中学生のためのピル安心スタートブック!値段・もらい方・副作用の不安ゼロへ

「ピルって聞いたことあるけど、なんだかちょっと怖い…」「生理の悩みを解決したいけど、誰に相談すればいいかわからない…」 もしかしたら、今あなたはそんな風に、ピルについて気になりながらも、一人で悩んだり不安を感じたりしているかもしれませんね。生理痛がひどくて学校を休んでしまったり、大事な修学旅行やテストと生理が重なりそうで心配になったり、あるいは避妊についてちゃんと考えたいと思っていたり…。中学生の皆さんにとって、生理や体のことは本当にデリケートで大切な問題です。
【この章でわかること】
- この記事を読むことで、ピルに関するあなたの疑問や不安がどのように解消されるか
- この記事が信頼できる情報源に基づいていること
- ピルについて知ることが、あなたの毎日をどう良くする可能性があるか
この記事を読み終える頃には、ピルについての正しい知識が身につき、もしかしたら「ピルって、私の悩みを解決してくれるかもしれない!」と前向きな気持ちになれるはずです。この記事は、小児科医が監修しており、信頼できる情報をお届けすることをお約束します。安心して読み進めてくださいね。
そもそも「ピル」ってどんなお薬? – 基本のキをわかりやすく解説!
ピルとは、主に女性ホルモン(エストロゲンとプロゲスチンという2種類のホルモン)が、体に優しく作用するように少量ずつ含まれているお薬のことです。これを毎日決まった時間に飲むことで、体の中のホルモンバランスを穏やかに整えたり、排卵(卵巣から卵子が飛び出すこと)を一時的にお休みさせたりする働きがあります。
【この章でわかること】
- ピルがどのような仕組みで体に作用するのか(ホルモンとの関係)
- ピルが使われる主な目的(生理のトラブル改善、避妊など)
- この記事で主に説明する「低用量ピル」とは何か
その結果、ピルは生理に関する様々な悩みを軽くしたり、望まない妊娠を防いだりすることができるのです。この記事で主に説明するのは「低用量ピル」と呼ばれる種類で、以前のピルに比べて含まれるホルモンの量が少ないため、体への負担がより少なく、副作用も比較的軽いとされています。
ピルは、多くの女性にとって心強い味方になってくれるお薬ですが、効果をしっかり得るため、そして安全に使うためには、ピルについて正しく理解し、必ずお医者さんの指示通りに使うことが何よりも大切です。この機会に、ピルの基本を一緒に学んでいきましょう。
ピルの種類と嬉しい効果 – 私にはどんなメリットがあるの?
ピルと一言で言っても、実はいくつか種類があり、それぞれ期待できる効果も少しずつ異なります。ここでは、中学生の皆さんに関係の深いピルの種類と、ピルを飲むことで期待できる嬉しい効果(メリット)について見ていきましょう。
ピルにはどんな種類があるの? – 知っておきたい基本
中学生の皆さんが関係する可能性のあるピルには、主に「低用量ピル」と呼ばれるものがあり、その目的によって大きく2つに分けられることを覚えておくと良いでしょう。それが「LEP(レップ)」と「OC(オーシー)」です。
- LEP(Low Dose Estrogen Progestin:低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)
- これは主に、月経困難症(生理痛がひどい状態)や子宮内膜症といった病気の「治療」のために使われるピルです。お医者さんの診断によって、健康保険が使える場合があります。
- OC(Oral Contraceptives:経口避妊薬)
- こちらは主に、「避妊」のために使われるピルです。病気の治療が目的ではないため、基本的には健康保険がきかず、自費診療となります。月経移動(生理の日をずらす)の目的で使われることもあります。
【LEPとOCの主な違い】
種類 | 主な目的は? | 保険は使える? | どこでもらえる? |
---|---|---|---|
LEP | 生理痛などの「治療」 | 使えることアリ(医師判断) | 産婦人科などお医者さんの処方が必要 |
OC | 「避妊」や「生理日をずらす」 | 使えない(自費) | 産婦人科などお医者さんの処方が必要 |
アフターピル | 緊急の避妊 | 使えない(自費) | 産婦人科などお医者さんの処方が必要 |
ピルには、含まれるホルモンの種類や量によって、さらに細かい分類(例えば、第1世代〜第4世代といった分け方や、1相性、段階型といったお薬のタイプ)がありますが、これは少し専門的になります。「お薬の種類はいくつかあって、お医者さんがあなたに一番合ったものを選んでくれるんだな」と理解しておけば大丈夫ですよ。
また、「アフターピル(緊急避妊薬)」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは毎日飲む低用量ピルとは全く違う種類のお薬です。避妊に失敗したかもしれない時に、緊急的に飲むもので、日常的に使うものではありません。この違いは、しっかり覚えておきましょう。
ピルを飲むと、どんないいことがあるの?(期待できる主な効果・メリット)
ピルを正しく飲むことで、中学生の皆さんが抱える様々な悩みが解決に向かう可能性があります。具体的にどんな嬉しい効果が期待できるのか、主なものをリストアップしてみましょう。詳しい内容は、後の「目的別!ピルの賢い使い方」の章でも説明しますね。
- つらい生理痛が和らぐ
- 生理の出血量が少なくなる
- 毎月の生理がいつ来るか予測しやすくなる
- 生理前のイライラや体調不良(PMS)が軽くなる
- ニキビが改善されることがある
- 子宮内膜症の予防や進行を抑える効果が期待できる
- 正しく飲めば、高い確率で望まない妊娠を防ぐことができる
- 大切な予定と生理が重ならないように、生理の日を安全にずらすことができる
これらの効果によって、勉強や部活動に集中できたり、生理のことを気にせずに友達と楽しく過ごせたりと、あなたの日常生活の質(QOL:クオリティ・オブ・ライフ)がぐっと向上する可能性があります。

中学生がピルを飲むのは本当に大丈夫? – 安全性と副作用について知っておこう
「ピルっていろんな良いことがあるのはわかったけど、中学生が飲んでも本当に大丈夫なの?」「副作用が怖い…」そう思うのは当然のことです。ここでは、ピルの安全性と副作用について、皆さんが一番心配な点にしっかりお答えしていきます。
【この章でわかること】
- 中学生がピルを飲むことの基本的な安全性について
- ピルで起こりやすい副作用の種類、期間、対処法
- 特に注意が必要な副作用「血栓症」とそのサイン
まず一番大切なことは、お医者さんの診察を受けて、指示通りに正しく服用すれば、ピルは中学生にとっても基本的には安全なお薬であるということです。自己判断で勝手に飲んだり、友達からもらったりするのは絶対にダメです。必ずお医者さんに相談して、あなたの体の状態に合ったピルを処方してもらいましょう。
そして、どんなお薬にも副作用の可能性はあります。ピルも例外ではありません。だからこそ、どんな副作用があるのか、どう対処すればいいのかを事前に知っておくことが、安心してピルと付き合っていくためにとても重要になります。
ピルでよくある副作用ってどんなもの? – いつまで続くの?対処法は?
