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オンラインピルとは?仕組み・値段・病院処方との違いをわかりやすく解説【初心者向け】

オンラインピルは危ない?医師と見分ける「安全な診療」と「危険な通販」の違い

オンラインピルは危ない?医師と見分ける「安全な診療」と「危険な通販」の違い

結論:「オンラインピル」とは、スマホのビデオ通話やチャットを使って医師の診察を受け、ピルを自宅ポストに配送してもらう「正規の医療サービス」のことです。

生理痛やPMS(月経前症候群)に悩む女性にとって、ピルは非常に有効な治療手段の一つです。しかし、「婦人科に行く時間がない」「内診台に上がるのが怖い」「知り合いに見られたくない」といった理由で、受診をためらっている方が多いのも事実ではないでしょうか。

そんな現代女性の悩みを解決するために普及したのが、通称「オンラインピル(ピルのオンライン診療)」です。利用者は年々急増していますが、一方で「本当に安全なの?」「違法な通販と何が違うの?」「値段が高いのでは?」といった不安の声もよく耳にします。

この記事では、初めての方に向けて、メディカルライターである筆者が、産婦人科専門医の山田花子先生監修のもと、オンラインピルの基本的な仕組みから、処方してもらえる薬の種類、診察のリアルな流れ、そして気になる費用の相場までを徹底的に解説します。5分ほどで読める内容ですが、読み終える頃には「私でも使えるかも」という安心感と、具体的な利用イメージが持てるようになっているはずです。

この記事でわかること 3 点

  • オンラインピルの仕組みと、危険な通販(個人輸入)との決定的な違い
  • 低用量ピルからアフターピルまで、オンラインで買える薬の種類と選び方
  • 診察から配送までの具体的な流れと、薬代・送料を含めた費用の目安

そもそも「オンラインピル」とは?違法ではない?

「ピルをネットで買うなんて、何か怪しくない?」

そう感じるのは、とても正常な感覚です。なぜなら、インターネット上には安全な医療サービスと、危険な違法サイトが混在しているからです。

このセクションでは、「オンラインピル」の正しい定義と、利用する前に絶対に知っておくべき「通販(個人輸入)」との違いについて、法的な根拠を交えて詳しく解説します。ここを理解しておかないと、思わぬ健康被害に遭うリスクがありますので、しっかりと確認しておきましょう。

正式名称は「ピルのオンライン診療」

まず大前提として、「オンラインピル」という特殊な名前の薬が存在するわけではありません。これは、「オンライン診療システムを利用して処方されるピル」の通称です。

オンライン診療とは、スマートフォンやPC、タブレットなどの情報通信機器を用いて、病院にいる医師と自宅などにいる患者をつなぎ、リアルタイムで診察・処方を行う医療行為のことを指します。以前は初診からのオンライン診療には厳しい制限がありましたが、2018年のガイドライン改定や、その後の新型コロナウイルス感染症の流行に伴う規制緩和により、現在では初診から利用できるケースが大幅に増えました。

つまり、オンラインピルは、Amazonや楽天でサプリメントを買うのとは根本的に異なります。画面の向こうには必ず国家資格を持った「医師」がいて、あなたの健康状態を確認した上で、医学的な判断に基づいて薬を出してくれるのです。これは医師法および厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づいた、完全に合法で正規の医療サービスです。

▼参考:厚生労働省の指針におけるオンライン診療の定義

厚生労働省の指針では、オンライン診療を以下のように位置付けています。

「遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為。」

重要なのは、対面診療と同様に、医師が患者の状態を診て責任を持って処方するという点です。

監修者の解説

「オンライン診療は、単なる薬の販売ではありません。私たち医師は、画面越しであっても、患者さんの顔色、話し方、そして事前の問診データから、血栓症などのリスクがないかを慎重に判断しています。対面診療とオンライン診療、それぞれの特性を理解し、適切に使い分けることが大切です。」

出典: 監修者へのインタビュー(2025年12月実施)

