葉酸サプリを飲まなかった人の不安を解消!影響と今からできる対策を解説

妊娠中の健康維持にはさまざまな栄養素が必要ですが、その中でも葉酸は特に重要だとされています。しかし、
「妊娠前に葉酸を摂るのが大事だと聞いていたけれど、飲んでいなかった」
「妊娠中に葉酸サプリを飲まなかったけれど、赤ちゃんに影響はあるのか」
といった不安を抱える方も少なくありません。
本記事では、葉酸サプリを飲まなかった人が気になる影響やリスク、今からできる対策について詳しく解説します。
さらに、葉酸の働きや食事からの摂取方法、適切なサプリの選び方についても紹介するので、妊娠中や妊娠を考えている方にとって役立つ情報を提供します。
葉酸とは?妊娠における重要な役割
葉酸は、ビタミンB群に属する水溶性ビタミンの一種で、DNAの合成や細胞分裂に関わる重要な栄養素です。特に妊娠期には、胎児の成長や母体の健康維持に不可欠であり、厚生労働省も積極的な摂取を推奨しています。
葉酸の主な働き
葉酸は、胎児の発育と母体の健康維持において、以下のような重要な役割を果たします。
胎児の成長における役割
役割 | 具体的な働き |
---|---|
神経管の正常な形成 | 妊娠4〜6週頃に胎児の神経管(脳や脊髄)が作られ、この時期に葉酸が不足すると無脳症や二分脊椎などの神経管閉鎖障害のリスクが高まる。 |
DNAの合成と細胞分裂の促進 | 胎児の急速な細胞分裂と成長を支え、正常な器官形成に寄与する。 |
胎盤の形成をサポート | 妊娠を維持し、胎児へ必要な栄養を送るために不可欠。胎盤がしっかり機能しないと胎児発育不全や低出生体重児のリスクが高まる。 |
母体の健康維持における役割
役割 | 具体的な働き |
---|---|
赤血球の生成を助ける | 葉酸は鉄分とともに赤血球を作る働きをし、妊娠中の貧血予防に重要。 |
妊娠高血圧症候群のリスク軽減 | 血管を健康に保つ働きがあり、血圧の上昇を防ぐ効果が期待されている。 |
ホモシステイン濃度の調整 | ホモシステインというアミノ酸の濃度が高まると血管に負担をかけるが、葉酸はこれを低下させる作用があり、血栓予防にも役立つ。 |
妊娠前からの葉酸摂取の重要性
妊娠初期(妊娠4〜6週頃)は胎児の神経管が形成される非常に重要な時期ですが、妊娠に気づいたときにはすでにこの期間を過ぎていることが多いため、妊娠を計画している段階から葉酸を意識的に摂取することが推奨されます。
厚生労働省は、妊娠を考えている女性に対し、通常の食事に加えて1日400μgの葉酸サプリメントを摂取することを推奨しています。これは、神経管閉鎖障害のリスクを低減することが科学的に示されているためです。
妊娠中に葉酸サプリを飲まなかった場合のリスク
葉酸は胎児の発育において重要な役割を果たすため、妊娠中に葉酸サプリを摂取しなかった場合、胎児や母体にさまざまなリスクが生じる可能性があります。特に妊娠初期は、神経管の形成や胎盤の発達が行われる時期のため、この段階での葉酸不足は胎児に深刻な影響を与える可能性があります。
胎児への影響
妊娠中に葉酸が不足すると、胎児の発育に必要な細胞分裂やDNA合成が正常に行われず、以下のリスクが高まると考えられています。
リスク | 内容 |
---|---|
神経管閉鎖障害 | 葉酸が不足すると、胎児の脳や脊髄が適切に形成されず、無脳症(脳が正常に発達しない)や二分脊椎(脊髄が露出する)などの神経管閉鎖障害のリスクが上昇する。 |
胎児発育不全・低体重児 | 胎盤の発達が不十分になることで、胎児が十分な栄養を得られず、発育不全や低出生体重児(出生時の体重が2500g未満)のリスクが高まる。 |
先天性心疾患のリスク | 一部の研究では、妊娠中の葉酸摂取が不足すると、胎児の心臓の形成に影響を及ぼす可能性が指摘されている。 |
口唇口蓋裂の可能性 | 葉酸が不足すると、胎児の顔面や口の形成に影響を与え、口唇裂・口蓋裂のリスク |
母体への影響
葉酸は胎児だけでなく、母体の健康維持にも重要な栄養素です。妊娠中に葉酸が不足すると、母体にも以下のリスクが生じる可能性があります。
リスク | 内容 |