ピルの副作用は、誰にでも必ず出るわけではありませんし、出たとしても、その多くは飲み始めの1〜3ヶ月くらいで体がピルに慣れてきて、自然に軽くなったり、なくなったりすることがほとんどです。だから、飲み始めてすぐに「合わないかも…」と諦めずに、少し様子を見ることも大切です(もちろん、つらい場合は我慢せずにお医者さんに相談してくださいね)。
比較的起こりやすい副作用(これらを「マイナートラブル」と呼ぶこともあります)と、その対処のヒントを下の表にまとめてみました。
【ピルの主なマイナートラブルと対処のヒント】
副作用の種類 | どんな感じ? | いつ頃まで? | 対処のヒント(医師相談が前提) |
---|---|---|---|
吐き気、むかつき | 胃がムカムカする、少し気持ち悪い | 飲み始めの数日~数週間 | 食後や就寝前に服用する、軽い食事を心がける |
頭痛 | ズキズキ、じんわりとした痛み | 飲み始めの数日~数週間 | 軽い場合は市販の鎮痛剤(医師確認)、ひどい場合は受診 |
乳房の張り・痛み | 胸が張って少し痛い、触ると敏感 | 飲み始め~数ヶ月 | 締め付けない下着を選ぶ、様子を見る |
不正出血 | 生理以外の少量の出血、茶色いおりもの | 飲み始め~3ヶ月くらい | 量が少ないなら様子見、多い・続くなら受診 |
気分の変化 | なんとなく落ち込む、イライラしやすい、涙もろい | 飲み始め~数ヶ月 | リラックスする時間を取る、十分な睡眠、ひどい場合は医師に相談 |
だるさ・眠気 | 体が重い感じ、日中眠い | 飲み始めの数週間 | 無理せず休息を取る、生活リズムを整える |
これらの副作用は、体がピルに含まれるホルモンに慣れる過程で起こることが多いです。もし副作用がつらいと感じる場合は、我慢せずに処方してもらったお医者さんに相談しましょう。ピルの種類を変えたり、服用時間を工夫したりすることで改善することもあります。
【すごく大事!】まれだけど注意が必要な「血栓症」って何?
ピルの副作用の中で、頻度は非常にまれ(数千人〜数万人に一人程度と言われています)ですが、最も注意が必要なものに「血栓症(けっせんしょう)」があります。これは、血管の中に血の塊(血栓)ができてしまい、血管が詰まってしまう病気です。足の血管にできやすいですが、まれに肺や脳、心臓などの血管に飛んでしまうと、命に関わることもあります。
脅かすつもりはありませんが、このリスクについては正しく知っておくことが、万が一の時に自分の身を守るためにとても大切です。以下の様な症状(「ACHES(エイクス)」と覚えると便利です)が突然現れた場合は、すぐにピルの服用を中止し、救急病院を受診するか、ピルを処方してくれたお医者さんに必ず連絡してください。
- Abdominal pain (アブドミナル ペイン): 激しいお腹の痛み
- Chest pain (チェスト ペイン): 激しい胸の痛み、息苦しさ、押しつぶされるような痛み
- Headaches (ヘッドエイクス): 激しい頭痛、今まで経験したことのないような頭痛
- Eye problems (アイ プロブレムズ): 目のかすみ、見えにくい、舌がもつれて話しにくい
- Severe leg pain (シビア レッグ ペイン): ふくらはぎのむくみ・痛み・赤み・しびれ(特に片足だけ)

血栓症のリスクは、ピルを飲み始めてから最初の3ヶ月〜1年以内が特に高いと言われています。また、喫煙する人、肥満気味の人、脱水状態の時、長時間同じ体勢でいることが多い人(例えば、長時間の飛行機移動、試験勉強で長時間座りっぱなし、ゲームで長時間同じ姿勢でいることなども注意が必要です)、家族に血栓症になったことがある人がいる場合は、リスクが少し高まることが知られています。特に、喫煙は血栓症のリスクを大幅に高めるため、ピルを飲む場合は絶対に禁煙が必要です。
中学生の皆さんは、一般的に血栓症のリスクは低い年代ですが、ゼロではありません。お医者さんは、ピルを処方する前に、こういったリスクについてもしっかり説明し、あなたが安全にピルを使えるかどうかを判断してくれます。
中学生が特に心配なことQ&A(体への影響編)
ピルが体に与える影響について、中学生の皆さんからは特に心配な声を聞くことがあります。ここでは、よくある質問にお答えします。
- Q1. ピルを飲むと太るって聞きました…。本当ですか?
