「赤ちゃんのために葉酸サプリが良いと聞くけれど、種類が多すぎてどれを選べばいいの？」「本当に飲んだ方がいいの？」――。妊活中や妊娠初期のあなたは、こんな疑問や不安を抱えているかもしれません。産婦人科の診察時にも話題に上がることが多い「葉酸サプリ」。

この記事では、胎児の健やかな成長と母体の健康を守るために重要とされる葉酸サプリの賢い選び方について、現在公開されている情報や専門家の一般的な見解を基に、分かりやすく解説します。また、産婦人科医や専門家の間でも注目されている葉酸サプリ製品の一例として「ベルタ葉酸サプリ」のような製品がどのような点に配慮しているかについても触れながら、この記事を読めば、数ある製品の中からあなたと赤ちゃんにとって最適な葉酸サプリを見極め、安心して新しい命を迎える準備を始めるための一助となるでしょう。

はじめに：葉酸サプリ、その重要性と基本的な役割｜産婦人科領域での認識

葉酸サプリメントの摂取は、妊娠を考える女性にとって非常に重要であると広く認識されています。特に妊娠初期の胎児の健全な発育には不可欠とされ、多くの産婦人科関連のガイドラインや専門機関がその摂取を推奨しています。 なぜなら、葉酸は細胞分裂やDNA合成に深く関わり、赤ちゃんの脳や神経管といった重要な器官が作られる際に欠かせない栄養素だからです。

このセクションでは、なぜ葉酸サプリがこれほどまでに推奨されるのか、その具体的な理由と、葉酸が母体と胎児にどのような恩恵をもたらすと考えられているのかを、産婦人科領域での一般的な認識も踏まえて詳しくご説明します。

なぜ？葉酸サプリが推奨される主な理由｜産婦人科領域での重要性

葉酸サプリメントの摂取が広く推奨されるのには、主に3つの明確な理由があると考えられています。それは、①胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスクを大幅に低減できる可能性、②母体の貧血を予防・改善する助けとなること、そして③食事だけでは十分な量の葉酸を摂取することが一般的に難しいことです。これらは、多くの臨床研究や専門機関の報告によって支持されており、産婦人科領域においてもその重要性は高く評価されています。

特に妊娠超初期（妊娠4週～7週頃）は、赤ちゃんの脳や脊髄の基となる神経管が形成される非常にデリケートな時期です。この時期に母体が十分な葉酸を摂取していると、神経管閉鎖障害（二分脊椎や無脳症など）の発症リスクを約50～70%も低減できる可能性があることが、世界中の研究で示されています（例：厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」）。この事実は、葉酸摂取が強く勧められる最大の理由の一つであり、産婦人科医が妊活中や妊娠初期の女性に葉酸摂取をアドバイスする際の大きな根拠となっています。

また、葉酸は赤血球の生産を助けることから「造血のビタミン」とも呼ばれ、妊娠中に起こりやすい鉄欠乏性貧血の予防や改善にも役立つとされています。妊娠中は胎児に栄養を送るために血液量が増加し、貧血になりやすいため、葉酸の適切な摂取は母体の健康維持にも繋がると考えられています。産婦人科の定期健診でも貧血のチェックは重要項目の一つです。

しかし、葉酸は水溶性ビタミンで熱に弱く、調理損失も大きいため、通常の食事だけで妊娠期に必要な量を安定的に摂取するのは非常に難しいのが現状です。このため、厚生労働省も、通常の食品に加えて、栄養補助食品（サプリメント）からの葉酸摂取を推奨しており、多くの産婦人科医もこの方針に沿った指導を行っています。

【リスト：胎児の神経管形成と葉酸の重要性（産婦人科領域での一般的認識）】

• 神経管形成の重要時期: 妊娠4週～7週頃（多くの女性が妊娠に気づく前後の時期であり、産婦人科受診のきっかけとなることも多い）
• 神経管とは: 胎児の脳や脊髄の基となる重要な管状の構造
• 葉酸の役割: 細胞分裂やDNA合成を活発にサポートし、神経管の正常な閉鎖を助ける
• 葉酸不足のリスク: 神経管が正常に閉じないと、二分脊椎や無脳症といった神経管閉鎖障害が起こる可能性がある。これは産婦人科で予防が重要視される疾患の一つ。
• 葉酸摂取による効果: 適切な葉酸摂取により、これらのリスクを大幅に低減できることが期待される