---|---|
貧血のリスク増加 | 葉酸は赤血球の生成に関与しており、不足すると妊娠中の貧血を引き起こす可能性がある。貧血はめまいや疲労感、動悸を引き起こし、妊娠中の体調管理を困難にする。 |
妊娠高血圧症候群のリスク | 葉酸が不足すると血管の健康が損なわれ、妊娠高血圧症候群(妊娠中の高血圧やむくみ、タンパク尿を伴う症状)の発症リスクが高まるとされている。 |
早産・胎盤早期剥離の可能性 | 胎盤が適切に形成されず、早産(妊娠37週未満での出産)や、胎盤が子宮から剥がれてしまう胎盤早期剥離のリスクが高くなる。 |
ホモシステイン値の上昇 | 葉酸が不足するとホモシステイン(血液中のアミノ酸)の濃度が高くなり、血栓ができやすくなる。これにより、血流が悪化し、胎盤や母体の血管に影響を及ぼす可能性がある。 |
実際に葉酸サプリを飲まなかった人の体験談
葉酸サプリを飲まなかったことで不安を感じた人や、途中から葉酸の重要性に気づいた人の体験談を紹介します。
体験談①:妊娠初期に葉酸を摂らずに不安を感じたケース
Aさん(30代女性)
「妊娠がわかったとき、葉酸を摂るのが大切だということを知らず、妊娠3か月までサプリを飲んでいませんでした。調べるうちに『神経管閉鎖障害のリスクが高まる』と知って、不安になり、すぐに産婦人科で相談しました。先生からは『妊娠初期に摂るのが理想だけど、中期・後期も葉酸は大事だから、今からでも摂取したほうがよい』と言われて安心しました。それからは食事とサプリを意識して摂るようにしました。」
◆専門家の見解
厚生労働省の推奨によると、妊娠初期に葉酸を摂取することが重要とされていますが、妊娠中期・後期でも胎児の発育や母体の健康維持に葉酸は必要とされています。妊娠に気づくのが遅れた場合も、焦らずに今から摂取を始めることが大切です。
体験談②:食事だけで葉酸を摂っていたが不足に気づいたケース
Bさん(20代女性)
「妊娠前から食生活には気をつけていたので、葉酸サプリは飲まず、食事だけで十分だと思っていました。でも妊娠5か月のとき、血液検査で貧血気味だと指摘されました。医師から『妊娠中は食事だけで必要量を補うのは難しいので、葉酸サプリも活用するとよい』とアドバイスを受けました。それからサプリを取り入れたら、体調も安定してきました。」
◆専門家の見解
食事から葉酸を摂取することは大切ですが、葉酸は水溶性で熱に弱いため、調理によって減少しやすい栄養素です。妊娠中は1日480μgの葉酸が推奨されており、食事だけでは不足する可能性が高いため、サプリメントの活用が勧められています。
体験談③:妊娠前から葉酸を摂っていたケース
Cさん(40代女性)
「2人目の妊娠だったので、1人目のときに『妊娠前から葉酸を摂るのが大切』と聞いていたため、妊活中から葉酸サプリを飲んでいました。妊娠がわかったときも、すでにサプリを習慣にしていたので安心感がありました。医師にも『理想的なタイミングで摂取できていますね』と言われました。」
◆専門家の見解
厚生労働省では、妊娠を計画している女性は妊娠前から葉酸サプリを摂取することが望ましいと推奨しています。これは、妊娠が発覚したときには、すでに胎児の神経管が形成され始めているため、事前の摂取が胎児の健康にとって重要だからです。
リスクを軽減するためにできること
葉酸が不足していた場合でも、妊娠中期・後期からの摂取でリスクを軽減できる可能性があります。以下の点を意識して、今からできる対策を実践しましょう。
- 食事からの葉酸摂取を意識する(ほうれん草、レバー、枝豆など)
- 葉酸サプリメントを適量摂取する(モノグルタミン酸型葉酸を選ぶ)
- 医師や専門家に相談し、自分に合った摂取方法を確認する
葉酸不足の影響は胎児の発育だけでなく、母体の健康にも関わるため、妊娠期間を通じて意識的に摂取することが重要です。
専門家の見解と葉酸の重要性
葉酸の摂取は、妊娠中の母体や胎児の健康に大きく関わることが、さまざまな研究機関や専門家によって示されています。特に、神経管閉鎖障害のリスク低減や妊娠合併症の予防において、葉酸の役割は重要です。