- A1. 「ピルを飲むと太る」というイメージを持っている人は多いかもしれませんが、現在の低用量ピルでは、ピル自体が原因で体重が大幅に増えるという医学的な証拠はほとんどありません。 飲み始めにホルモンバランスの変化で一時的にむくみを感じたり、食欲が少し増したりすることはあるかもしれませんが、多くの場合、それは一時的なもので、体が慣れると自然に落ち着きます。大切なのは、ピルを飲んでいるからといって油断せず、バランスの取れた食事と適度な運動を心がけることです。もし体重の変化が気になる場合は、遠慮なくお医者さんに相談しましょう。
- Q2. ピルを飲むと身長が伸びなくなるって本当?成長に影響はありますか?
- A2. これもよく心配されることですね。結論から言うと、低用量ピルが身長の伸びを直接的に止めてしまうという、はっきりとした医学的な証拠はありません。 骨の成長は、初経(初めての生理)が始まってから数年でほぼ終わると言われており、その時期を過ぎてからピルを飲み始めるのであれば、身長への影響はほとんどないと考えられています。ただし、まだ成長の途中である場合は、お医者さんもその点を十分に考慮してピルを処方するかどうかを判断します。もしあなたが身長のことを心配しているのであれば、その気持ちを正直にお医者さんに伝えて、よく相談することがとても大切です。
- Q3. ピルを長く飲み続けると、将来、赤ちゃんができにくくなったりしませんか?
- A3. いいえ、そのようなことはありませんので安心してください。ピルの服用をやめれば、多くの場合、数ヶ月以内に自然な排卵と生理が戻り、妊娠する能力も元に戻ると考えられています。 むしろ、ピルを服用することで、将来不妊の原因になることもある子宮内膜症などの病気を予防したり、進行を抑えたりする効果が期待できるため、将来の妊娠にとって良い影響をもたらす場合もあります。
- Q4. ピルを飲むとニキビが悪化することもあるって聞きました。
- A4. 多くの場合は、ピルに含まれるホルモンの働きによって、ニキビの原因となる男性ホルモンの影響を抑えることで、ニキビが改善する効果が期待できます。実際に、ニキビ治療のためにピルが処方されることもあります。しかし、ごくまれに、ピルの種類やあなたの体質によっては、飲み始めに一時的にニキビが悪化したように感じる人もいるかもしれません。もしニキビのことが気になる場合は、皮膚科のお医者さんとも相談しながら、ピルの種類を調整することも含めて、処方してくれたお医者さんに相談してみましょう。
目的別!ピルの賢い使い方 – こんな時どうする?
ピルには、生理の悩みを軽くしたり、避妊をしたりと、様々な効果があることをお伝えしてきました。ここでは、皆さんが抱えるかもしれない具体的な悩みや目的に合わせて、ピルがどのように役立つのか、より詳しく見ていきましょう。
【この章でわかること】
- つらい生理痛(月経困難症)に対するピルの効果的な使い方
- 修学旅行や大事なイベントと生理が重なるときの対処法(月経移動)
- 避妊を考えている場合のピルの役割と注意点
【生理の悩み】つらい生理痛(月経困難症)を和らげたい
「毎月、生理痛がひどくて薬が手放せない…」「痛くて学校を休んでしまうこともある…」そんなつらい月経困難症に悩んでいる中学生は少なくありません。ピルは、この月経困難症の治療にとても効果的なお薬です。
ピルを飲むと、子宮内膜があまり厚くならず、生理痛の原因となる物質(プロスタグランジン)が作られる量も減ります。そのため、生理の時の下腹部痛や腰痛などがぐっと軽くなることが期待できます。多くの場合、ピルを飲み始めて1~2ヶ月目くらいから効果を感じ始める人が多いようです。
もしあなたがひどい生理痛に悩んでいるなら、我慢せずに産婦人科で相談してみてください。ピルという選択肢が、あなたのつらさを和らげる手助けになるかもしれません。「たかが生理痛」と思わずに、専門家のアドバイスを受けることが大切ですよ。

【学校生活・イベント】修学旅行や大事なイベント!生理日をずらしたい(月経移動)
「楽しみにしている修学旅行と生理が重なりそう…」「大事な試験や部活の大会の日に生理なんて絶対イヤ!」そんな時、ピルを使って生理の日を安全にずらす「月経移動」という方法があります。
月経移動は、ピルの飲み方を調整することで、生理が来るタイミングを早めたり遅らせたりする方法です。ただし、これは自己判断で行うのではなく、必ずお医者さんの指示に従って行う必要があります。
もし生理日をずらしたい予定がある場合は、できるだけ早めに(少なくとも予定の1ヶ月以上前には)産婦人科を受診して相談しましょう。お医者さんが、あなたの生理周期や予定に合わせて、いつからどのようにピルを飲めば良いか、具体的な方法を教えてくれます。月経移動の目的でピルを使う場合は、基本的に自費診療(保険がきかない)になることが多いことも覚えておきましょう。
これで、大切なイベントを万全の体調で迎えられるかもしれませんね。

【避妊について】確実な避妊を考えている
もしあなたが性的な活動を始めている、あるいはこれから始める可能性がある場合、望まない妊娠を避けるための「避妊」について正しく知っておくことは非常に大切です。低用量ピルは、正しく飲み続ければ99%以上という、とても高い確率で避妊効果を発揮する方法の一つです。
ピルは、主に排卵(卵巣から卵子が飛び出すこと)を抑えることで妊娠を防ぎます。毎日決まった時間に忘れずに飲むことが、確実な避妊効果を得るための最大のポイントです。
ただし、ここで一つとても大切な注意点があります。ピルは避妊効果は高いですが、HIV(エイズ)やクラミジア、梅毒といった性感染症(STD)を防ぐことはできません。 性感染症は、知らないうちにうつったりうつされたりすることがあり、将来の健康に大きな影響を与えることもあります。
ですから、避妊目的でピルを飲んでいる場合でも、性感染症の予防のためには、必ずコンドームを正しく使うことが非常に重要です。「ピルを飲んでいるから大丈夫」と安心せずに、自分と相手の体を守るために、コンドームも必ず一緒に使うようにしましょう。これを「ダブルダッチ」と言って、最も確実な避妊と性感染症予防の方法とされています。
避妊について不安なことや分からないことがあれば、遠慮なく産婦人科のお医者さんに相談してくださいね。

ピルはどうやったらもらえるの? – 病院のこと、費用のこと、親のこと
「ピルを飲んでみたいけど、どうすればもらえるの?」「病院ってなんだか緊張する…」「お金はどれくらいかかるの?」「親に言わないとダメなのかな?」ピルをもらうためには、いくつか知っておきたい大切なことがあります。ここでは、そのステップを一つひとつ見ていきましょう。
【この章でわかること】
- ピルを処方してもらえる場所と、婦人科について
- 中学生がピルを処方してもらう際の「親の同意」の重要性
- ピルの費用(保険適用の場合と自費の場合)
- 初めて婦人科を受診する際の準備や流れ
ピルはどこで、どうやって処方してもらうの? – 婦人科ってどんなところ?