吸収率や調理損失を考慮すると、さらに多くの量が必要になる場合があります。

葉酸とは？その働きと種類（モノグルタミン酸型とポリグルタミン酸型）

葉酸は、ビタミンB群に属する水溶性のビタミンで、私たちの体内で細胞の分裂や成長、DNAやRNAといった遺伝物質の合成に不可欠な役割を担っています。特に、新しい細胞が活発に作られる胎児期や乳幼児期には、その需要が非常に高まります。

食品に含まれる天然の葉酸は「ポリグルタミン酸型葉酸」と呼ばれ、複数のグルタミン酸が結合した構造をしています。これに対し、サプリメントなどに利用されるのは「モノグルタミン酸型葉酸」で、グルタミン酸が一つだけ結合したシンプルな構造です。重要なのは、モノグルタミン酸型葉酸の方が、ポリグルタミン酸型葉酸に比べて体内での吸収率・利用効率が約2倍高いという点です。このため、厚生労働省もサプリメントなどからの葉酸摂取を推奨する際には、このモノグルタミン酸型葉酸の量で基準を示しており、産婦人科で栄養指導を行う際にもこの点が考慮されます。

サプリメントを選ぶ際には、この「モノグルタミン酸型葉酸」が配合されているか、そしてその含有量を確認することが最初のステップとなります。

最も重要！葉酸摂取と「神経管閉鎖障害」リスク低減の科学的根拠

神経管閉鎖障害は、妊娠初期（受胎後約28日以内）に胎児の脳や脊髄の基となる神経管が正常に閉じないことによって起こる先天異常の総称です。代表的なものに、下半身の麻痺や排泄障害などを引き起こす「二分脊椎」や、脳がほとんど形成されず流産や死産に至ることが多い「無脳症」があります。日本では、約1万人に5～6人の割合で発生していると報告されています。

この神経管閉鎖障害の発生リスクを低減する上で、葉酸の摂取が極めて有効であることが、数多くの国際的な研究で証明されています。例えば、米国疾病予防管理センター（CDC）は、妊娠可能な全ての女性が毎日400μgの葉酸を摂取することで、神経管閉鎖障害の発生リスクを最大70%低減できるとしています。日本でも、厚生労働省が同様の見解を示し、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性に対し、通常の食事に加えて1日400μgのモノグルタミン酸型葉酸をサプリメントなどから摂取することを推奨しています。この推奨は、産婦人科診療ガイドラインなどにも反映されています。

【リスト：葉酸摂取と神経管閉鎖障害リスク低減に関する情報】

• 対象者: 妊娠可能な全ての女性（特に妊娠を計画している女性、産婦人科で妊活相談をする方など）
• 推奨される葉酸摂取量（サプリメントから）: 1日400μgのモノグルタミン酸型葉酸
• 期待される効果: 神経管閉鎖障害の発生リスクを50～70%低減する可能性
• 情報源の例: 厚生労働省、米国疾病予防管理センター（CDC）、世界保健機関（WHO）、日本産科婦人科学会などの専門機関の報告やガイドライン

このような科学的根拠に基づき、未来の赤ちゃんのために、そして安心して妊娠期間を過ごすために、積極的な葉酸摂取が推奨されているのです。

【専門家が指摘】後悔しない！葉酸サプリの選び方５つのポイント｜産婦人科受診時にも役立つ視点

葉酸サプリの重要性をご理解いただけたところで、次に「では、具体的にどんなサプリを選べばいいの？」という疑問にお答えします。市場には多種多様な葉酸サプリがあり、どれを選べば良いか迷ってしまうのは当然です。専門家の間で一般的に指摘されている、後悔しないための葉酸サプリ選びの５つの重要なチェックポイントを解説します。これらのポイントを押さえることで、あなたと赤ちゃんにとって本当に必要な、信頼できるサプリメントを見極める一助となり、産婦人科で相談する際にも具体的な質問ができるようになるでしょう。