葉酸摂取が神経管閉鎖障害のリスクを低減する科学的根拠
神経管閉鎖障害(無脳症や二分脊椎)は、胎児の脳や脊髄の発達異常を引き起こす疾患ですが、妊娠前からの適切な葉酸摂取により、そのリスクを軽減できることが明らかになっています。
- アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の調査
1990年代の研究によると、妊娠前および妊娠初期に葉酸を十分に摂取した女性では、神経管閉鎖障害の発症リスクが約70%低減したと報告されています。 - 世界保健機関(WHO)の推奨
WHOも、妊娠可能な年齢の女性に対し、毎日400μgの葉酸を摂取することを推奨しており、胎児の発達異常を予防する重要な栄養素と位置づけています。
葉酸摂取と妊娠率・流産率・産後うつの関係
葉酸は胎児の発育だけでなく、妊娠の成立や妊娠後の母体の健康維持にも重要な役割を果たします。近年の研究では、葉酸を適切に摂取することで以下のメリットがあることがわかってきています。
妊娠率の向上
葉酸は細胞の生成と再生を助ける栄養素であり、妊娠の成立に関与していると考えられています。
葉酸が不足すると、受精卵の着床率が低下する可能性があるため、妊活中の女性は特に摂取を意識することが推奨されます。
流産率の低下
流産の原因はさまざまですが、葉酸は胎盤の健康維持や遺伝情報の安定化に関与しており、葉酸を適切に摂取している女性は、流産のリスクが低いことが報告されています。
一方で、葉酸不足が流産のリスクを高める可能性も指摘されており、妊娠初期だけでなく、妊娠中期・後期も継続的な摂取が推奨されます。
産後うつの軽減
葉酸は、神経伝達物質の合成に関与し、精神の安定に影響を与えることが知られています。
産後うつはホルモンバランスの変化に加え、栄養不足も要因の一つと考えられています。葉酸を十分に摂取している女性は、産後うつのリスクが低いという研究もあり、妊娠期だけでなく、授乳期にも葉酸を意識的に摂取することが望ましいとされています。
厚生労働省が定める葉酸の推奨摂取量
日本の厚生労働省は、妊娠期における葉酸の必要量を明確に示し、適切な摂取を推奨しています。
期間 | 1日の推奨摂取量(食事由来) | 追加摂取推奨量(サプリ等) |
---|---|---|
妊娠前(妊活中) | 240μg | 400μg |
妊娠初期(0~3か月) | 240μg | 400μg |
妊娠中期・後期 | 480μg | 必要に応じて追加 |
授乳期 | 340μg | 必要に応じて追加 |
厚生労働省は、妊娠を計画している女性は妊娠前から葉酸サプリメントを摂取することが望ましいとしています。これは、妊娠が発覚した時点ではすでに神経管の形成が進んでいるため、妊娠前からの摂取が胎児の健康にとって重要だからです。
妊娠期だけでなく授乳期にも葉酸が必要な理由
葉酸は妊娠中だけでなく、産後の母体と赤ちゃんの健康にも関与します。
- 母乳を通じて赤ちゃんの成長をサポート
授乳期の葉酸摂取は、母乳を通じて赤ちゃんに必要な栄養を届ける役割を果たします。葉酸が不足すると、赤ちゃんの発育に影響を及ぼす可能性があります。 - 産後の貧血予防
産後は血液量が減少し、貧血になりやすい時期です。葉酸は赤血球の生成を助けるため、産後の体調回復をサポートします。 - 妊娠中の疲労回復
葉酸にはエネルギー代謝を助ける働きがあり、産後の疲れや体力回復を促す効果も期待できます。
今からできること:葉酸の摂取方法
妊娠が発覚してから葉酸サプリを飲んでいなかった場合でも、今から意識的に摂取することで、母体の健康をサポートし、胎児の発育を助けることができます。葉酸は食事から摂取することも可能ですが、効率よく補うためには食事とサプリメントの併用が推奨されています。
食事からの葉酸摂取
葉酸はさまざまな食品に含まれていますが、水溶性ビタミンで加熱に弱いため、調理方法を工夫することが大切です。
葉酸を多く含む食品(100gあたりの含有量)
食品 | 葉酸含有量(μg) | 特徴 |
---|---|---|
鶏レバー | 1300 | 非常に高いが、ビタミンAの過剰摂取を避けるため妊娠中は適量に。 |