まず一番大切なのは、ピルは医師の診察と処方が必要な「医療用医薬品」だということです。ドラッグストアなどで自由に買うことはできません。必ずお医者さんに相談して、あなたの体の状態に合ったピルを処方してもらう必要があります。
ピルを処方してくれるのは、主に「産婦人科」または「婦人科」という診療科の病院やクリニックです。「産婦人科」と聞くと、「赤ちゃんを産む人が行くところ?」「なんだか行きにくいな…」と感じる中学生もいるかもしれませんね。でも、産婦人科は、妊娠や出産だけでなく、生理の悩みや性感染症、更年期のことなど、女性の一生を通じた体の健康を守るための専門の場所なんです。だから、中学生や高校生の皆さんが生理の悩みやピルのことで相談に行くのは、全くおかしなことではありませんし、実際にたくさんの人が相談に来ていますよ。
最近では、インターネットを使った「オンライン診療」でピルを処方してくれるクリニックも増えてきました。家にいながらお医者さんの診察を受けられるので便利ですが、初めてピルをもらう場合(初診)は、あなたの体の状態をしっかり把握するために、直接会って診察する「対面診療」が推奨されることが多いです。特に中学生の場合は、より慎重な対応が必要になるため、まずは近くの産婦人科で対面で相談できる医療機関を探してみるのが良いでしょう。お医者さんと直接顔を合わせて話すことで、安心感も得られますよ。

中学生でも処方してもらえる? – 大切な「親の同意」のこと
「中学生でもピルって処方してもらえるの?」という疑問ですが、基本的には、お医者さんがあなたの体の状態や悩みを診て、ピルが必要だと判断すれば、中学生でも処方してもらうことは可能です。
ただし、ここでとても大切になってくるのが「親(保護者)の同意」についてです。これは非常にデリケートな問題なので、丁寧に説明しますね。
法律で「未成年者(2022年4月からは18歳未満)へのピル処方に、親の同意が絶対に必要」と明確に決められているわけではありません。しかし、多くの病院やクリニックでは、安全に医療を提供するため、そして治療に対する理解と協力を得るために、未成年者(特に中学生)へピルを処方する際には、保護者の同意を求めるか、少なくとも保護者と一緒に受診することを推奨していることが多いです。
なぜ保護者の同意や同伴が推奨されるかというと、以下のような理由があります。
- 安全な服用のため: もしピルの副作用が出た場合に、保護者が状況を理解していれば、すぐに対応しやすくなります。
- 治療への理解と協力: ピルは毎日飲み続けることが大切なお薬なので、家庭でのサポートや理解があると、より安心して治療を続けられます。
- 費用の支払いについて: ピルには費用がかかるため、保護者の理解と協力が必要になる場合があります。
- 健康状態の総合的な判断: 保護者からあなたの普段の健康状態やアレルギーなどの情報を得ることで、お医者さんがより正確な判断をしやすくなります。
「親に言いづらい…」「反対されたらどうしよう…」と悩む気持ちは、とてもよく分かります。でも、ピルはあなたの体を守るための大切なお薬です。勇気を出して、まずは信頼できる大人、できれば保護者の方に相談してみることを考えてみてください。あなたが何に困っていて、ピルでどうなりたいのかを具体的に話せば、きっと理解してくれるはずです。
「親に相談するときの伝え方のヒント」
- ポイント1:タイミングを見計らって
- お互いにリラックスしている時や、二人きりでゆっくり話せる時間を選んでみましょう。
- ポイント2:自分で調べた情報を活用する
- この記事を見せたり、信頼できる情報源から得た知識を伝えたりするのも良い方法です。
- ポイント3:正直な気持ちと具体的な状況を伝える
- 「生理痛が本当につらくて…」「修学旅行にどうしても行きたいんだけど…」など、具体的に何に困っているのか、ピルでどうなりたいのかを伝えましょう。
- ポイント4:「まずは話だけでも聞いてほしい」「一緒に病院に行って説明を聞いてほしい」とお願いする
- 最初から「ピルを飲みたい!」と強く言うよりも、まずは相談したいという姿勢で話すと、聞いてもらいやすいかもしれません。

もし、どうしても保護者に相談できない特別な事情がある場合は、そのことを正直にお医者さんに伝えて相談してみましょう。お医者さんには守秘義務があるので、あなたが話した内容を許可なく他の人に漏らすことはありません。ただし、繰り返しになりますが、安易に「同意なしでも大丈夫」とは考えず、まずは相談することが大切です。お医者さんは、あなたの状況を理解した上で、最善の方法を一緒に考えてくれます。
【保護者の皆様へ】 お子様がピルについて相談してきたら、まずはその勇気を受け止め、じっくりと話を聞いてあげてください。この記事が、親子でピルについて話し合うきっかけとなり、正しい理解を深める一助となれば幸いです。必要であれば、ぜひお子様と一緒に産婦人科を受診し、医師の説明を聞くことをお勧めします。
ピルの値段はいくらくらい? – 保険は使えるの?お小遣いで足りる?