ポイント１：葉酸の含有量と種類｜「400μgのモノグルタミン酸型」が基本

葉酸サプリ選びで最も基本となるのが、葉酸の含有量とその種類です。厚生労働省は、妊娠を計画している女性、または妊娠の可能性がある女性に対し、通常の食事からの葉酸摂取に加えて、サプリメントなどから1日に400μg（マイクログラム）の「モノグルタミン酸型葉酸」を摂取することを推奨しています。 これは、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低減するために必要な量とされており、産婦人科でもこの基準に基づいたアドバイスが一般的です。

出典：厚生労働省「日本人の食事摂取基準（2020年版）」より作成(※) 耐容上限量は、通常の食品以外のサプリメント等からの摂取量の上限。

サプリメントの成分表示を確認し、「葉酸（モノグルタミン酸型換算）」または単に「葉酸」として400μg以上（妊娠中期以降は240μg以上）と記載されているかを確認しましょう。一部の製品では「食事性葉酸（ポリグルタミン酸型葉酸）」で表示されている場合もありますが、吸収率が異なるため注意が必要です。迷ったら、モノグルタミン酸型葉酸で400μg（またはそれ以上）と明確に記載されている製品を選ぶのが確実です。また、耐容上限量（1000μg/日）を超えないよう、他のサプリメントとの併用にも注意が必要です。

ポイント２：配合成分のバランス｜鉄分、ビタミンD、亜鉛など相乗効果のある栄養素

葉酸サプリを選ぶ際には、葉酸単体だけでなく、妊娠中に特に必要となる他の栄養素がバランス良く配合されているかもチェックすることが推奨されます。これらの栄養素は、葉酸の働きを助けたり、妊娠中の母体と胎児の健康を多角的にサポートしたりする役割が期待されています。産婦人科での妊婦健診では、これらの栄養素の充足度も考慮されることがあります。

特に注目したいのは以下の栄養素です。

• 鉄分: 妊娠中は胎児への鉄供給や循環血液量の増加により、鉄欠乏性貧血になりやすくなります。鉄分は赤血球を作る主要な材料です。
• カルシウム: 胎児の骨や歯の形成に不可欠です。妊娠中は母体のカルシウムも胎児に優先的に使われるため、意識的な摂取が必要です。
• ビタミンD: カルシウムの吸収を助け、骨の健康維持に役立ちます。免疫機能にも関与すると言われています。
• 亜鉛: 細胞分裂や新陳代謝、免疫機能の維持に重要なミネラルです。胎児の発育にも関わるとされています。
• ビタミンB6、B12: 葉酸と共に赤血球の形成を助けたり、つわりの軽減に関与する可能性が示唆されています。

ただし、これらの栄養素も過剰摂取は禁物です。特に脂溶性ビタミンであるビタミンAなどは、過剰摂取すると胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため、配合量には注意が必要です。サプリメントを選ぶ際は、これらの栄養素が必要な量だけ、バランス良く配合されているかを確認しましょう。例えば、産婦人科医や専門家の間でも注目されている「ベルタ葉酸サプリ」のような製品では、葉酸だけでなく、鉄分やカルシウム、ビタミン・ミネラル類、さらには美容成分などもバランス良く配合し、妊活中から授乳期までの女性の栄養状態を総合的にサポートすることを目的としている場合があります。

ポイント３：安全性と品質｜GMP認定工場製造、無添加など信頼性の確認

妊娠中に口にするものですから、サプリメントの安全性と品質は最も気になるところでしょう。安心して摂取できる製品を選ぶためには、いくつかの客観的な基準で安全性を確認することが大切です。 これは、産婦人科でサプリメントについて相談する際にも重要な情報となります。