ほうれん草(茹で) | 110 | 加熱すると葉酸が一部失われるため、蒸し調理やスープに活用するのがおすすめ。 |
ブロッコリー(茹で) | 120 | ビタミンCや食物繊維も豊富で妊娠中に最適。 |
アボカド | 80 | 加熱せずに摂取できるので葉酸の吸収率が高い。 |
枝豆(茹で) | 260 | 手軽に食べられ、タンパク質も豊富。 |
食事から葉酸を摂取する際のポイント
- 生で食べられる食品(アボカドなど)を活用する
- 茹でるよりも蒸す・電子レンジ加熱を活用する
- 毎日の食事に少しずつ葉酸を取り入れる
しかし、食事だけで1日に必要な量(480μg)を摂取するのは難しいため、不足分をサプリメントで補うことが推奨されます。
葉酸サプリの活用
厚生労働省では、妊娠中の女性に対し、食事に加えてサプリメントからも1日400μgの葉酸を追加摂取することを推奨しています。
葉酸サプリを活用するメリット
- 必要な葉酸量を効率よく補える
- 加熱や調理による栄養損失の心配がない
- 食事のバランスを気にせずに安定して摂取できる
特に妊娠中期・後期も葉酸の摂取は推奨されており、胎盤の形成や赤血球の生成に重要な役割を果たします。ただし、過剰摂取には注意が必要なため、サプリメントの用量は適量を守ることが大切です。
葉酸サプリメントの選び方
葉酸サプリメントは種類が多く、どれを選べばよいか迷う方も多いのではないでしょうか。特に初めて葉酸サプリを選ぶ方は、何を基準に選べばよいのか分かりにくいものです。
妊娠中は体に取り入れる成分に気を配ることが重要なため、安全性や成分をしっかり確認して選びましょう。
葉酸サプリを選ぶ際のポイント
サプリメントを選ぶ際には、以下のポイントを基準にすると安心です。
選び方のポイント | 重要な理由 |
---|---|
吸収率の高い葉酸を選ぶ | モノグルタミン酸型葉酸は、食品由来のポリグルタミン酸型よりも吸収率が高い。 |
添加物が少ないものを選ぶ | 不要な増量剤・人工甘味料・着色料・香料が含まれていないかチェック。 |
葉酸以外の栄養素が含まれているか確認 | ビタミンB群・鉄分・カルシウムなど、妊娠中に不足しやすい栄養素を含んでいるか。 |
国内製造のものを選ぶ | 品質管理が厳しく、安全性が確保されている国産製品が安心。 |
継続しやすい価格かどうか | 毎日摂取するため、無理なく続けられる価格帯のものを選ぶ。 |
飲みやすさを確認 | 錠剤の大きさや匂いが負担にならないか確認。つわりがある場合は特に重要。 |
葉酸の種類と含有量
葉酸には、以下の2種類があり、サプリメントに含まれる葉酸の種類を確認することが大切です。
葉酸の種類 | 特徴 |
---|---|
モノグルタミン酸型葉酸 | 吸収率が高く、厚生労働省が推奨する葉酸の形態。 |
ポリグルタミン酸型葉酸(食品由来) | 吸収率が低く、サプリメントとしては効率が悪い。 |
サプリメントのパッケージに「モノグルタミン酸型葉酸」「合成葉酸」などの記載があるものを選ぶと、効率よく葉酸を摂取できます。
避けるべき添加物
葉酸サプリを選ぶ際には、以下の添加物が含まれていないか確認することも重要です。
- 合成着色料(見た目をよくするために使用されるが、不要な成分)
- 人工甘味料(味を調整するために添加されるが、妊娠中は避けたい成分)
- 過剰な増量剤(サプリの形状を保つために添加されるが、余分なものは極力避ける)
特に海外製のサプリメントは、日本の基準とは異なる成分が含まれていることがあるため、成分表示をよく確認しましょう。
葉酸に関するQ&A
葉酸に関して、妊娠中の方が気になる疑問に答えていきます。
Q.葉酸はたくさんとればとるほどいい?
葉酸は胎児の発育に必要な栄養素ですが、過剰に摂取すると体内に蓄積され、副作用を引き起こす可能性があります。特に、1日1000μg以上の摂取はビタミンB12欠乏症の診断を遅らせる可能性があるため、推奨摂取量(400〜480μg)を守ることが重要です。
Q.妊娠後期に葉酸をとりすぎると赤ちゃんが喘息になる?