通販サイト(個人輸入)とは全くの別物

検索エンジンで「ピル 通販」や「ピル 安い」と検索すると、医師の診察なしで簡単にピルが購入できるサイトが見つかることがあります。これらは「個人輸入代行サイト」と呼ばれるもので、オンライン診療とは全くの別物であり、利用には極めて高いリスクが伴います。

多くの人が誤解していますが、日本国内において、ピル(経口避妊薬)は市販薬(OTC医薬品)としては認可されていません。 つまり、医師の処方箋なしにドラッグストアや一般的な通販サイトで購入することは不可能なのです。

個人輸入代行サイトで販売されているピルは、海外から直送される「未承認薬」です。これらには以下のような致命的なリスクがあります。

  1. 偽造薬の可能性: 成分が含まれていない、あるいは有害な不純物が混入している可能性があります。見た目が本物そっくりでも、中身が別物であるケースが報告されています。
  2. 副作用の救済制度がない: 正規の医療機関で処方された薬で重篤な副作用が出た場合、「医薬品副作用被害救済制度」により国から医療費などの給付が受けられますが、個人輸入した薬はこの制度の対象外です。万が一、血栓症などで入院することになっても、全額自己負担となります。
  3. 品質管理の問題: 輸送中の温度管理などが不適切な場合、薬の成分が劣化している可能性があります。
オンラインピル(オンライン診療)と個人輸入代行サイトの安全性比較図解

オンライン診療と個人輸入(通販)の比較

比較項目オンライン診療(オンラインピル)個人輸入代行(通販サイト)
法的区分正規の医療行為個人の責任による輸入
医師の診察あり(ビデオ通話や電話)なし(カートに入れるだけ)
薬の安全性国内承認薬(品質保証あり)海外製未承認薬(偽物のリスク大)
副作用対応医師に相談可能・救済制度対象相談不可・救済制度対象外
配送国内クリニックから発送海外から発送(到着まで数週間かかることも)

結論として、インターネットでピルを入手する場合、「医師の診察があるかどうか」が安全なサービスを見分ける唯一にして最大のポイントです。診察がないサイトは、どんなに安くても絶対に利用してはいけません。

オンラインで処方してもらえるピルの種類

「オンラインだと、病院で出してもらう薬とは違う簡易的なものになるのでは?」と心配される方もいますが、その心配は無用です。オンライン診療では、対面の婦人科クリニックで扱われているものと全く同じ種類のピルが処方されます。

ピルと一口に言っても、その目的や成分量によっていくつかの種類に分かれます。ここでは、オンライン診療で主に取り扱われている4つのタイプについて解説します。自分の悩みにはどれが合っているのか、イメージしながら読んでみてください。

ピルの種類と主な目的・オンライン対応状況一覧

ピルの種類主な目的服用タイミングオンライン処方
低用量ピル避妊、生理痛緩和、PMS改善、肌荒れ改善毎日1回決まった時間◎(主流)
超低用量ピル月経困難症・子宮内膜症の治療毎日1回決まった時間△(保険適用の場合あり)
中用量ピル生理日移動(旅行・イベントなど)生理をずらしたい期間
アフターピル緊急避妊(性行為後)性行為後72〜120時間以内◎(スピード重視)

低用量ピル(避妊・生理痛改善・PMS対策)

オンライン診療で最も多く処方されているのが、この「低用量ピル(OC)」です。

  • 効果: 排卵を抑制することで避妊を行います。飲み忘れなく正しく服用した場合の避妊効果は99.7%と非常に高いですが、飲み忘れなどを含めた一般的な使用下での成功率は約91〜93%となります。確実な効果を得るためには、毎日の定時服用が重要です。
  • 副効用: ホルモンバランスを整えることで、生理痛の軽減、生理周期の安定、PMS(イライラや落ち込み)の改善、大人ニキビの改善など、女性のQOL(生活の質)を上げる多くのメリットがあります。
  • 種類: 「トリキュラー」「マーベロン」「ラベルフィーユ」「アンジュ」などが代表的です。ホルモンの配合量が一律の「1相性」と、自然なホルモン変動に似せた「3相性」があり、体質に合わせて医師が選定します。