まず注目したいのが、GMP（Good Manufacturing Practice：適正製造規範）認定工場で製造されているかという点です。GMPとは、原材料の受け入れから製造、出荷までの全工程において、製品が「安全」に作られ、「一定の品質」が保たれるようにするための製造工程管理基準のことです。GMP認定工場で製造された製品は、品質管理が高いレベルで行われている一つの目安となります。ただし、GMP認定は製造工程における安全性と品質の一貫性を保証するものであり、製品に含まれる成分そのものの健康効果や有効性を認証するものではない点には注意が必要です。

次に、不要な添加物が使われていないかも確認しましょう。香料、着色料、甘味料、保存料といった添加物は、必ずしも全てが有害というわけではありませんが、妊娠中はできるだけシンプルな成分構成のものを選ぶ方が安心と考えられています。アレルギー体質の方は、アレルゲンとなる物質が含まれていないか、成分表示をしっかり確認してください。

さらに、メーカーによっては、放射能検査や残留農薬検査を自主的に実施し、その結果を公表しているところもあります。こうした取り組みは、製品の安全性に対する意識の高さを示しており、信頼性を判断する上での参考になります。例えば、「ベルタ葉酸サプリ」のようないくつかの製品では、GMP認定工場での製造に加え、無添加へのこだわりや各種安全性試験の実施を公表している場合があります。

【リスト：安全性確認のチェックポイント】

• GMP認定工場で製造されているか？
• 香料・着色料・保存料など、不要な添加物は極力少ないか？
• アレルギー物質の表示は適切か？
• 放射能検査や残留農薬検査は実施されているか？（結果公表の有無）
• 原材料の原産国や品質管理体制に関する情報開示はあるか？

これらのポイントをチェックし、信頼できるメーカーの製品を選ぶように心がけましょう。

ポイント４：飲みやすさと続けやすさ｜形状、サイズ、匂い、価格

葉酸サプリは、効果を期待するためには一定期間、毎日継続して摂取することが何よりも大切です。そのため、製品の「飲みやすさ」や「続けやすさ」も、選ぶ上での重要なポイントになります。

まず「飲みやすさ」についてですが、サプリメントの形状（錠剤、カプセル、チュアブルなど）、1粒のサイズ、味や匂いなどが影響します。特に妊娠初期はつわりで味覚や嗅覚が敏感になる方も多いため、できるだけ小粒で、味や匂いが気にならないものが好まれる傾向にあります。つわりがひどい場合には、無味無臭に近いものや、柑橘系のさっぱりとした風味のものが比較的受け入れやすいと言われています。製品によっては、お試しサイズが用意されている場合もあるので、実際に試してみるのも良いでしょう。

次に「続けやすさ」ですが、これは主に価格が関係してきます。葉酸サプリは、妊娠計画期から授乳期まで、比較的長期間にわたって摂取することが推奨されます。そのため、品質とのバランスを考えながら、無理なく続けられる価格帯の製品を選ぶことが重要です。高価なものが必ずしも良いとは限りませんし、安価すぎると品質に不安が残る場合もあります。1日あたりのコストを計算し、家計に負担なく継続できるか検討しましょう。

• 飲みやすさのチェックポイント:
  • 形状は？（錠剤、カプセル、チュアブル、粉末など）
  • 1粒の大きさは飲み込みやすいか？
  • 味や匂いは気にならないか？（特に無味無臭か、自然な風味か）
• 続けやすさのチェックポイント:
  • 1日あたりのコストは？
  • 定期購入などの割引制度はあるか？
  • 品質と価格のバランスは納得できるか？

ポイント５：情報開示の透明性｜問い合わせ窓口、成分詳細情報の有無

最後に、メーカーが製品に関する情報をどれだけ透明性をもって開示しているかも、信頼性を測る上で見逃せないポイントです。信頼できるメーカーは、自社製品に対する自信と責任感から、消費者に対して積極的に情報を提供する傾向にあります。