一部の研究で、妊娠後期に葉酸を過剰摂取すると赤ちゃんの喘息リスクが高まる可能性が指摘されています。しかし、因果関係はまだ完全には証明されておらず、適量(1日480μg程度)を守れば問題ないとされています。必要以上に過剰摂取しないことが大切です。
Q.妊娠中はどんな葉酸サプリを選べばいい?
以下のポイントを押さえたサプリを選ぶとよいでしょう。
- モノグルタミン酸型葉酸を含むもの(吸収率が高い)
- 鉄分・ビタミンB群・カルシウムなど妊娠中に必要な栄養素が含まれているもの
- 添加物が少ないもの(人工甘味料・着色料・保存料が無添加)
- 飲みやすく、続けやすいもの
Q.サプリメントは高額なので、安い海外製品でもいい?
海外製のサプリメントには、日本の基準では使用が認められていない添加物や、成分量が日本の推奨値と異なる場合があります。特に、葉酸含有量が1000μg以上含まれているものもあるため、過剰摂取のリスクがあります。安全性を重視するなら、国内製造で品質管理が徹底された製品を選ぶことをおすすめします。
Q.葉酸サプリはいつ飲むのが効果的?
葉酸は水溶性ビタミンなので、基本的に食事の前後どちらでも摂取可能です。吸収率を高めるためには、朝食後や昼食後に水と一緒に飲むのがよいでしょう。ただし、摂取タイミングよりも毎日継続することが重要です。
Q.葉酸サプリは男性も飲んだ方がいい?
葉酸は精子のDNA形成にも関与しており、男性が摂取することで精子の質の向上に役立つ可能性が指摘されています。妊活中のカップルは、男性も積極的に葉酸を摂取するとよいでしょう。
Q.ドラッグストアで購入できる?
市販の葉酸サプリメントは、多くのドラッグストアやオンラインショップで購入できます。ただし、成分や含有量が異なるため、購入前に成分表を確認し、適切なものを選びましょう。
Q.葉酸摂取と子どもの発達障害(自閉スペクトラム症・ADHD)の関係は?
近年の研究では、妊娠中に適量の葉酸を摂取することで自閉スペクトラム症のリスクが低減する可能性が示唆されています。ただし、過剰摂取が逆にリスクを高める可能性も指摘されているため、適正量を守ることが大切です。
まとめ:後悔よりも今できることを
妊娠初期に葉酸サプリを飲まなかったとしても、過度に不安を抱える必要はありません。葉酸は妊娠初期だけでなく、中期・後期や授乳期にも重要な栄養素であり、今からでも適切な方法で摂取を始めることが大切です。
今からできること
対策 | ポイント |
---|---|
食事とサプリメントの併用 | 葉酸を多く含む食品(ほうれん草、レバー、ブロッコリーなど)を意識的に取り入れ、不足分をサプリメントで補う。 |
適切な葉酸サプリの選択 | モノグルタミン酸型葉酸を含み、添加物が少ない安全なサプリメントを選ぶ。 |
日々の継続が大切 | 葉酸は水溶性ビタミンのため、一度に大量摂取するよりも毎日適量を摂ることが重要。 |
不安があれば医師や専門家に相談 | 自分の体調や食生活に合った摂取方法を相談し、安心して妊娠生活を送る。 |
妊娠中は体調の変化が大きく、栄養面でも気になることが多くなります。しかし、焦らずに今からできることを実践することで、母体の健康と胎児の健やかな成長をサポートすることができます。葉酸の摂取について不安がある場合は、かかりつけの医師や専門家に相談し、適切な方法を見つけることをおすすめします。
葉酸が摂取できるおすすめのレシピ
妊娠前や妊娠中は、葉酸の摂取が推奨されています。ここでは、日々の食事で無理なく葉酸を取り入れられる、葉酸を豊富に含む食材を使ったレシピをご紹介します。
レシピの活用方法
- さっぱりと食べたいとき→「アボカドとほうれん草のサラダ」(つわりがあるときでも食べやすい)
- 栄養バランスをしっかり取りたいとき→「ブロッコリー枝豆ポタージュ」(葉酸に加え、鉄分やタンパク質も補える)
- 主食でしっかり摂取したいとき→「コーンと枝豆の炊き込みご飯」(忙しいときにも作り置きできる)
アボカドとほうれん草のサラダ
葉酸量:約130μg
材料(2人分)
- ほうれん草…50g(約60μgの葉酸)
- アボカド…1/2個(約50μgの葉酸)
- プチトマト…4個(約20μgの葉酸)