筆者の体験談

「私は以前、生理前のひどいイライラと肌荒れに悩んでいましたが、オンライン診療で相談し、『マーベロン』というピルを処方してもらいました。飲み始めて2ヶ月ほどで肌の調子が安定し、生理前の精神的な落ち込みも驚くほど軽くなりました。『もっと早く始めればよかった』と心から思った瞬間です。」

※個人の感想であり、効果・効能には個人差があります。

アフターピル(緊急避妊薬)

避妊に失敗した、コンドームが破れた、といった緊急事態に使用する薬です。

  • 効果: 性行為後、速やかに服用することで排卵を遅らせたり、受精卵の着床を防いだりして妊娠を回避します。
  • 種類の違い: 一般的に72時間(3日)以内の服用が推奨される「レボノルゲストレル」が主流ですが、120時間(5日)以内まで効果がある「エラ(ウリプリスタル酢酸エステル)」などの種類もあります。
    • ※注意: 「エラ」は2025年現在、日本国内では未承認薬です。一部のオンラインクリニックでは医師の責任において海外から輸入し処方していますが、国内承認薬とは扱いが異なる点(副作用救済制度の対象外など)を理解しておく必要があります。
  • オンラインでの注意点: アフターピルはスピードが命です。服用までの時間が早いほど避妊成功率は高まります。オンライン診療を利用する場合は、「バイク便(都内など)」や「翌日午前着」に対応しているサービスを選ぶ必要があります。配送に2日以上かかるような場合は、迷わず近くの婦人科を受診してください。

中用量ピル(生理日移動など)

旅行、結婚式、受験、スポーツの大会など、大切なイベントと生理が重ならないように、一時的に生理をずらすためのピルです。

  • 使い方: 生理を早める方法と、遅らせる方法の2パターンがあります。
  • 副作用: 低用量ピルに比べてホルモン量が含まれる量が多いため、吐き気などの副作用が出やすい傾向があります。そのため、吐き気止めと一緒に処方されることが一般的です。

超低用量ピル(月経困難症治療など)

低用量ピルよりもさらにエストロゲン(卵胞ホルモン)の配合量が少ないピルです。主に「月経困難症」や「子宮内膜症」の治療薬として処方され、副作用が出にくいのが特徴です。

  • 保険適用について: 超低用量ピル(ルナベル、ヤーズなど)は、治療目的であれば保険適用となるケースが多いです。ただし、オンライン診療サービスの多くは「自由診療(全額自己負担)」をメインとしており、保険適用での処方に対応していない、または対応していても手続きが複雑な場合があります。保険証を使って安く処方してもらいたい場合は、「保険診療対応」を明記しているオンラインクリニックを探すか、近隣の婦人科を受診することをおすすめします。

病院とオンライン、どっちがいい?メリット・デメリット比較

「便利なのはわかるけど、やっぱり病院に行った方が安心かな?」

ここで迷う方は多いはずです。オンライン診療は万能ではありません。対面診療には対面診療の良さがあり、オンラインにはオンラインの良さがあります。

重要なのは、現在のあなたの状況や目的に合わせて使い分けることです。以下の比較表と解説を参考に、どちらが自分に合っているか検討してみてください。

オンラインピル(オンライン診療)と個人輸入代行サイトの安全性比較図解

表2: 婦人科通院 vs オンライン診療 徹底比較

評価軸病院(対面診療)オンライン診療
所要時間半日仕事(移動往復+待ち時間1〜2時間+診察)最短15分(予約時間に通話+診察5分)
手軽さ△ 予約しても待つことが多い スマホがあれば自宅や職場で完結
プライバシー△ 受付や待合室で人と会う 誰にも会わない・見られない
検査 内診、エコー、血液検査が可能× 検査不可(自己採取キット対応の場合あり)
薬の受取 その場で即時受け取り△ 配送待ち(最短翌日〜数日)
コスト初診料+薬代(保険適用可の場合あり)薬代+送料+診察料(自由診療が主)