具体的には、製品のウェブサイトやパンフレットなどで、以下のような情報が明確に記載されているかを確認しましょう。

• 成分の詳細な含有量: 葉酸だけでなく、配合されている他のビタミンやミネラルの含有量が具体的に示されているか。
• 原材料の原産国や品質: 主な原材料がどこで生産されたものか、どのような品質管理基準で作られているか。
• アレルギー情報: 特定原材料7品目やそれに準ずる21品目について、分かりやすく表示されているか。
• 安全性試験の結果: 放射能検査や残留農薬検査などの結果が公開されているか。

また、製品に関する疑問や不安が生じた際に、気軽に問い合わせできる窓口（電話、メール、チャットなど）が設置されているかも重要です。問い合わせに対して、迅速かつ丁寧に対応してくれるメーカーであれば、より安心して製品を利用できるでしょう。消費者からの質問に対して誠実に対応する姿勢は、その企業の信頼性を示すバロメーターとも言えます。「ベルタ葉酸サプリ」など、顧客サポートに力を入れているブランドもありますので、そういった点も比較検討の材料になるでしょう。

これらの情報開示の状況を確認することで、そのメーカーがどれだけ消費者のことを考えて製品を提供しているか、ある程度判断することができるはずです。

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いつからいつまで？葉酸サプリの正しい飲み方と注意点

葉酸サプリメントを最大限に活用するためには、選び方だけでなく、「いつからいつまで飲むのか」「どのくらいの量を飲むのか」といった正しい飲み方と、注意点を理解しておくことが不可欠です。このセクションでは、公開されている情報や一般的な見解に基づき、葉酸サプリの最適な摂取タイミングと期間、適切な量、そして知っておくべき副作用や注意点について詳しく解説します。これらの情報は、産婦人科で指導を受ける際にも基礎知識として役立ちます。

摂取開始時期：理想は「妊娠1ヶ月以上前」から

葉酸サプリメントの摂取を開始する理想的なタイミングは、「妊娠を計画している段階、少なくとも妊娠の1ヶ月以上前」とされています。なぜなら、赤ちゃんの脳や脊髄の基となる神経管は、妊娠のごく初期、多くの女性がまだ妊娠に気づかない時期（受胎後約28日以内、つまり最終月経開始日から数えて妊娠4週～7週頃）に形成されるからです。この重要な時期に母体の血中葉酸濃度を十分に高めておくことで、神経管閉鎖障害のリスクを効果的に低減できると考えられています。

【リスト：妊娠初期の器官形成と葉酸の重要時期】

• 妊娠0～3週末: 受精卵が着床し、細胞分裂が始まる。
• 妊娠4～7週末:
  • 神経管の形成: 胎児の脳や脊髄の基礎となる神経管が作られ、閉鎖する非常に重要な時期。この時期の葉酸不足は神経管閉鎖障害のリスクを高める。
  • 心臓の拍動開始、主要な内臓の基礎が形成され始める。
• 妊娠8～11週末: 顔のパーツ、手足の指などが形成され、より人らしい形に。

もちろん、妊娠が判明してから葉酸サプリを飲み始めても決して遅すぎるわけではありません。気づいた時点から速やかに摂取を開始することで、その後の胎児の発育や母体の健康維持に役立つとされています。しかし、より確実に赤ちゃんの先天異常リスクを低減するためには、妊娠前から意識的に葉酸を摂取し、体内に十分な量を蓄えておくことが望ましいと考えられています。

摂取期間：妊娠初期を過ぎても、授乳期までの継続を推奨

葉酸の摂取が最も重要視されるのは、神経管が形成される妊娠初期（特に妊娠12週頃まで）ですが、妊娠中期以降、そして出産後の授乳期に至るまで、葉酸サプリメントの摂取を継続することが一般的に推奨されます。

妊娠中期以降も、胎児は急速に成長し、細胞分裂が活発に行われます。葉酸はDNA合成や細胞増殖に不可欠なため、この時期の胎児の健全な発育をサポートすると考えられています。また、母体においても、増加する血液量に対応するために赤血球の生産が盛んになり、葉酸はその材料として重要な役割を果たします。