ピルの費用は、皆さんがとても気になるところですよね。ピルの値段は、「何のために飲むのか(目的)」と「どの種類のピルを飲むのか」によって大きく変わってきます。
- 保険適用になる場合(LEP:月経困難症や子宮内膜症などの「治療」目的)
- お医者さんが診察して、月経困難症(生理痛がひどい)や子宮内膜症といった病気の治療のためにピルが必要だと判断した場合は、健康保険が使えます。
- 健康保険が使えると、皆さんが窓口で支払うのは、かかった医療費全体の3割(または2割、年齢や所得によって変わります)になります。
- ピル自体のお薬代の目安としては、1ヶ月あたり約1,000円〜3,000円程度になることが多いです(ピルの種類によって値段は異なります)。
- その他に、初めて病院にかかるときの「初診料」や、2回目以降の「再診料」、必要に応じて行われる検査の費用などが別途かかります。
- 自費診療(保険適用外)になる場合(OC:主に「避妊」目的や「月経移動」目的)
- 避妊のためや、生理の日をずらすためにピルを飲む場合は、病気の治療ではないため、健康保険は使えません。これを「自費診療」と言い、かかった医療費は全額自分で支払うことになります。
- ピル自体のお薬代の目安としては、1ヶ月あたり約2,500円~4,000円程度になることが多いです(これも医療機関やピルの種類によって値段が異なります)。
- 自費診療の場合も、初診料や再診料などが別途かかります。
また、同じ成分のピルでも、「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」を選ぶと、先発医薬品よりも費用を少し抑えられる場合があります。お医者さんや薬剤師さんに相談してみましょう。
「お小遣いで足りるかな…」と心配になるかもしれませんが、まずは自分がどの目的でピルを飲みたいのか、保険がきくのかどうかを、お医者さんや保護者の方とよく相談することが大切です。
【ピルの費用目安(1ヶ月分のお薬代)】
目的 | ピルの種類(例) | 保険適用 | 自己負担額の目安(お薬代のみ) | 備考(アイコン表示も検討) |
---|---|---|---|---|
月経困難症・子宮内膜症などの治療 | LEP | 〇 (あり) | 約1,000円~3,000円 | +初診/再診料、検査料など (🏥) |
避妊、月経移動 | OC | × (なし) | 約2,500円~4,000円 | +初診/再診料など (🏥) |
(ジェネリック医薬品を選ぶと安くなる場合も (💊))

初めての婦人科、どんな準備が必要? – 診察の流れと聞かれること
「婦人科って初めてだから、なんだか緊張する…」「何を持っていけばいいの?」「どんなことを聞かれるんだろう?」初めての場所に行くのは誰でもドキドキしますよね。でも大丈夫!事前に流れを知っておけば、少しは安心して受診できるはずです。
- 受診前の準備・持ち物リスト
- 【□】 まずは予約!
- 病院やクリニックによっては予約が必要な場合があります。電話やインターネットで事前に確認しましょう。予約の際に「ピルの相談をしたい」と伝えておくとスムーズです。
- 【□】 健康保険証
- これは絶対に忘れないようにしましょう!保険証がないと、保険がきく治療でも全額自己負担になってしまうことがあります。
- 【□】 お薬手帳(あれば)
- もし今、他に飲んでいるお薬や使っているお薬(ぬり薬なども含む)があれば、お薬手帳を持っていくか、お薬の名前をメモしていきましょう。サプリメントを飲んでいる場合も伝えると良いでしょう。
- 【□】 生理用品(ナプキンなど)
- 念のため、1〜2枚持っていくと安心です。
- 【□】 聞きたいこと・心配なことをまとめたメモ
- 緊張すると、聞きたかったことを忘れてしまうことがあります。事前に質問したいことや、自分の症状で困っていることをメモしておくと、お医者さんに伝えやすくなりますよ。
- 【□】 服装はリラックスできるものを
- もし内診(お腹や腟の中を診る検査)がある場合に備えて、スカートなど、着たり脱いだりしやすい服装がおすすめです。もちろん、ズボンでも大丈夫です。
- 【□】 まずは予約!
- 診察ではどんなことを聞かれるの?(問診)
- お医者さんは、あなたの体の状態を正しく知るために、いくつか質問をします。これを「問診(もんしん)」と言います。正直に、できるだけ詳しく答えることが、あなたに合ったピルを選んでもらうためにとても大切です。主に以下のようなことを聞かれます。
- 生理について: 最後に生理が始まった日(最終月経日)、生理の周期(何日くらいで次の生理が来るか)、生理の時の症状(痛みはどれくらいか、出血量は多いか少ないか、生理は何日間くらい続くかなど)。
- 体のことについて: これまでに大きな病気をしたことや手術を受けたことがあるか、アレルギーはあるか。
- お薬について: 今、飲んでいるお薬やサプリメントはあるか。
- 家族のことについて: ご家族(お父さん、お母さん、兄弟姉妹など)に、血栓症になったことがある人や、若くして心臓の病気や脳卒中になったことがある人はいるか。
- 生活習慣について: タバコを吸っているか(吸っている場合は、本数や期間も)。これは血栓症のリスクに関わるので、非常に重要な質問です。
- 性交渉の経験について: 避妊目的でピルを考えている場合は、性交渉の経験があるかどうかを聞かれます。これは、あなたに合った避妊方法を考えたり、性感染症の検査が必要かどうかを判断したりするために大切な質問です。お医者さんには守秘義務があるので、正直に話しても大丈夫ですよ。
- お医者さんは、あなたの体の状態を正しく知るために、いくつか質問をします。これを「問診(もんしん)」と言います。正直に、できるだけ詳しく答えることが、あなたに合ったピルを選んでもらうためにとても大切です。主に以下のようなことを聞かれます。
- どんな検査をするの?