- レモン汁…小さじ1
- オリーブオイル…大さじ1
- 塩・こしょう…少々
作り方
- ほうれん草はゆでて、水で冷やし、ザルで水を切る。3㎝長さに切る。
- アボカドは皮をむき、種を取り、一口大に切る。
- トマトは6等分か8等分のくし切りにし、横に半分にする。
- オリーブオイル・レモン汁・塩コショウを混ぜておく。
- 1.2.3.をボウルに入れ、4.のドレッシングを回しかけてなじませる。
ポイント
- 茹でると葉酸が減少するため、スープにする・蒸す・電子レンジ加熱を活用すると、葉酸の損失を最小限にできる。※生のほうれん草の場合、葉酸が約140%増える。
- アボカドは生で食べられるため、葉酸の吸収を最大限にできる。
- つわりがあるときでも食べやすく、さっぱりした味なので取り入れやすい。
ブロッコリー枝豆ポタージュ
葉酸量:約380μg
材料(2人分)
- ブロッコリー…1/2株(約120μgの葉酸)
- 絹ごし豆腐…150g(約20μgの葉酸)
- 枝豆(鞘付き)…150g(約230μgの葉酸)
- 玉ねぎ…1/2個(約10μgの葉酸)
- だし汁…300ml
- 牛乳…100ml
- 塩・こしょう…少々
- パセリ…少々
作り方
- ブロッコリーは小房に分け、電子レンジ(600W)で1分加熱する。
- 玉ねぎは薄切りにし、鍋で軽く炒める。
- だし汁と豆腐を加え、ミキサーでなめらかにする。
- 鍋に戻し、牛乳を加えて温める。
- 塩・こしょうで味を調える。
ポイント
- ブロッコリーは茹でずに電子レンジで加熱し、葉酸の流出を防ぐ
- 豆腐を加えることで、葉酸に加えてタンパク質も補給
※枝豆(鞘付き)…150gは可食部(さやを除いた部分)を約60%の90gとして計算
参照:COOKPAD「食べるスープ:ブロッコリー枝豆ポタージュ」
コーンと枝豆の炊き込みご飯
葉酸量:約320μg
材料
- ご飯…2合
- コーン・・・50g(約55μgの葉酸)
- 冷凍の枝豆…100g(約260μgの葉酸)
- ツナ缶…1缶(約5μgの葉酸)
- ポン酢…50ml
- ごま油…大さじ2
- 塩昆布…約10g
作り方
- 2合の米と枝豆、コーン、ツナを入れる。
- ポン酢をツナの缶分加えるて炊飯。
- 炊き上がったら、塩昆布、ごま油を入れて混ぜる。
- お好みで、海苔、ネギ、ゴマ等ふりかけて。
ポイント
- 枝豆は電子レンジで解凍することで、葉酸の損失を防ぐ
- ツナを加えることで、タンパク質とDHAも摂取できる
- 忙しい時にも作り置きできる
アボカドと納豆の和風丼
葉酸量:約200μg
材料(2人分)
- アボカド…1個(約120μgの葉酸)
- 納豆…1パック(約50μgの葉酸)
- トマト(小さめ)…1個(約30μgの葉酸)
- 醤油…小さじ2
- わさび…少々
- きざみ海苔…少々
- わさび醤油(わさび+醤油)…適量
作り方
- アボカドは種を取って皮をむき、一口サイズに切る。トマトは種を取り、一口サイズに切る。
- ボウルに納豆・1.・醤油とわさびを入れてスプーンで和えて白ごはんに乗せる。(アボを軽く潰しながら)
- きざみ海苔をかけて完成!食べる時に、わさび醤油を(お好みの量)かけて下さい。
ポイント
- 火を使わず、葉酸を損なわずに摂取できる。
- 納豆には腸内環境を整える働きもあるため、妊娠中の便秘予防にも◎。
まずは、手軽に作れるレシピから取り入れてみましょう。サラダやスムージーなら調理の手間も少なく、忙しい日でも簡単に葉酸を摂取できます。毎日の食事に葉酸を意識し、バランスよく取り入れることで、健康的な食生活を実践しましょう。
参考文献
本記事の執筆にあたり、以下の文献を参考にしました。
厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)「FolicAcidandBirthDefects」
世界保健機関(WHO)「Guidelinesonfolatesupplementationinpregnancy」
日本栄養・食糧学会「葉酸の生理機能と摂取基準」
国立成育医療研究センター「妊娠と栄養」
日本医師会「葉酸の摂取と健康への影響」