出産後の授乳期には、母乳を通じて赤ちゃんに栄養が供給されます。葉酸も母乳に含まれる重要な栄養素の一つであり、赤ちゃんの成長を支えます。また、出産で体力を消耗した母体自身の回復や、産後の貧血予防のためにも、葉酸の継続的な摂取は有益であるとされています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」でも、授乳期には妊娠前よりも多くの葉酸摂取が推奨されています。

このように、葉酸は妊娠期間全体から授乳期に至るまで、母子双方にとって重要な栄養素です。少なくとも授乳が終わるまでは、意識的に葉酸サプリメントを活用することが勧められています。

適切な摂取量と上限：守るべき量と過剰摂取のリスク

葉酸の適切な摂取量を守ることは、その効果を最大限に引き出し、同時に過剰摂取によるリスクを避けるために非常に重要です。先に示した通り、妊娠を計画している女性や妊娠初期の女性は、通常の食事に加えて1日に400μgのモノグルタミン酸型葉酸をサプリメントなどから摂取することが推奨されています。 妊娠中期・後期は1日240μg、授乳期は1日100μgが、サプリメントからの付加的な推奨量です。

一方で、葉酸にも耐容上限量（これ以上摂取すると健康被害のリスクが高まる量）が設定されています。モノグルタミン酸型葉酸としての耐容上限量は、成人男女ともに1日に1000μg（＝1mg）です（日本人の食事摂取基準2020年版）。

通常の食事から葉酸を過剰摂取することはほとんどありませんが、サプリメントや葉酸強化食品を複数利用している場合、気づかないうちに上限量を超えてしまう可能性があります。葉酸の過剰摂取は、主に以下のようなリスクが指摘されています。

• ビタミンB12欠乏症の診断困難化: 葉酸を大量に摂取すると、ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血の症状が隠されてしまうことがあります。これにより、神経障害などビタミンB12欠乏症の発見が遅れる可能性があります。
• 亜鉛の吸収阻害: 大量の葉酸が亜鉛の吸収を妨げる可能性が示唆されています。
• その他: 発熱、じんましん、かゆみ、呼吸障害などの過敏症反応が報告されることもまれにあります。

これらのリスクを避けるためにも、サプリメントの用法・用量を守り、複数の製品を併用する際は総摂取量に注意することが大切です。不安な場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

副作用はある？知っておきたいこと

葉酸は水溶性のビタミンであり、体内で必要量を超えた分は基本的に尿として排出されるため、推奨される摂取量を守っていれば、重篤な副作用の心配はほとんどないと考えられています。 日本人の食事摂取基準で設定されている耐容上限量（1000μg/日）を超えない限り、安全性は高いとされています。

ただし、ごくまれに、以下のような軽微な症状が現れる方がいると報告されています。

• 消化器症状: 吐き気、食欲不振、腹部膨満感、苦味など
• 精神神経症状: 不眠、興奮、気分の落ち込みなど（非常にまれ）
• アレルギー反応: 発疹、かゆみ、じんましんなど（サプリメントに含まれる他の成分が原因の場合も）

これらの症状は、摂取を中止したり、量を減らしたりすることで改善することがほとんどです。もし葉酸サプリを飲み始めてから体調に異変を感じた場合は、自己判断せずに、まずは医師や薬剤師に相談してください。特にアレルギー体質の方は、製品の成分表示をよく確認し、ご自身に合わない成分が含まれていないか注意が必要です。

多くの妊婦さんが安心して葉酸サプリを摂取していますが、万が一のために、このような可能性も知っておくと良いでしょう。

葉酸サプリに関するよくある質問（Q&A）｜産婦人科での質問も参考に

葉酸サプリについて、多くの方が疑問に思いやすいポイントや、実際に産婦人科でよく質問される内容をQ&A形式でまとめました。一般的な情報や専門家の見解を基に、分かりやすくお答えします。