オンライン診療が向いている人

以下の項目に当てはまる方は、オンライン診療の恩恵を最大限に受けられるでしょう。

  1. とにかく忙しい人: 仕事の休憩時間や、家事の合間、学校終わりの夜間などにサクッと診察を終わらせたい方。多くのオンラインサービスは夜間や土日祝日も対応しています。
  2. 婦人科への心理的ハードルが高い人: 「内診台が怖い」「若いのに婦人科に行くのは恥ずかしい」「知り合いに会いたくない」という方にとって、誰にも顔を合わせずに済むオンライン診療は救世主です。
  3. ピル継続ユーザー: 既にピルを服用していて体に合っていることがわかっており、同じ薬を継続して欲しい方。定期配送サービスを使えば、毎回の診察なしで自動的に薬が届くので、買い忘れ防止になります。
  4. 近くに婦人科がない人: 地方にお住まいで、専門のクリニックまで車で1時間かかるような場合。

病院(対面診療)が向いている人

一方で、以下のような場合は、無理にオンラインで済ませようとせず、必ず対面受診をしてください。

  1. 身体に異変がある人: 不正出血、激しい腹痛、おりものの異常など、明らかに何らかの病気が疑われる場合。これらは内診や超音波検査をしないと原因がわかりません。
  2. 今すぐ薬が必要な人: 「今さっきゴムが破れた!」という緊急避妊の場合、配送を待っていては手遅れになる可能性があります。近くのクリニックに駆け込むのが確実です。
  3. 初めてで検査も受けたい人: ピル服用前には、血栓症リスクを確認するための血液検査や、子宮頸がん検診を受けることが推奨されます。オンラインでも提携機関を紹介してくれることがありますが、最初は対面でしっかり検査を受けてから、2回目以降をオンラインにするという使い方も賢い方法です。

監修者のコメント

「オンライン診療は非常に便利ですが、『検査ができない』という弱点があります。ピルを安全に服用し続けるために、1年に1回は対面での婦人科検診(子宮頸がん検診や超音波検査)を受けることを強く推奨します。普段はオンラインで薬を受け取り、誕生月には検診に行く、というようにサイクルを決めると良いでしょう。」

スマホひとつで完結!利用の具体的な流れ(4ステップ)

では、実際にオンラインピルを利用する場合、どのような手順になるのでしょうか?

「ビデオ通話ってどんなことを話すの?」「部屋が散らかってても大丈夫?」といった素朴な疑問も含めて、予約から薬が届くまでのリアルな流れを4つのステップでシミュレーションします。

オンラインピル処方の4ステップ流れ図解(予約・問診・決済・配送)

Step 1:Web予約と事前問診(所要時間:約3分)

まずは各サービスの公式サイトから診察予約をします。多くのサービスがLINE連携しており、LINEのトーク画面から空いている日時枠(15分単位など)をタップするだけで予約完了です。

予約後、診察前までに「Web問診票」に回答します。これは病院の受付で書く紙の問診票と同じものです。

  • 主な質問項目: 身長・体重、最終月経日、月経周期、喫煙の有無、アレルギーの有無、過去にかかった病気、家族に血栓症の人はいるか、など。
  • ポイント: ここで正確に回答しておくことで、診察時間が短縮され、より安全な処方につながります。嘘をつかずに正直に答えましょう。

Step 2:医師との診察(所要時間:5〜10分)

予約時間になると、医師から着信(LINE通話や専用アプリのビデオ通話)、またはこちらから入室して診察が始まります。

  • ビデオ通話は必須?: 初診の場合は、厚生労働省の指針により原則として「映像あり(ビデオ通話)」が推奨されています。医師が患者の顔色や雰囲気を見て健康状態を確認するためです。ただし、サービスや再診の場合によっては「電話のみ(音声のみ)」や「チャットのみ」で完結するところもあります。「顔出ししたくない」「部屋を見られたくない(背景ぼかし機能やカメラオフ可)」というニーズに対応したサービスも増えています。
  • 診察の内容:
    • 医師「問診票を見ました。生理痛が重いのですね?」
    • あなた「はい、特に2日目が辛いです」
    • 医師「それなら、このお薬が合うと思います。副作用として最初は吐き気が出るかもしれませんが…」
      といった具合に、問診内容の確認と薬の説明、副作用の注意点などが話されます。
  • 雰囲気: 筆者の経験上、オンライン対応の医師は非常にテキパキしており、かつ画面越しなので威圧感も少なく、リラックスして話せることが多いです。質問があればここで遠慮なく聞きましょう。

