科医や、私たちのような専門家にいつでも相談してください。
美味しいグミを味方につけて、少しでも快適で楽しいマタニティライフが送れることを、心より応援しています。