- 問診の他に、以下のような検査をすることがあります。
- 血圧測定、体重測定: これはほとんどの場合に行われます。
- 血液検査: 貧血がないか、肝臓の機能は正常か、血栓症のリスク(血が固まりやすい体質かどうかなど)がないかなどを調べるために、血液検査をすることがあります。
- 内診(ないしん)について:
- 内診とは、お腹の上から子宮や卵巣の状態を触って調べたり、腟(ちつ)の中に指や細い器具を入れて子宮や卵巣の状態を直接見たりする検査のことです。「内診」と聞くと、「痛そう…」「恥ずかしい…」と不安に思う人も多いかもしれませんね。
- ピルの処方だけなら、必ずしも毎回内診が必要というわけではありません。 特に、性交渉の経験がない中学生の場合は、お腹の上からの超音波(エコー)検査で代用したり、問診だけで判断したりすることも多いです。
- もし内診が必要だとお医者さんが判断した場合でも、必ず事前に説明がありますし、あなたが不安な気持ちを伝えれば、できるだけ痛くないように、そして恥ずかしくないように配慮してくれます。遠慮せずに、不安な気持ちを伝えてくださいね。
- 問診の他に、以下のような検査をすることがあります。
- ピルの説明と処方
- 診察や検査の結果、あなたにピルが合っていると判断されたら、お医者さんや看護師さんから、処方されるピルの種類、期待できる効果、起こりうる副作用、正しい飲み方、飲み忘れた時の対処法、費用などについて、詳しい説明があります。
- 分からないことや心配なことがあれば、この時に遠慮なく何でも質問しましょう。納得してピルを始めることが大切です。

ピルに関するQ&A – みんなの「もっと知りたい!」に答えます
ピルについて、基本的なことは分かってきたけれど、「こんな時はどうすればいいの?」「これって大丈夫なのかな?」と、まだまだ細かい疑問や心配なことがあるかもしれませんね。ここでは、中学生の皆さんからよく聞かれる質問に、Q&A形式でお答えしていきます!
【この章でわかること】
- ピルを飲み忘れた時の正しい対処法
- ピル服用中のお酒や他の薬との飲み合わせについて
- ピルのやめ方と、やめた後のこと
- ピルとコンドームの併用の大切さ
- ピルをいつまで飲み続けるかについて
- Q1. ピルを飲み忘れたら、どうすればいいですか?
- A1. うっかり飲み忘れちゃうこと、ありますよね。でも大丈夫、慌てないでください。飲み忘れに気づいた時間や、何錠飲み忘れたかによって対処法が異なります。
- まず、処方されたピルの説明書(添付文書)をよく読んで、そこに書かれている指示に従うのが一番です。
- 一般的には、1錠飲み忘れた場合で、気づいたのがいつもの服用時間から24時間以内であれば、気づいた時点ですぐに飲み忘れた1錠を飲み、その日の分もいつも通りの時間に飲みます(つまり、その日は2錠飲むことになる場合があります)。
- 2錠以上続けて飲み忘れた場合や、どうすればいいか分からない場合は、自己判断せずに、すぐにピルを処方してくれたお医者さんや薬剤師さんに電話などで相談してください。
- 飲み忘れが続くと、生理のトラブルを抑える効果や避妊効果が弱まってしまう可能性があるので、毎日決まった時間に飲む習慣をつけることが大切です。スマートフォンのアラーム機能などを活用するのも良い方法ですよ。
- A1. うっかり飲み忘れちゃうこと、ありますよね。でも大丈夫、慌てないでください。飲み忘れに気づいた時間や、何錠飲み忘れたかによって対処法が異なります。
- Q2. ピルを飲んでいる間、お酒や他の薬(風邪薬など)は飲んでも大丈夫?
- A2. お酒については、適量であればピルの効果に大きな影響はないと言われています。 でも、中学生の皆さんはまだ体が成長途中ですし、法律でも20歳未満の飲酒は禁止されています。ピルを飲んでいるかどうかに関わらず、お酒は飲まないようにしましょう。
- 他の薬やサプリメントについては、注意が必要です。 薬によっては、ピルの効果を弱めてしまったり、逆にピルの副作用を強めてしまったりするものがあります。例えば、一部の抗生物質、てんかんのお薬、結核のお薬、そしてセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワートという名前でハーブティーやサプリメントに含まれていることがあります)などは、ピルの効果に影響を与えることが知られています。
- 風邪薬や痛み止めなどの市販薬を買う時や、他の病院で薬を処方してもらう時は、必ず「今、ピルを飲んでいます」ということをお医者さんや薬剤師さんに伝えて、飲み合わせても大丈夫かどうかを確認してもらってくださいね。
- A2. お酒については、適量であればピルの効果に大きな影響はないと言われています。 でも、中学生の皆さんはまだ体が成長途中ですし、法律でも20歳未満の飲酒は禁止されています。ピルを飲んでいるかどうかに関わらず、お酒は飲まないようにしましょう。
- Q3. ピルをやめたい時は、どうすればいいですか?自己判断でやめてもいい?