Step 3:決済(クレジットカード・後払い)

診察が終わり、処方内容が確定すると、決済手続きへ進みます。

  • 支払い方法: クレジットカード決済が一般的ですが、カードを持っていない学生さんなどのために、「コンビニ後払い(NP後払いなど)」や「キャリア決済(ドコモ払いなど)」、「PayPay」などに対応しているサービスも多いです。
  • タイミング: 多くのサービスでは、診察終了後に決済URLが送られてくるか、事前に登録したカードから自動決済されます。

Step 4:配送(最短翌日・プライバシー梱包)

オンラインピルのプライバシー配慮梱包・配送イメージ

決済完了の確認が取れると、最短でその日のうちに薬が発送され、翌日には自宅のポストに届きます(地域や時間帯によります)。

  • 家族にバレない?: ここが一番心配な点かと思いますが、ご安心ください。ほとんどのサービスがプライバシーに徹底配慮した梱包を行っています。
    • 品名: 「サプリメント」「雑貨」「PC周辺機器」「化粧品」などと記載され、「医薬品」「ピル」とは書かれません。
    • 依頼主: クリニック名ではなく、医師の個人名や配送代行会社名になっていることが多いです。
    • 見た目: シンプルな茶封筒や無地の段ボールで、開封するまで中身は分かりません。
  • 受け取り: ネコポスやゆうパケットなどの「ポスト投函」が主流なので、学校や仕事で不在でも受け取れます。また、自宅を知られたくない場合は、ヤマト運輸の営業所留めやコンビニ受け取りを指定できるサービスもあります。

筆者の体験談:初めて届いた時の感動

「初めてオンラインでピルを頼んだ時、本当に翌日の午前中にポストに入っていて感動しました。封筒には『雑貨』としか書かれておらず、実家暮らしの私でも、母に『ネットで買った化粧品だよ』と言ってそのまま部屋に持ち込めました。この手軽さと安心感は、一度体験すると手放せません。」

※個人の感想であり、サービスの仕様は変更になる可能性があります。

費用は高い?オンラインピルの料金相場と内訳

「便利そうなのはわかったけど、結局いくらかかるの? 病院より高いんじゃない?」

お金の話はとても重要です。結論から言うと、単月で見れば病院より数百円高いケースが多いが、交通費や時間を考えるとトータルコストは変わらないか、むしろ安い場合もあるというのが実情です。

ここでは、オンラインピルにかかる費用の内訳と、賢いサービスの選び方について解説します。

料金の内訳(薬代+診察料+送料)

オンラインピルの料金は、主に以下の3つの要素で構成されています。

お薬代:

  • 低用量ピル:2,500円〜3,000円 / 月
  • 中用量ピル・アフターピル:種類によるが3,000円〜10,000円程度
  • ※自由診療のため、クリニックによって価格設定が異なりますが、概ねこの範囲内です。

診察料:

  • 0円〜1,650円 / 回
  • ※「診察料無料」を謳うサービスも多いです。ただし、これは「定期配送コースに申し込むと無料」などの条件付きである場合が多いため、確認が必要です。

送料:

  • 300円〜550円 / 回
  • ※病院に行けばかからない費用ですが、電車代やバス代(往復)と考えれば、実はそこまで高くないかもしれません。

これらに加え、サービスによっては数百円の「システム利用料」がかかる場合があります。

主なオンラインピルサービスの費用内訳シミュレーション

項目Aクリニック(単発購入)Bクリニック(定期配送)近隣の病院(参考)
薬代3,000円2,500円(割引あり)2,500円〜3,000円
診察料1,500円0円(キャンペーン)1,000円〜1,500円(初診・再診料)
送料500円500円0円(交通費別途)
合計5,000円3,000円4,000円 + 交通費