Q1. 食事だけで葉酸を摂るのは難しいですか？

はい、妊娠期に必要な量の葉酸を、食事だけで安定的に摂取するのは非常に難しいと言えます。
葉酸は緑黄色野菜（ほうれん草、ブロッコリーなど）、豆類、レバーなどに多く含まれていますが、いくつかの理由で食事からの摂取効率は高くありません。
まず、食品中の葉酸（ポリグルタミン酸型葉酸）は、サプリメントに使われるモノグルタミン酸型葉酸に比べて体内での吸収率が約半分程度と低いのです。さらに、葉酸は水に溶けやすく熱に弱いため、調理（茹でる、炒めるなど）によって50%以上が失われてしまうこともあります。
例えば、妊娠初期にサプリメントから推奨される400μgのモノグルタミン酸型葉酸を、吸収率や調理損失を考慮して食事だけで摂ろうとすると、毎日大量の野菜を食べる必要があり、現実的ではありません。
このような理由から、厚生労働省も通常の食事に加えて、サプリメントからの葉酸摂取を推奨しているのです。産婦人科でも、同様の説明がなされることが一般的です。

数値は目安であり、調理方法や時間によって変動します。

Q2. 「天然葉酸」と「合成葉酸」、どちらが良いのですか？

「天然」と聞くと身体に良さそうなイメージがあり、「合成」と聞くと少し不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、葉酸に関しては、サプリメントなどに使われる「合成葉酸（モノグルタミン酸型葉酸）」の方が、食品に含まれる「天然葉酸（ポリグルタミン酸型葉酸）」よりも体内での吸収率・利用効率が高いことが科学的に確認されています。
具体的には、モノグルタミン酸型葉酸の生体利用率は約85%であるのに対し、ポリグルタミン酸型葉酸は約50%とされています。そのため、厚生労働省が推奨しているのも、この吸収率の高いモノグルタミン酸型葉酸です。
「天然由来」を謳う製品もありますが、その場合でも多くは最終的にモノグルタミン酸型に変換・精製されていると言われています。「天然」という言葉だけに惑わされず、吸収率の高いモノグルタミン酸型葉酸が適切な量で配合されているかを確認することが大切です。この点は、産婦人科でサプリメントについて尋ねられた際にも説明されることがあります。

Q3. 産婦人科で処方される葉酸サプリと市販品の違いは？

産婦人科で「処方」される葉酸は、基本的には治療目的で使用される「医薬品」や薬剤師に相談すると良いでしょう。産婦人科医によっては、特定の市販サプリメントを推奨する場合や、患者さんが使用している製品についてアドバイスをすることもあります。

Q4. 飲み忘れた場合はどうすればいいですか？

葉酸サプリは毎日継続して飲むことが理想ですが、うっかり飲み忘れてしまうこともあるかと思います。1回飲み忘れた程度であれば、それほど心配する必要はありません。
飲み忘れに気づいた時点で、その日の分として1回分を飲んでください。ただし、次の摂取タイミングが近い場合は、1回分だけを飲み、まとめて2回分を飲むのは避けましょう。過剰摂取になる可能性があります。
大切なのは、飲み忘れに気づいても慌てず、また翌日から通常通り継続することです。飲み忘れを防ぐためには、毎日同じ時間に飲む（例：朝食後）、スマートフォンのリマインダー機能を活用する、目につく場所に置いておくなどの工夫が有効です。

Q5. つわりでサプリメントが飲みにくいのですが…

つわりで食事が思うように摂れなかったり、匂いに敏感になったりすると、サプリメントを飲むのも辛く感じることがありますよね。そのような場合は、無理をせず、できる範囲で工夫してみましょう。
いくつか試せる方法があります。

• 小粒タイプやカプセルタイプを選ぶ: 喉ごしが良く、飲み込みやすいもの。
• 無味無臭のものを選ぶ: 味や匂いが刺激にならないように。
• ゼリータイプやチュアブルタイプ、ドリンクタイプを試す: 固形物が難しい場合に。
• 体調が良い時間帯に飲む: 1日の中で比較的気分が良い時を見つけて。
• 食べ物や飲み物と一緒に摂る: 例えば、ヨーグルトに混ぜたり、少量のジュースで飲んだり（ただし、飲み合わせに注意が必要な場合もあるので医師に確認を）。
• それでも難しい場合は医師に相談する: 栄養状態によっては、他の対応が必要な場合もあります。産婦人科では、つわり時の栄養指導も行っています。