- A3. ピルの服用を自己判断で急にやめたり、飲んだり飲まなかったりするのは避けましょう。 体のホルモンバランスが不安定になったり、不正出血が起きたり、期待していた効果が得られなくなったりすることがあります。
- もし、「副作用がつらいからやめたい」「もう生理痛が楽になったからやめたい」「避妊の必要がなくなったからやめたい」など、ピルをやめたいと思った理由がある場合は、まずはピルを処方してくれたお医者さんに相談してください。
- お医者さんは、あなたの体の状態や、やめたい理由などを聞いた上で、いつ、どのようにしてピルをやめるのが一番良いか、そしてやめた後に気をつけることなどをアドバイスしてくれます。
- A3. ピルの服用を自己判断で急にやめたり、飲んだり飲まなかったりするのは避けましょう。 体のホルモンバランスが不安定になったり、不正出血が起きたり、期待していた効果が得られなくなったりすることがあります。
- Q4. ピルを飲んでいれば、コンドームは使わなくても大丈夫ですか?
- A4. これはとても大切な質問です!低用量ピルは、正しく服用すれば非常に高い確率で避妊効果がありますが、HIV(エイズの原因となるウイルス)やクラミジア、梅毒といった性感染症(STD:Sexually Transmitted Diseases)を防ぐことはできません。
- 性感染症は、知らないうちにうつったりうつされたりすることがあり、将来の健康に大きな影響を与えることもあります。
- ですから、避妊目的でピルを飲んでいる場合でも、性感染症の予防のためには、必ずコンドームを正しく使うことが非常に重要です。「ピルを飲んでいるから大丈夫」と安心せずに、自分と相手の体を守るために、コンドームも必ず一緒に使うようにしましょう。これを「ダブルダッチ」と言って、最も確実な避妊と性感染症予防の方法とされています。
- A4. これはとても大切な質問です!低用量ピルは、正しく服用すれば非常に高い確率で避妊効果がありますが、HIV(エイズの原因となるウイルス)やクラミジア、梅毒といった性感染症(STD:Sexually Transmitted Diseases)を防ぐことはできません。
- Q5. ピルは一度飲み始めたら、ずっと飲み続けないといけないの?
- A5. 必ずしもそうではありません。ピルをいつまで続けるか、いつやめるかは、あなたがピルを飲む目的(例えば、生理痛の治療が一段落した、避妊の必要性が変わったなど)や、あなたの体の状態、そして「これからどうしたいか」という気持ちの変化に応じて、お医者さんと相談しながら決めていくことができます。
- 例えば、「生理痛がとても楽になったから、一度ピルをお休みしてみたい」と思ったら、お医者さんと相談して、一旦服用を中止することもできます。
- 大切なのは、自己判断せずに、定期的(通常は3ヶ月~半年に1回程度)に婦人科を受診して、ピルを続けることのメリットとデメリット、そしてあなたの体の状態をお医者さんと一緒に確認し、話し合っていくことです。
- A5. 必ずしもそうではありません。ピルをいつまで続けるか、いつやめるかは、あなたがピルを飲む目的(例えば、生理痛の治療が一段落した、避妊の必要性が変わったなど)や、あなたの体の状態、そして「これからどうしたいか」という気持ちの変化に応じて、お医者さんと相談しながら決めていくことができます。
ピル以外にもある? – 生理の悩みや避妊のための他の選択肢
ピルは、生理の悩みや避妊にとって、とても有効な選択肢の一つですが、それが全てではありません。「ピルはちょっと合わないかも…」「他の方法も知りたいな」と思う人もいるかもしれませんね。ここでは、ピル以外の選択肢についても少し触れておきましょう。
【この章でわかること】
- 生理の悩み(月経困難症、PMSなど)に対するピル以外の対処法
- 避妊に関するピル以外の方法
- 自分に合った方法を見つけるための考え方
- 生理の悩み(月経困難症、PMSなど)に対してピル以外の対処法
- 鎮痛剤(痛み止め):
- 市販の痛み止め(イブプロフェンやロキソプロフェンなどが含まれるもの)は、生理痛が軽い場合には効果的です。薬剤師さんに相談して、自分に合ったものを選びましょう。
- 市販薬では効かないくらい痛みが強い場合は、お医者さんからより効果の高い鎮痛剤を処方してもらうこともできます。
- 漢方薬:
- 漢方薬は、体全体のバランスを整えることで、生理痛やPMS、生理不順などの症状を和らげる効果が期待できます。効果が出るまでに少し時間がかかることもありますが、体質改善を目指したい人には選択肢の一つです。漢方に詳しいお医者さんや薬剤師さんに相談してみましょう。
- 生活習慣の見直し:
- 体を冷やさないように温かい服装を心がけたり、カイロを使ったりする。
- バランスの取れた食事を心がけ、鉄分の多い食品(レバー、ほうれん草など)を積極的に摂る。
- 十分な睡眠をとる。
- 軽いストレッチやウォーキングなど、適度な運動をする。
- ストレスを溜め込まないように、リラックスできる時間を作る。
- これらは、薬だけに頼らずに、自分でできる大切なケアです。
- 低用量ピル以外のホルモン治療(IUSなど):
- IUS(Intrauterine System:子宮内黄体ホルモン放出システム)という、子宮の中に小さな器具を入れてホルモンを少しずつ放出させることで、生理の量を減らしたり生理痛を軽くしたりする治療法もあります。一度装着すると数年間効果が持続しますが、中学生の皆さんには一般的ではないかもしれません。お医者さんに相談してみましょう。
- 鎮痛剤(痛み止め):
- 避妊に対してピル以外の方法
- コンドーム:
- 男性が使う避妊具で、正しく使えば避妊効果があり、何よりも性感染症を予防する効果があります。ドラッグストアなどで手軽に買えるのもメリットです。ピルと併用することで、より確実な避妊と性感染症予防ができます。
- 低用量ピル以外の避妊法(IUS、避妊注射、避妊インプラントなど):
- IUSは避妊目的でも使われ、一度装着すると長期間高い避妊効果があります。その他にも、数ヶ月ごとに注射をする避妊法や、腕の皮下に小さな器具を埋め込む避妊インプラントなどもありますが、日本ではまだ一般的ではなかったり、中学生の皆さんにはあまり選択されなかったりする方法もあります。
- コンドーム:
どの方法が自分に一番合っているかは、あなたの体の状態や、何を一番優先したいか(例えば、生理痛を一番楽にしたいのか、避妊を確実にしたいのか、など)によって異なります。「この方法しかない!」と決めつけずに、お医者さんとよく相談して、それぞれの方法のメリットとデメリットを理解した上で、あなたにとって一番良い選択をしてくださいね。

ひとりで悩まないで! – 困ったとき、相談できる場所・人
ピルのこと、生理のこと、体のこと…。中学生の皆さんにとっては、なかなか人に話しにくい悩みかもしれません。でも、ひとりで抱え込まずに、信頼できる人に相談することが、解決への第一歩です。あなたの周りには、きっとあなたの力になってくれる人がいますよ。