定期配送(サブスク)がお得な理由

多くのオンラインピルサービスが導入しているのが、「定期配送」や「まとめ買い」の仕組みです。

これは、毎月決まった時期に自動で薬が届くシステムで、以下のようなメリットがあります。

  • 価格が安い: 単品購入よりも10〜15%オフになることが多いです。
  • 診察料がかからない: 初回の診察だけで、2回目以降は医師の診察なしで配送されるため、診察料がかかりません(ただし、1年に1回などの再診が必要です)。
  • 飲み忘れ・買い忘れ防止: ピルは毎日飲む薬なので、「薬が切れた!」という事態を防げるのは大きなメリットです。

保険適用はされるの?

ここが最も勘違いしやすいポイントです。

基本的に、避妊やPMS対策などを目的とした低用量ピルの処方は、病院であってもオンラインであっても「自由診療(全額自己負担)」となります。病気の治療ではないとみなされるためです。

一方、「月経困難症」や「子宮内膜症」などの診断がつき、治療薬として処方される場合(超低用量ピルなど)は保険適用となり、3割負担で購入できます。

しかし、オンライン診療で保険適用を受けるには、「オンライン資格確認(マイナンバーカード等)のシステム導入」や「対面診療との連携」など、クリニック側に高いハードルがあります。そのため、現在普及している多くのオンラインピルサービスは利便性を重視し、自由診療に特化しているのが現状です。

オンラインで保険診療に対応しているクリニックはまだ非常に少数です。「どうしても保険適用で安く済ませたい」という場合は、近所の保険医療機関(婦人科)を受診するのが最も確実でスムーズな方法と言えるでしょう。

まとめ:まずは「オンラインピル」で相談してみよう

ここまで、オンラインピルの仕組みや種類、メリット・デメリットについて解説してきました。

オンラインピルは、決して「怪しい通販」ではありません。忙しい現代女性が、自分の体と向き合い、生理トラブルや避妊の悩みから解放されるための「正規の医療への新しいアクセス方法」です。

病院に行く時間がないからといって、生理痛を我慢したり、避妊の不安を抱えたまま過ごしたりする必要はもうありません。スマホさえあれば、休憩時間の15分で医師とつながり、翌日には解決策がポストに届く時代なのです。

もし迷っているなら、まずは一度、診察を受けてみてはいかがでしょうか? 多くのサービスで、診察前の問診や相談は無料、あるいは低価格で提供されています。「自分に合うピルがあるか話を聞いてみるだけ」でも、きっと大きな安心感が得られるはずです。

オンラインピルがおすすめな人の特徴チェックリスト

特徴チェック
□ 平日の日中は仕事や学校で忙しく、病院に行く時間が取れない
□ 婦人科の内診台や、待合室の雰囲気が苦手だ
□ 避妊や生理痛改善のためにピルに興味があるが、何を選べばいいかわからない
□ 家族やパートナーに知られずに、こっそりピルを始めたい
□ 通院の手間をなくして、毎月自動で薬を届けてほしい

一つでもチェックがついたなら、オンラインピルはあなたにとって力強い味方になるでしょう。ぜひ、最初の一歩を踏み出してみてください。

監修者からの最後のメッセージ

「ピルは、女性が自分の人生を主体的にコントロールするための素晴らしいツールです。オンライン診療という入り口を通じて、一人でも多くの女性がご自身の体と向き合うきっかけを持てることを願っています。不安なことがあれば、画面越しでも遠慮なく私たち医師に頼ってくださいね。」

.参考文献・リンク

この記事の監修者

  • 平成16年
    愛知医科大学医学部卒業、愛知医科大学病院 卒後臨床研修医
  • 平成18年
    愛知医科大学病院 小児科入局
  • 平成23年
    愛知医科大学小児科 助教
  • 平成25年
    医療法人和幸会 阪奈中央病院勤務(小児科)
  • 平成29年
    たけつな小児科クリニック開院
  • 日本小児科学会(専門医/指導医)
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児科医会(地域総合小児医療認定医)
  • 日本小児神経学会
  • 日本頭痛学会

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