つわりは一時的なものであることが多いですが、その間の栄養状態も気になるところです。無理強いは禁物ですが、少しでも楽に摂取できる方法を見つけられるよう、医師や薬剤師に相談してみるのも良いでしょう。

Q6. 葉酸サプリは男性も飲んだ方が良いですか？

はい、妊活は夫婦で取り組むものですから、男性も積極的に葉酸を摂取することには意義があると考えられています。
最近の研究では、葉酸が男性の精子の質（数、運動率、形態など）の維持や、精子のDNA損傷リスクの低減に関与している可能性が示唆されています。質の高い精子は、受精率の向上や、その後の胎児の健全な発育にも繋がると考えられます。
男性の場合、女性のように神経管閉鎖障害リスクのような直接的な胎児への影響に対する明確な推奨量はありませんが、健康な精子を育むための栄養素の一つとして、バランスの取れた食事と共に、葉酸を意識的に摂取することは良いことです。一般的な成人男性の葉酸推奨量は1日240μgですが、妊活中の男性向けに亜鉛など他の栄養素と組み合わせて配合されたサプリメントも市販されています。
ご夫婦で一緒にサプリメントを飲むことで、妊活への意識を高め、協力体制を築くきっかけにもなるかもしれません。この点についても、産婦人科でカップル向けの相談を行っている場合があります。

まとめ：あなたに最適な葉酸サプリを見つけて、健やかなマタニティライフを｜産婦人科医への相談も視野に

この記事では、葉酸サプリメントの重要性、賢い選び方の5つのポイント、そして正しい飲み方や注意点について、現在公開されている情報や専門家の一般的な見解を基に解説してきました。もう一度、大切なポイントをおさらいしましょう。

葉酸の重要性: 胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減、母体の貧血予防などに重要とされ、産婦人科領域でもその摂取が推奨されている。

選び方のポイント:

1. 含有量と種類: 400μgのモノグルタミン酸型葉酸が基本。
2. 配合成分: 鉄分やビタミンDなど、妊娠期に必要な栄養素のバランス。「ベルタ葉酸サプリ」のように、多くの栄養素をバランス良く配合している製品も選択肢の一つです。
3. 安全性と品質: GMP認定工場製造、不要な添加物の有無。
4. 飲みやすさと続けやすさ: 形状、サイズ、匂い、価格。
5. 情報開示の透明性: メーカーの信頼性。

正しい飲み方: 妊娠1ヶ月以上前から授乳期まで継続が推奨。用法・用量を守る。

葉酸サプリメントは、新しい命を育むあなたと、お腹の赤ちゃんにとって、大切な栄養サポートの一つです。しかし、情報が溢れる中で、どれを選べば良いか迷ってしまうのは当然のこと。大切なのは、広告やイメージだけでなく、この記事でご紹介したような客観的な情報に基づいて、ご自身が納得できる製品を選ぶことです。

そして何よりも、不安なことや分からないことがあれば、一人で悩まず、かかりつけの産婦人科医や助産師、薬剤師といった専門家に遠慮なく相談してください。専門家は、あなたが安心して、そして健やかなマタニティライフを送れるよう、サポートしてくれるはずです。特に、どのサプリメントが良いか迷う場合や、ご自身の健康状態に合わせたアドバイスが必要な場合は、産婦人科医への相談が最も確実です。

この記事が、あなたの葉酸サプリ選びの一助となり、素晴らしい妊娠・出産、そして育児へと繋がることを心から願っています。さあ、あなたと赤ちゃんにとってベストな一歩を踏み出しましょう。

参考文献・参照元

本記事を作成するにあたり、以下の情報を参考にしました。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準（2020年版）」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」
https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/1212/h1228-1_18.html

e-ヘルスネット（厚生労働省）「葉酸とサプリメント‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html

日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編」（最新版をご確認ください）
日本産科婦人科学会のウェブサイト https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2023.pdf 等で関連情報を検索してください。