【この章でわかること】
- 悩みを相談できる具体的な相手や場所の例
- 相談することの大切さと、一人で悩まないためのメッセージ
- 保護者(おうちの人):
- まずは、一番身近な大人であるお父さんやお母さん、あるいは他の家族に話してみる勇気を持ってみましょう。「心配かけたくないな…」「怒られたらどうしよう…」と思うかもしれませんが、あなたのことを一番に考えてくれる存在のはずです。この記事で学んだことや、あなたの困っている気持ちを正直に伝えてみてください。一緒に病院に行ってくれたり、費用面でサポートしてくれたりするかもしれません。
- 産婦人科医・婦人科医:
- 体のこと、ピルのことについて、最も専門的で正確なアドバイスをくれるのがお医者さんです。どんな小さな疑問や不安でも、遠慮なく相談してください。あなたに合った解決方法を一緒に考えてくれます。
- 学校の養護教諭(保健室の先生):
- 学校の保健室の先生は、皆さんの心と体の健康をサポートする専門家です。生理の悩みやピルのことについても相談に乗ってくれますし、必要に応じて病院を紹介してくれることもあります。学校内で気軽に相談できる身近な存在ですね。
- かかりつけの小児科医や内科医:
- もし、普段からよく診てもらっている小児科や内科のお医者さんがいれば、その先生に相談してみるのも良いでしょう。話しやすいお医者さんであれば、あなたの悩みを理解して、産婦人科を紹介してくれたり、アドバイスをくれたりするかもしれません。
- 信頼できる他の大人:
- 例えば、親戚のお姉さんやおばさん、学校の部活動の顧問の先生、習い事の先生など、あなたが「この人なら信頼できる!」と思える大人がいれば、相談してみるのも一つの方法です。
- 公的な相談窓口やNPO法人などの相談ホットライン:
- もし周りに相談できる人がいなかったり、どうしても話しにくいと感じたりする場合は、匿名で相談できる電話窓口やインターネット相談などを利用することも考えてみましょう。性や健康に関する悩み、若者向けの相談窓口などがあります。 【例として、厚生労働省「性と健康の相談センター事業」や、特定非営利活動法人ピルコン「性の健康相談」などの信頼できる具体的な窓口名と、可能であれば相談方法(電話番号やウェブサイトへのリンクなど)を記載。ただし、情報の鮮度と正確性を保つため、定期的な確認が必要。】
大切なのは、「どんな小さなことでも、不安に思ったら遠慮なく相談して大丈夫だよ」ということです。あなたは一人ではありません。必ずあなたの味方になってくれる人がいます。

さいごに:ピルを正しく知って、自分らしい毎日を応援します!
ここまで、中学生の皆さんに向けて、ピルについての様々な情報をお伝えしてきました。いかがでしたか? この記事で一番伝えたかったのは、ピルは、お医者さんの指導のもとで正しく使えば、中学生にとっても生理の悩みや避妊において有効で安全な選択肢の一つになり得るということです。そして、副作用や気をつけるべき点もありますが、正しい知識を持てば過度に怖がる必要はなく、不安なことや疑問点は専門家に相談することが何よりも大切だということです。
ピルについて正しい知識を持つことは、皆さん自身が自分の体を大切にし、より快適で自分らしい学校生活や毎日を送るための、一つの大きな力になります。生理の痛みに悩まされずに勉強や部活動に打ち込めたり、大切な予定を安心して楽しめたり、将来のことを考えて確実な避妊ができたり…。ピルは、そんな皆さんの「もっとこうなりたい!」という気持ちをサポートしてくれるかもしれません。
この記事が、あなたのピルに対する不安を少しでも軽くして、前向きな一歩を踏み出すきっかけになれば、私たちにとってこれ以上嬉しいことはありません。
あなたは一人ではありません。あなたの健康と幸せを心から応援しています!
参考文献
- OC・LEPガイドライン2020年度版 (公益社団法人日本産科婦人科学会/一般社団法人日本女性医学学会)
- URL: https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00641/
- 緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成28年度改訂版) (公益社団法人日本産科婦人科学会)
- URL: https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/kinkyuhinin_shishin_H28.pdf
- 産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023 (公益社団法人日本産科婦人科学会/公益社団法人日本産婦人科医会)
- URL: https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2022/08/20220816.pdf
- 月経前症候群・月経前不快気分障害に対する診断・治療指針 (公益社団法人日本産科婦人科学会)
- URL: https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/PMS_PMDDshishin.pdf
- 緊急避妊薬のスイッチOTC化に係る検討会議 資料 (厚生労働省)
- URL: https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001492288.pdf
- 性感染症に関する特定感染症予防指針(一部改正) (厚生労働省)
- URL: https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000186685.pdf
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)医薬品情報検索 (独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)
- URL: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/
- 緊急避妊薬 Q&A(「緊急避妊に係る取組の推進について」の一部) (厚生労働省)
- URL: https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000838733.pdf
- コンドーム (ファクトシート) (世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局 日本事務所)
- URL: https://japan-who.or.jp/factsheets/factsheets_type/condoms/